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デメリットだらけでも吸い寄せられてしまうのは仕方ない「iPhone Air」の魅力あのペン・ボード・ガジェット(3/5 ページ)

Appleから新たに発売された「iPhone Air」は、スリムで割り切ったスマートフォンとして、どのような魅力があるのでしょうか。refeiaさんが試した結果はいかに?

拍子抜けするほど問題ないバッテリー

 これだけ薄いとなると、誰しも心配になるのはバッテリー持続時間でしょう。専用のMagSafeバッテリーが「前提キット」みたいな様子で用意されているのを見ればなおさらです。

 ところが、Appleの比較ではiPhone Airのバッテリー持続時間は2024年発売のiPhone 16 Proと同等になっています。手元でYouTubeを流し続けるテストをしても、24時間もつペースでバッテリーが減っていきました。


スペック上は、バッテリー持ちはiPhone 16 Proと同等です

 iPhone Airのバッテリー容量は、iPhone 16 ProやiPhone 16より1割ちょっと少ないようで、Appleが新しい世代の新しいスタイルとして本気で取り組めば、それくらいはカバーできるということでしょう。

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 実際に、メインスマホとして数日を過ごしました。厳しく見るために残量80%で朝にスタートしても、仕事を終えて夜に帰宅した時点で30%残っており、そこから20%を割るまで使うとスクリーンタイムは5時間ほどでした。

 iPhoneは100%より上に結構な容量が隠れて充電されるので、満充電でスタートすればより余裕をもって一日を過ごせるでしょう。

 従来のiPhoneや、「Pixel 10 Pro XL」のような、より大容量のバッテリーを持つAndroid機にも引けを取らないバッテリー持ちだと思います。一方で、2025年発売のiPhone 17やiPhone 17 Proはさらに余裕があるはずで、そこから見ればそれなりの妥協、iPhone 17 Pro Maxのような大容量モデルから見たら大きな妥協になるとも言えます。

シンプルなカメラを搭載

 iPhone Airの背面カメラは、見ての通り1つしかありません。無印iPhone 17と同じ仕様の、画質の良い広角カメラです。普通に撮影する写真は約1200万画素ですが、センサーの約4800万画素を効果的に使って、3~4倍程度のズームまではスマホとしてはOKかなという画質で撮影できます。


そのまま机に置くと、この出っ張りのせいでガタつきやすいです

 いつものiPhoneの良いカメラとして、従来モデルから違和感なく利用できると思います。超広角と望遠カメラが必要かどうかは人によりますが、ある程度欲しい人でも割り切って、サブスマホやデジカメ趣味に興じてみるのも一興だと思います。

 フロントカメラは縦横比が1:1のセンサーを使って、縦持ちのまま横長に撮ったり、横持ちで縦長に撮ったりできます。一見地味ですが、4:3の長方形センサーよりも面積の大きい、特注か何かの珍しいセンサーが必要なぜいたくな仕様です。


「Apple Event-9月10日(日本時間)」より。輝度調整は筆者

超広角としてのフロントカメラ

 そのフロントカメラですが、0.75倍ぐらいの画角なので、「たまに室内や旅先の景色を広く撮りたいときもある」という人には、超広角カメラの代用になる可能性があります。


メインの広角カメラが換算26mmで、フロントカメラはズームアウト状態で20mmぐらいです。写真撮影の分野では、20mmは超広角の入り口ぐらいの扱いです(諸説あるとはいえ)

 試してみましたが、意外と楽しいです。他の機種で採用されている0.5倍の超広角は広すぎて画面端のあたりの歪みが激しく、ズーム率の調節を強いられがちです。このフロントカメラはちょうど良い自然さと広さで、(撮影中の画面が見えない以外は)扱いやすく感じました。


メインカメラより、奥行きを強調して撮ることができます

突然のサイバーパンクを切り取りました

水平を外しやすいのは苦労するかも

空はやはり超広角がほしいです。カメラバンプの光沢に自分の目が映るように構えると、被写体を正面に捉える助けになります

 スマホを後ろ向きにして撮っている姿は若干怪しいですが、「ノーファインダー撮影」は当たり外れもあり、おみくじ的な感覚を味わいながらも勘がついていく楽しさがあります。画質も他の機種の超広角カメラと同じか良いぐらいなので、ぜひ試してみてほしい撮り方です。

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