推し活に欠かせないペンライト ワイヤレス制御から“人力”のこだわりまで、会場を一つにする光の事情(2/2 ページ)
推し活の必需品「ペンライト」は、スマホ連動などの最新技術でさらに楽しく進化しています。驚きの制御の仕組みから、ファンが手動で色を変えるこだわりの文化まで、その奥深い世界を優しく紹介します。
光るだけじゃない、会場を1つにするペンライト
最近はBluetoothによってスマホと連動させ、アプリから色や光り方を制御できるタイプが増えています。K-POPアイドルグループ「SEVENTEEN」は、10周年記念としてドームツアーを開催し、記念グッズとしてペンライト「SEVENTEEN OFFICIAL LIGHT STICK VER.3 10th Anniversary」を販売しました。
コンサートが始まると、主催側が曲に合わせてペンライトの色を変えたり、点滅させたりといった制御を行います。こうしたペンライトを「制御ペンライト」と呼びます。
制御ペンライトはコンサート前に専用アプリをインストールするなど、準備が必要です。SEVENTEENはYouTubeにユーザーガイドを公開するなどして、ファンに呼びかけを行いました。
制御ペンライトでは、自分の座席番号をアプリに入力します。主催側は座席番号に対して色や点滅スピードを指示することにより、特定の席だけペンライトの色を変えて文字を浮かび上がらせたり、曲のリズムに合わせて全体を点滅させたりできます。会場とアーティストが一体となり、その場に没入する体験ができるのです。
しかし、アーティストのファン層によっては、スマートフォンを持っていない年齢の人もいます。そこで「Hey! Say! JUMP」のドームツアーでは、スマホを持たない人に相談窓口を用意して対応しています。
ワイヤレス制御はBluetooth以外にもある
このように、ペンライトとスマホをBluetooth連携し、アプリで制御する方法が主流となりつつありますが、ペンライトを制御する方法は他にもあります。
一つ目は、赤外線方式(IR)です。会場に赤外線装置を設置し、ペンライトの色を制御します。
実は10年ほど前、筆者はBABYMETALのコンサートへ行き、会場でコルセットを配られたことがあります。訳も分からず大喜びで装着していたところ、あるとき観客全員のコルセットが一斉に光ったのです。これは、コルセットに赤外線を受ける部品が入っていたためでした。このようにペンライト以外にも仕掛けられるのですが、赤外線方式は死角があり、細かな制御が難しい側面もあります。
また、無線方式(RF)もあります。代表格はソニーの「FreFlow」(フリフラ)で、主催側がペンライトに向けて電波(920MHz帯)を送り、光を制御します。2011年の「いきものがかり」や、2014年以降の「嵐」のコンサート、2012年のNHK紅白歌合戦などで使用され、観客を驚かせました。
ただ、座席に貼ったICタグを読み取らせたり、貸し出しや回収の手間があることなどから、現在のFreFlowはアプリのBluetooth形式を採用しています。
サンリオピューロランドで使用する「ミラクルハートライト」や「ミラクルギフトパレードライト」は、パレードと連動して光ります。これはパレードの楽曲に含まれた高周波音を使って信号を送っているとされており、パレードの公式DVDを家で再生しても自動点滅します。現在サンリオピューロランドは「ワンダーリボンライト」も販売しており、こちらは赤外線機能でペンライト同士が通信できる機能も持っています。
ファンだからこそ人力で推す派も
公式ペンライトによる制御は美しい演出ができますが、実は今でも人力で色を変えているファンもたくさんいます。例えば、「水樹奈々コールwiki」には、「サイリウム&ペンライト」ページがあり、曲別のカラーが参考として記されています。
グループの場合、メンバーの自己紹介の間はメンバーカラーに切り替えるといった風習もあり、ファン同士でリスペクトする気持ちを表現している人たちもいるようです。
メンバーの誕生日にはファンの有志である「生誕委員」がお祝いの演出としてメンバーカラーのサイリウムを会場に配ったり、振るタイミングを指示するなどの企画をすることもあります。
ファンとしては、主催側に制御されるよりも、自分たちの推しへの愛をペンライトで伝えたいという思いがあるのでしょう。テクノロジーの進化も楽しいですが、アナログで行う愛情表現もまだまだ続いていきそうです。
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