レビュー

“光らない”がプロ現場でうれしい “Ryzen 7 7800X3D×GeForce RTX 5070”の「HP OMEN 35L Stealth Edition」を情シス目線で試す(4/4 ページ)

日本HPの「OMEN 35L Stealth Edition」は、最新のRyzen 7 9800X3D等を搭載した硬派な黒のハイエンド機。Win 11 Pro標準搭載や保守の充実など、情シス視点で見た導入メリットを解説する。

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OMEN 35L Stealth Editionの実力をチェック!

 さて外観チェックはこれくらいにして、気になるOMEN 35L Stealth Editionの実力について、各種ベンチマークテストを使ってチェックしていこう。なお、今回テストに利用したモデルはRyzen 7 7800X3Dを搭載したオニキスプラスモデルを利用している。主なスペックは以下の通りだ。

  • CPU:Ryzen 7 7800X3D
  • メモリ:DDR5-5200 16GB×2(空きスロット2)
  • ストレージ:Western Digital PC SN5000S 2TB
  • GPU:NVIDIA GeForce RTX 5070

CINEBENCH 2024

 まずは、3DレンダリングによってCPUの性能をテストする「CINEBENCH 2024」を実行し、Ryzen 7 7800X3Dの実力を測ってみた。結果は以下の通りだ。なお、参考データとしてRyzen 7 7700Xで測定したデータを参考値として用意したので参考にしてほしい。

  • マルチコア
    • Ryzen 7 7800X3D:1019ポイント
    • Ryzen 7 7700X:1085ポイント
  • シングルコア
    • Ryzen 7 7800X3D:112ポイント
    • Ryzen 7 7700X:112ポイント

 ベンチマーク結果を比較すると、Ryzen 7 7800X3Dのマルチコアスコアは、Ryzen 7 7700Xの約94%にとどまることが分かった。Ryzen 7 7800X3Dは、大容量のL3キャッシュを積層する「3D V-Cache」によりデータアクセスの高速化を図っている。

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 しかし、CPUコアの上にキャッシュを実装する構造上、熱に弱いキャッシュメモリがコアの発熱による影響を受けやすいという制約がある。そのため、Ryzen 7 7700Xが最大ブースト5.4GHz/ベース4.5GHzであるのに対し、7800X3Dは最大5GHz/ベース4.2GHzと動作クロックが低く設定されている。単純な演算性能で7700Xが優位に立つのは、このクロック差に起因するものだ。

 とはいえ、低クロックながら7700Xに肉薄する性能を発揮できる点は評価に値する。本CPUを搭載した「オニキスプラス」モデルであれば、クリエイティブ業務も十分にこなせる実力を備えているといえる。


CINEBENCH 2024ベンチマーク結果

PCMark10

 続いて、さまざまなアプリケーションを実行して総合的なパフォーマンスを測定できる「PCMark 10」の総合スコアを基に、オニキスプラスモデルの総合的な実力を試してみた。結果は以下の通りだ。

  • Ryzen 7 7800X3D:8883ポイント
  • Ryzen 7 9800X3D:9989ポイント

 なお、今回のテストでは上位のオブシディアンプラスモデルに近しい下記の構成で過去に測定した結果と比較しているので参考にしてほしい。

  • CPU:Ryzen 7 9800X3D
  • メモリ:DDR5-6000 16GB×2
  • GPU:GeForce RTX 4080 SUPER(Founders Edition)

 今回テストしたオニキスプラスモデルは下位モデルにあたるため、上位のオブシディアンプラスモデルを想定した環境と比較すると、上位モデルと比較して約89%のスコアとなった。

 しかし、スコア差が大差とはならないため、予算面で上位のオブシディアンプラスモデルを選べない場合であれば、オニキスプラスモデルを購入すると業務効率を極力落とすことなく取り組めるだろう。


PCMark10のテスト結果

3DMark

 続いて、3Dグラフィックス性能をテストする「3DMark」の結果を確認していこう。

  • Fire Strike(DirectX 11ベース/フルHD描画)
    • Ryzen 7 7800X3D:4万2367ポイント
    • Ryzen 7 9800X3D:5万1620ポイント
  • Fire Strike Extreme(DirectX 11ベース/WQHD描画)
    • Ryzen 7 7800X3D:2万7409ポイント
    • Ryzen 7 9800X3D:3万2674ポイント
  • Fire Strike Ultra(DirectX 11ベース/4K描画)
    • Ryzen 7 7800X3D:1万3926ポイント
    • Ryzen 7 9800X3D:1万7951ポイント
  • Time Spy(DirectX 12ベース/WQHD描画)
    • Ryzen 7 7800X3D:2万544ポイント
    • Ryzen 7 9800X3D:2万5467ポイント
  • Time Spy Extreme(DirectX 12ベース/4K描画)
    • Ryzen 7 7800X3D:9508ポイント
    • Ryzen 7 9800X3D:1万2430ポイント

 ベンチマーク結果を比較すると、Ryzen 7 7800X3DのスコアはRyzen 7 9800X3Dの約80%にとどまることが見て取れる。

 両者は同じ「3D V-Cache」を採用しているが、9800X3DではキャッシュメモリをCPUコアの下層に配置する構造的刷新が図られた。これにより冷却効率が劇的に向上し、動作クロックの引き上げと優れたオーバークロック耐性を実現。結果として、パフォーマンスが大幅に改善されている。

 比較対象が前世代のハイエンドGPUであるため単純比較はできないものの、下位モデルがこれほど高いパフォーマンスを維持している点には驚かされる。

 予算が限られる状況において、最上位の「オブシディアンプラス」ではなく「オニキスプラス」を選択しても、十分に業務利用に耐えうることが分かったのは大きな収穫だ。本シリーズにおいて、オニキスプラスは極めてコストパフォーマンスに優れたモデルといえるだろう。


3DMarkのテスト結果

安心して業務利用が可能 ハイエンド社用PCにおすすめ!

 さて、外観チェックからベンチマークテストまで、OMEN 35L Stealth Editionのポテンシャルを多角的に掘り下げてきた。

 下位モデルのオニキスプラスであっても、クリエイティブ業務の効率化を十分に実現できる。さらに、Windows 11 Proの標準搭載や優れたメンテナンス性は、管理側である情シスの運用負荷を劇的に低減させる。まさに、ユーザーと管理者の「両者両得」を体現した一台といえるだろう。

 しかし、本機にはもう1つ、法人利用において見逃せない大きな強みが隠されている。それが有償保守サービス「HP Care Pack」の存在だ。 サーバやネットワーク機器を展開するHPE(Hewlett Packard Enterprise)でおなじみの名称だが、日本HPもPC向けに同様の強力なサポートを用意している。

 修理種別は「引き取り修理(1~3年)」と「3年間の出張修理」から選択可能であり、記事執筆時点での保守費用は最大2万1780円と、非常に安価に設定されている。

 昨今のメモリやストレージの価格高騰に加え、今後GPUの価格上昇も懸念される中、定額で最大3年間の保守を受けられるメリットは計り知れない。予算執行の透明性を確保し、突発的な修理コストのリスクを排除できる点は、高価格帯のPCを調達する上で極めて大きな意義を持つ。

 クリエイティブ部門を支える情シス担当者にとって、OMEN 35L Stealth Editionは、性能/管理/保守の三拍子がそろった最良の選択肢となるはずだ。ぜひ一度、導入を検討してみるといいだろう。

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