「HHKB Classic Type-S」が示す“新スタンダード”の正体 有線専用モデルを投入した理由(1/3 ページ)
PFUが発売した「HHKB Professional Classic Type-S」は、高い有線ニーズに応える新スタンダードだ。静音性とキーマップ変更機能を備えつつ、無線機能を省くことで最適化。伝統と現代のニーズを両立し、ラインアップ再編の転換点となる一品だ。
2025年10月21日に発売された「HHKB Professional Classic Type-S」は、同シリーズのラインアップ再編という意味でも、大きな転換点となる製品だ。1996年12月の初代モデル発売から29年。今回の新モデルを通して再定義された、新スタンダードに込められた意味を考えてみたい。
安定の完成度を求めやすい価格で
新しいHHKB Professional Classic Type-S(以下、Classic-S)は、名称に含まれる単語それぞれに新規性はなく、既存モデルの持つ特徴の組み合わせを変更したバリエーションという位置付けだ。
つまり、静電容量無接点方式スイッチ(Professional)を採用した有線専用(Classic)の高速/静音モデル(Type-S)ということになる。
言ってみれば、HHKB Professional ClassicのガワとHHKB HYBRID Type-SのキースイッチのニコイチモデルがClassic-Sということになる。
外カバー部分が異なるHYBRID系とは、「電池ボックスがない」という点ですぐに見分けがつくが、非Type-Sのモデルとは、外観上では右肩にあるType-Sロゴの有無でしか見分けられない。重さは69キーの日本語配列が約540g、60キーの英語配列が約530gと、それぞれHYBRID Type-Sよりも約10g軽くなっている。
バリエーションは墨、白、雪の3色に、日本語/英語配列の合計6モデルで展開される。なお、PFUによると墨がもっとも人気があり、全体の約半数を占める。
次点が雪の約3割、以前からのスタンダードな白は約2割とのことだ。また、HHKBの場合は日本語/英語配列はシフトキー併用時の一般キーの違い以上に「矢印キーの有無」という点がユーザー体験に与える影響が大きいが、これらについて変更はない。また、全てのバリエーションでキートップが中央印字となっている。今までのモデルでは雪以外は左上印字だったため、こちらも標準仕様となりつつあるようだ。
Type-Sとしての機構は従来通りで、プランジャーとハウジングの間に衝撃/振動を吸収する緩衝材で作られたOリングを配置、押下されたキーが戻る際に発生する音を2500~5000Hz帯で刺激が下がるように改善、非Type-Sモデルと比べてタイプ音を約30%低減しているという。
キー押下時のブレを抑えるため、駆動部のかみ合わせもよりタイトに設計されている。キーストロークも非Type-Sの4mmから3.8mmに変更、押下圧45gとあわせて高速タイピング向きのセッティングとなっている。
既存のType-S系モデルからは実際のタイプ音/キータッチともほとんど変化は感じられない。キー軸のブレが小さくなり、より静音性が高くなったような印象も受けるが、金型や内部構造に変更がないことを考えると、最近メカニカルキーボードを多く使っていた筆者個人の体験が影響しているだけかもしれない。
あり得るとしたら、電池ボックスがないことによる重量バランスやボディー内反響の変化だろうが、基本的には違いはないと考えてよいだろう。
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