レビュー

「電卓+ギター」という発想で生まれた電子楽器「KANTAN Play Core」 インスタコード・ゆーいち氏の新作 楽譜が読めなくても“音ゲー”感覚で弾けた(1/3 ページ)

何か楽器を演奏したいと思っていても「楽譜が読めない」とか「練習する時間がない」といった理由で、二の足を踏んでいる人は多いのではないだろうか。過去に楽器を買ってみたが、途中で諦めてしまった人もいるだろう。「KANTAN Play Core」は、従来の楽器が苦手な人でも気軽に演奏できることを目指して作られた新世代電子楽器である。筆者も購入してみたので、早速レビューしていきたい。

 ギター型の電子楽器「インスタコード」を開発したゆーいち氏が「障害などを持っている人でも簡単に演奏できる楽器を開発したい」という強い思いで新たに開発したのが、電子楽器「KANTAN Play Core」(以下、かんぷれ)だ。


「KANTAN Play Core」のパッケージ

 大きさは小型のスマートフォン程度ながら、弾き語りから本格的な音楽制作まで、さまざまな用途に活用できる。運動機能障害や視覚障害など、さまざまなハンディキャップに合わせて操作方法を自由にカスタマイズできるのも大きな特徴だ。

 もともとクラウドファンディングで先行販売されていたが、6月に一般発売も開始され、公式サイトや全国の楽器店、スイッチサイエンスなどで販売されている。価格は3万3000円だ。筆者も購入してみたので、早速レビューしていこう。

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逆カラオケのWebサイトを利用して、あいみょんの「マリーゴールド」を演奏しているところ。サイトの動画のカーソルにあわせてかんぷれのボタンを押すだけで、ふさわしいコードが演奏される

体が不自由でも演奏できる楽器を目指して開発された

 かんぷれの本体は、M5Stackのマイコンモジュール「M5Stack Core S3 SE」に、音源チップやボタン、ジョグダイヤルなどを搭載した専用モジュールを組み合わせて作られている。


「KANTAN Play Core」のパッケージの中身

「KANTAN Play Core」本体

「KANTAN Play Core」本体裏側。4つの穴にレゴのパーツを装着できるようになっている

「KANTAN Play Core」左側面。ジョグダイヤルやリセットボタン、左サイドボタン、microSDメモリーカードスロットが用意されている

「KANTAN Play Core」右側面。シフトレバーや右サイドボタンが用意されている

「KANTAN Play Core」上面。電源ボタンやUSB Type-C、Grove Port A/B/Cが用意されている

 サイズは約125(幅)×74(奥行き)×35(高さ)mm、重さは約179gで、付属するネックストラップを本体底面のストラップホールに取り付ければ、首から下げて気軽に持ち運ぶことも容易だ。


ネックストラップが付属するのもうれしい。首から下げて気軽に持ち歩いて演奏できる

 バッテリーはリチウムイオン電池を内蔵しており、USB Type-C経由で充電できる。また、3つ用意されている拡張ポート(Grove Port A/B/C)にさまざまなボタンやセンサーなどを接続して演奏することも可能だ。

 かんぷれは「電卓+ギター」という発想で生まれた楽器で、楽譜が読めなくても、後ほど紹介する独自の「KANTANコード」によって、誰にでもすぐに演奏できる。

 なお、かんぷれで演奏する前に、メインとなる白いボタンに付属のシールを貼っておくとよい。シールが小さいので、ピンセットなどを使って丁寧に貼るのがよいだろう。筆者は不器用なので、だいぶ曲がってしまった。


演奏に使うプレイボタンに付属のシールを貼ったところ。小さいので真っすぐ貼るのが難しい
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