「Ryzen 7 9850X3D」先行レビュー L3キャッシュ爆盛りCPUはクロックアップでどうなったのか?(2/4 ページ)
AMDがCES 2026で発表した「Ryzen 7 9850X3D」が、まもなく発売を迎える。L3キャッシュ爆盛りCPUは、400MHzのクロックアップでどうなったのか――発売に先駆けて試してみた。
ベンチマークテストで「Ryzen 7 9850X3D」の性能をチェック!
ここからは、Ryzen 7 9850X3Dの性能を各種ベンチマークを通してチェックしていく。今回のレビューに当たり、AMDからCPU本体と併せて以下の機材も借りている。
- 「AMD X860E」搭載マザーボード(ASUS ROG Crosshair X870E Extreme)
- DDR5-6000メモリ(AMD EXPO対応)
- 1TB SSD(Samsung 990 PRO 1TB)
これらに手持ちの機材を加えてPCを組み立ててテストを行った。なお、参考情報としてCPUのみ「Ryzen 7 9700X」(8コア16スレッド/3.8GHz~5.5GHz)に変更した場合のテスト結果と、以前行ったRyzen 7 9800X3Dのテスト結果も併記する。Ryzen 7 9800X3Dのテストは約1年前のもので、OSやソフトウェアのバージョンも異なるので参考にとどめていただけると幸いだ。
CINEBENCH R23
まず、3Dレンダリングを通してCPUのパフォーマンスを確認できる「CINEBENCH R23」を実行した。先日最新版の「Cinebench 2026」がリリースされているが、過去のテストと比較する観点からあえて2世代前のR23で計測している。
結果は以下の通りだ。
- シングルコア
- Ryzen 7 9850X3D:2203ポイント
- Ryzen 7 9800X3D:2192ポイント
- Ryzen 7 9700X:2196ポイント
- マルチコア
- Ryzen 7 9850X3D:2万3156ポイント
- Ryzen 7 9800X3D:2万2862ポイント
- Ryzen 7 9700X:1万8622ポイント
順当に、動作クロックが一番高いRyzen 7 9850X3Dのスコアがトップだ。9800X3Dとの差はわずかだが、これは動作クロックの差なのだろう。
Blender Benchmark
次は2D/3Dアニメーション制作ツール「Blender」をベースとしたベンチマークテスト「Blender Benchmark」を試してみた。
Blenderを積極的に使うPCなら、通常は外部GPU(グラフィックスカード)を搭載するところだろうが、今回はGPUに依存しないCPUレンダリングのテストを行った。主要なテストにおける1分間あたりの生成サンプル(オブジェクト)数は以下の通りだ。
- Monster
- Ryzen 7 9850X3D:154.816090個
- Ryzen 7 9800X3D:145.910652個
- Ryzen 7 9700X:128.312595個
- Junkshop
- Ryzen 7 9850X3D:105.784077個
- Ryzen 7 9800X3D:102.355844個
- Ryzen 7 9700X:91.210110個
- Classroom
- Ryzen 7 9850X3D:80.279291個
- Ryzen 7 9800X3D:70.827779個
- Ryzen 7 9700X:67.044641個
結果の傾向はCINEBENCH R23と同様で、Ryzen 7 9850X3Dが全テストでトップだった。L3キャッシュを大量に使うテストというわけでもないので、純粋に最大クロックの差が効いているようだ。
PCMark10
次は、PCの総合ベンチマークテストアプリ「PCMark 10」の総合スコアを比較してみよう。テスト内容はWebブラウジングやビデオ会議、ドキュメント作成や画像編集など、一般的なPC操作が中心だ。結果は以下の通りだ。
- Ryzen 7 9850X3D:1万2837ポイント
- Ryzen 7 9800X3D:9989ポイント
- Ryzen 7 9700X:1万1909ポイント
GPUと計測時期の影響もあって、9850X3Dと9800X3Dのスコア差は少し大きめだ(GPUの違いはGamingテストのスコアに影響する)。一方、CPU以外は同じ条件の9850X3Dと9700Xのスコア差は、L3キャッシュの差というよりも動作クロックの差といえそうだ。
ここまでの結果を見てみると、ゲーム以外が中心の使い方でもRyzen 7 9850X3Dは「Ryzen 7」の中ではベストな選択肢といえそうだ。
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