クラウドストレージの金銭的負担が増してきた 回避策としてTerraMasterのNASキット「F2-425」を使ってみた【セットアップ編】(1/2 ページ)
複数のクラウドストレージサービスを契約している筆者。いよいよ、費用の負担感が深刻になってきた。そこでTerraMasterのNASキット「F2-425」を使ってみることにした。今回は手持ちのHDDを使って、快適に使えるのかどうかをチェックしてみる。
仕事柄、筆者は複数のクラウドストレージサービスを契約している。しかし、保存容量を引き上げるとなると、そこそこ大きな出費を要する。PCやスマートフォン/タブレットにアプリを入れておけば、デバイスを問わずファイルを同期できるのは楽でいいのだが、“お財布”には厳しい。
そんなことを知人に話したところ、「長期間に渡って出費がかさむならいっそのことNASを入れてみてはどうか?」と提案を受けた。これまでデータの保管にはクラウドストレージか外付けHDD/SSDを活用してきたので、個人利用においてNASという発想がなかったのだ。
NASってどんなものだろうか――そんなNAS初心者のもとに、TerraMasterの2ベイNASキット「F2-425」(実売価格4万円台前半~半ば)がやってきた。ひとまず、手持ちのHDDを使って実用できるのか試してみた。
コンパクトだがパワフルなF2-425
先述の通り、F2-425は2ベイ構成のNASキットだ。キットと付くNAS製品は、利用に当たって別途HDD/SSDを用意する必要がある。
ストレージベイには、Serial ATA接続かつ2.5インチまたは3.5インチのHDD/SSDを最大で2基搭載できる(最大1基当たり30TB)。3.5インチHDDを使う場合は完全にツールレスで組み込み可能だ。2.5インチHDD/SSDを組み込む場合はネジ止めが必要だが、ネジは付属しているのでドライバー(ネジ回し)だけを用意すればいい。
NASでは複数のストレージを束ねて利用することで冗長性やパフォーマンスを高める「RAID(レイド)」という仕組みを利用できる。本製品は2ベイ構成なので「RAID 0(ストライピング)」と「RAID 1(ミラーリング)」が利用可能だ。もちろん、それぞれのベイのストレージを別個のドライブとして扱う「シングルモード」も用意されている。
とにかくパフォーマンスを重視するのであれば、2台のストレージにデータを分割して保存するRAID 0を使うといい。逆に、データの冗長性を重視するのであれば、2台のストレージに同じデータを保存するRAID 1を使えばいい。
加えて、本製品ではTerraMaster独自の「TRAID(TerraMaster RAID)」「TRAID+(TerraMaster RAID Plus)」と呼ばれるRAIDも利用できる。TRAIDは異なる容量のストレージが混在している環境において、より大容量のストレージを“無駄を抑えて”使えることが特徴だ。
また、別売のUSB接続の「DAS(エンクロージャー)」を利用することで、追加のストレージプール/ボリュームとして利用することも可能だ。
本製品は、サイズの割にパワフルであることも特徴だ。CPUはIntelの「Celeron N5095」(2GHz~2.9GHz/4コア4スレッド)で、メモリはDDR4規格のSO-DIMMを標準で4GBを備えている(最大で16GBモジュールに換装可能)。
ポート類は正面に、USB 10Gbps(USB 3.2 Gen 2) Standard-A端子を、背面にはHDMI出力端子、ネットワーク(2.5GBASE-T)端子、USB 10Gbps Standard-A端子、、USB 5Gbps(USB 3.2 Gen 1) Standard-A端子と電源端子を備えている。HDMI出力端子はストレージ上にある映像/音声の出力に対応しており、以下の形式のファイルを再生可能だ(最大4K/60fpsまで対応)。
- H.264
- H.265
- MPEG-4
- VC-1
ネットワーク端子は最大2.5Gbpsに対応しているので、最近じわじわ増えてきたマルチギガビット有線LAN環境ではデータのやりとりをより高速に行える。
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