Eコア増量のCore Ultra 7 270K Plusが上位モデルを超える!? 「Core Ultra 200S Plus」の性能アップをベンチマークでひも解く:先行レビュー(2/2 ページ)
Intelから間もなく「Core Ultra 200S Plusプロセッサ」が発売される。従来アーキテクチャのリフレッシュ製品ということで、新要素は少なめだが、実際に使ってみると確実なパフォーマンス向上を体感できた。
ここまではCPUに絞ったテストを行ってきたが、ここからはより実用的なシーンを想定したベンチマークアプリでテストを行っていく。
PCMark10
PCの総合ベンチマークテストアプリ「PCMark 10」の総合スコアを比べてみよう。
- Core Ultra 7 270K Plus:1万2454ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1万1173ポイント
- Core Ultra 9 285K:9954ポイント
- Core Ultra 5 245K:9539ポイント
実は、過去のCore Ultra 200Sプロセッサのテストの方がグラフィックスカード(GPU)の単純性能が良いため、後半に控えている「Digital Content Creation」(静止画/動画編集と3Dレンダリングのテスト)でスコアを“逆転”されてしまう可能性もあると考えていた。
しかし、結果はご覧の通りでCore Ultra 200S Plusプロセッサが“勝利”を収めた。もう少し具体的にいうと、Digital Content Creationだけでなく、ビジネスアプリ(オフィススイートやビデオ会議)のテストを行う「Productivity」テストでもCore Ultra 200S Plusプロセッサの方がスコアが良かった。
- Essentials
- Core Ultra 7 270K Plus:1万2047ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1万2295ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万1843ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万1894ポイント
- Productivity
- Core Ultra 7 270K Plus:2万2294ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1万6924ポイント
- Core Ultra 9 285K:9903ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万609ポイント
- Digital Content Creation
- Core Ultra 7 270K Plus:1万9514ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1万8186ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万9270ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万8043ポイント
CPUの最適化問題を差し置いても、CPUの性能改善は想像以上だったということだ。
3DMark
3Dグラフィックスベンチマークにおける定番アプリ「3DMark」の主要なテストを実行してみよう。
先述の通り、Core Ultra 200Sプロセッサのテストの方がGPUの単純性能は高い。そのためCore Ultra 200Sプロセッサのテストの方がスコアは良い可能性が高く、Core Ultra 200SPlusプロセッサでどこまで“追い詰められるか”が焦点となる。
結果は以下の通りだ。
- Fire Strike(DirectX 11/フルHD)
- Core Ultra 7 270K Plus:3万3840ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:3万3341ポイント
- Core Ultra 9 285K:3万5645ポイント
- Core Ultra 5 245K:3万7718ポイント
- Fire Strike Extreme(DirectX 11/WQHD)
- Core Ultra 7 270K Plus:1万8966ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1万7906ポイント
- Core Ultra 9 285K:2万3855ポイント
- Core Ultra 5 245K:2万3623ポイント
- Fire Strike Ultra(DirectX 11/4K)
- Core Ultra 7 270K Plus:9317ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:9358ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万2595ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万2594ポイント
- Time Spy(DirectX 12/WQHD)
- Core Ultra 7 270K Plus:1万6190ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1万6174ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万9256ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万8799ポイント
- Time Spy Extreme(DirectX 12/4K)
- Core Ultra 7 270K Plus:7824ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:7641ポイント
- Core Ultra 9 285K:9750ポイント
- Core Ultra 5 245K:9249ポイント
- Port Royal(DirectX 12/リアルタイムレイトレーシング)
- Core Ultra 7 270K Plus:9239ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:9249ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万0476ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万486ポイント
予想通り、スコアだけ見るとGPU性能の勝るCore Ultra 200Sプロセッサの勝利……なのだが、同じテストだと解像度が低い(≒GPUの性能差の影響が少ない)ほど、スコアの差が小さくなっている。同じGPUでテストすれば、確実にCore Ultra 200S Plusプロセッサが勝利を収めていただろう。
CPUに依存する処理部分では、Core Ultra 200S Plusプロセッサの優位性は確実にある
FF14/FF15ベンチマーク
実際のゲームをベースとするベンチマークテストとして、比較的動作が軽い「ファイナルファンタジーXIV:黄金の遺産 ベンチマーク」(FF14ベンチマーク)と、動作が重めの「FINAL FANTASY XV WINDOWS EDITION BENCHMARK」(FF15ベンチマーク)を試していこう。
FF14ベンチマークは「軽量」とはいうものの、本バージョンでは時代を鑑みた要件変更が行われており、高負荷時には超解像技術としてAMDの「FSR(FidelityFX Super Resolution)」またはNVIDIAの「DLSS(Deep Learning Super Sampling)」を利用できる。
本ベンチマークでは画質設定を「最高品質」とした上で、フルHD/WQHD/4Kの3つの解像度でテストを行った。超解像技術(FSR)は「60fpsを下回る場合に有効」としている。結果は以下の通りだ。
- フルHD
- Core Ultra 7 270K Plus:2万652ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:2万268ポイント
- Core Ultra 9 285K:2万9951ポイント
- Core Ultra 5 245K:2万8321ポイント
- WQHD
- Core Ultra 7 270K Plus:1万2974ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1万2891ポイント
- Core Ultra 9 285K:2万4344ポイント
- Core Ultra 5 245K:2万3484ポイント
- 4K
- Core Ultra 7 270K Plus:6102ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:6089ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万2982ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万2763ポイント
解像度が低いほど性能差が縮まるのを含めて、結果の傾向は3DMarkと同様だ。
FF15ベンチマークも、以下の通りスコアの傾向に変わりはない。
- フルHD
- Core Ultra 7 270K Plus:1万2958ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1万2922ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万6383ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万6383ポイント
- WQHD
- Core Ultra 7 270K Plus:9206ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:9197ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万2593ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万2184ポイント
- 4K
- Core Ultra 7 270K Plus:5339ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:5207ポイント
- Core Ultra 9 285K:7231ポイント
- Core Ultra 5 245K:7020ポイント
GPUの性能差を過去のGPUテストの結果から推測すると、Core Ultra 200S Plusプロセッサは確実にCore Ultra 200Sプロセッサ以上のスコアを出せるだろう。
これから「Core Ultra 200S」でPCを組むなら“Plus付き”で(課題はメモリ価格)
Core Ultra 200Sプロセッサを巡っては、登場時に競合他社のCPUはもとより、自社の「Coreプロセッサ(第14世代)」と比べて「CPU単体の性能は改善しているのに、GPUなど他の要素が絡むテストになると想定したパフォーマンスを発揮できない」という問題が発生していた。
そのことから、買い替えを踏みとどまったユーザーも多いだろう。一方で、各種改善後は価格の割に性能が良好という点でアドバンテージもあることから、Core Ultra 200Sプロセッサを選んで自作PCを組んだという人も少なからずいる。
今回登場したCore Ultra 200S Plusプロセッサは、そのCore Ultra 200Sプロセッサの“リフレッシュ版”で、マイナーチェンジ版だ。中には「あと1年くらいすれば出るはずの、新アーキテクチャCPUを待った方がいいのでは?」と考える人もいるかもしれない。
しかし、Core Ultra 200S Plusプロセッサはマイナーチェンジの割には性能向上幅が大きめだ。Eコアの増量とコア間通信クロックの向上、そしてメモリの最大速度向上は、思った以上に効果てきめんだ。米国価格で見ると価格も新登場の割にはこなれているので、これから自作PCを組む際にとても良い選択肢になると思う。
ただ、CPU自体の性能改善が進んだのはいいのだが、そのポテンシャルを発揮するために必要なDDR5-7200規格のメモリモジュールの選択肢が少なく、価格も高めであることが懸念材料といえる。ただ、マザーボードであれば価格のこなれてきた従来品(※1)を流用できるので、パーツをうまく選べばトータルコストを抑えつつ、ハイパフォーマンスなPCを組み立てられる。
これからあえて自作PCを作るなら、Core Ultra 200S Plusプロセッサは間違いなく良い選択肢だ。
(※1)UEFIの事前更新が必要となる場合がある
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