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なぜ「ぬい活」が流行?  爆売れ「ラブブ」と“自撮り代わり”の若者心理(2/3 ページ)

2025年の流行語候補「ぬい活」。ぬいぐるみ市場が急成長する背景には、BLACKPINKのLISAも愛用する「ラブブ」などのファッションアイテム化や根強い推し活需要があります。さらに、自撮りの代わりに「ぬい」を撮影し、自分の分身として楽しむ若者の心理もブームを後押ししています。

若者がぬい活に夢中になる理由

 ぬい活をする理由としては、大きく分けて「ファッションアイテム」「推し活」「いやし」が挙げられます。

 ファッションアイテムの代表格が「ラブブ」(LABUBU)です。ラブブはモフモフしたうさぎのような着ぐるみを着ている、ちょっといたずらっ子のような笑顔を浮かべている人気キャラクターで、新語・流行語大賞にもノミネートされています。


「ぬい活」ブームにさらに火をつけた「ラブブ」

 ラブブは、香港在住のアーティストであるカシン・ロン氏がデザインしたキャラクターで、販売元は中国の玩具メーカー「POP MART」です。あまりの人気に完売状態が続いており、高額な転売や偽造品も作られる事態になっています。POP MARTの実店舗は抽選に当たらなければ入場もできず、オンラインショップへ入荷されることがあっても瞬時に完売します。

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 さらにラブブ人気に火をつけたのは、韓国のガールズグループ「BLACKPINK」のメンバー、LISA(リサ)だといわれています。リサは高級ブランドのバッグにラブブをぶら下げるだけでなく、コンサートの衣装にもラブブ風にデザインを採用するほど、ラブブを愛しています。

 彼女以外にも海外セレブに人気があり、英国の元サッカー選手であるデビッド・ベッカムさんも、愛娘にもらったラブブをバッグに付ける様子をInstagramに投稿し、話題になりました。

 一見すると子供っぽいアイテムであるぬいぐるみが、セレブのファッションアイテムとなったため、バッグにラブブをぶら下げることが最先端のおしゃれとなったわけです。

 ラブブの人気にはSNSも一役買っています。TikTokなどの動画共有サービスでは、ラブブの「開封動画」が人気です。ラブブは「ブラインドボックス」と呼ばれる、中身の見えない箱に入って売られています。開封するまで、欲しいカラーが買えたのか、分からないのです。

 そこで、大量購入したインフルエンサーなどがブラインドボックスを1つずつ開け、一喜一憂する様子を配信しています。視聴者も一緒になってドキドキ感を味わえます。

 ラブブ以外でも開封動画は人気があり、同じく中国の玩具メーカー「TOP TOY」で扱っている「クレヨンしんちゃん」や「おぱんちゅうさぎ」、サンリオのキャラクターなどのブラインドボックスの開封動画も公開されています。こうしたSNSでの後押しも現在のぬいぐるみブームを勢いづけているのだと思います。

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