Eコア増量のCore Ultra 7 270K Plusが上位モデルを超える!? 「Core Ultra 200S Plus」の性能アップをベンチマークでひも解く:先行レビュー(1/2 ページ)
Intelから間もなく「Core Ultra 200S Plusプロセッサ」が発売される。従来アーキテクチャのリフレッシュ製品ということで、新要素は少なめだが、実際に使ってみると確実なパフォーマンス向上を体感できた。
既報の通り、Intelは3月26日(米国時間)、デスクトップPC向けの新型CPU「Core Ultra 200S Plusプロセッサ」を発売する。米国におけるリテールパッケージの想定価格は「Core Ultra 5 250K Plus」が199ドル(約3万1500円)、「Core Ultra 7 270K Plus」が299ドル(約4万7300円)となる。
先日、ITmedia PC USER編集部宛に本プロセッサのレビューキットが到着したところだが、この記事ではそれを使って「Core Ultra 5 250K Plus」「Core Ultra 7 270K Plus」両製品の実力をチェックしていく。
テストで使うPCの構成
今回インテルから送付されたレビューキットには、Core Ultra 5 250K PlusとCore Ultra 7 270K Plusの本体に加えて、両CPUでサポートされるDDR5-7200メモリモジュール「G.skill G.SKILL TRIDENT Z5 RGB」(16GB×2)が付属していた。
これにASUS JAPANから借用したマザーボード「ASUS ROG STRIX Z890-F GAMING WIFI」と、筆者手持ちのPCパーツを組み合わせてテスト環境を構築した。なお、マザーボードのUEFI(BIOS)には、Core Ultra 200S Plusプロセッサに対応する最新版が適用されている。
今回のテストでは、参考として過去に実施した「Core Ultra 5 245K」「Core Ultra 9 285K」両プロセッサのテスト結果(GPUは「Radeon RX 7800 XT」を使用)も併記する。OSを始めとするソフトウェアのバージョンや、ハードウェア構成に差分があるため、過去の数値は参考としてほしい。
ベンチマークテストで実力をチェック!
さて早速だが、ベンチマークテストアプリを使って、Core Ultra 200S Plusプロセッサのパフォーマンスをチェックしていこう。
CINEBENCH R23
手始めに、3Dレンダリングを通してCPUの性能を確認する「CINEBENCH R23」を実行した。過去テストの数値を引用するため、あえて旧バージョンのR23を実行している。スコアは以下の通りだ。
- シングルコア
- Core Ultra 7 270K Plus:2447ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:2317ポイント
- Core Ultra 9 285K:2394ポイント
- Core Ultra 5 245K:2162ポイント
- マルチコア
- Core Ultra 7 270K Plus:4万2953ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:3万2012ポイント
- Core Ultra 9 285K:3万3704ポイント
- Core Ultra 5 245K:2万5072ポイント
UEFIによる最適化が進んだため単純比較は難しいものの、Core Ultra 200S Plusプロセッサは登場時のCore Ultra 200Sプロセッサよりも確実に速い。マルチコアテストでは、Eコアが増量されてCore Ultra 9 285Kと同じPコア8基+Eコア16基構成となったCore Ultra 7 270K Plusが勝っている。これには少し驚いた。
3DMark(CPU Profile)
次に、3Dグラフィックスベンチマークアプリ「3DMark」に含まれる「CPU Profile」テストを試してみよう。このテストでは、CPUの「スレッド数」を指定してパフォーマンスをチェックできる。Core Ultra 200S Plusプロセッサは高効率コア(Eコア)を8基増量したことが特徴なので、その増量効果も試せると考えた。
結果は以下の通りだ。
- 1スレッド
- Core Ultra 7 270K Plus:1360ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1304ポイント
- Core Ultra 9 285K:1378ポイント
- Core Ultra 5 245K:1259ポイント
- 2スレッド
- Core Ultra 7 270K Plus:2693ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:2554ポイント
- Core Ultra 9 285K:2665ポイント
- Core Ultra 5 245K:2428ポイント
- 4スレッド
- Core Ultra 7 270K Plus:5291ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:4990ポイント
- Core Ultra 9 285K:5119ポイント
- Core Ultra 5 245K:4720ポイント
- 8スレッド
- Core Ultra 7 270K Plus:9746ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:8539ポイント
- Core Ultra 9 285K:9115ポイント
- Core Ultra 5 245K:7889ポイント
- 16スレッド
- Core Ultra 7 270K Plus:1万5314ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1万3907ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万4112ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万2006ポイント
- 全スレッド
- Core Ultra 7 270K Plus:1万9250ポイント
- Core Ultra 5 250K Plus:1万4722ポイント
- Core Ultra 9 285K:1万7675ポイント
- Core Ultra 5 245K:1万2076ポイント
スコアの傾向はCINEBENCH R23に近く、やはりCore Ultra 200S Plusシリーズの方が全体的に優位だ。そして全スレッドのスコアでCore Ultra 7 270K PlusがCore Ultra 9 285Kを上回っている。
Core Ultra 200S Plusプロセッサでは、Core Ultra 200Sプロセッサの少し上のグレードを上回るパフォーマンスを出しうる。Eコア増量と、コア間通信のクロックアップの効果は大きいようだ。
Blender Benchmark
CPUのテストとして「Blender Benchmark」も試した。Blender Benchmarkは2D/3Dアニメーション制作ツール「Blender」をベースとしたベンチマークテストアプリで、レンダリングを通してCPUやGPUのパフォーマンスをチェックできる。
今回は「Monster」「Junkshop」「Classroom」の3つのシナリオをCPUで実行し、1分当たりに生成できたサンプル(オブジェクト)の数を比較する。結果は以下の通りだ。
- Monster
- Core Ultra 7 270K Plus:289.982946個
- Core Ultra 5 250K Plus:204.984772個
- Core Ultra 9 285K:246.994241個
- Core Ultra 5 245K:148.574948個
- Junkshop
- Core Ultra 7 270K Plus:217.533855個
- Core Ultra 5 250K Plus:158.996352個
- Core Ultra 9 285K:167.575754個
- Core Ultra 5 245K:99.405400個
- Classroom
- Core Ultra 7 270K Plus:157.402274個
- Core Ultra 5 250K Plus:112.841222個
- Core Ultra 9 285K:117.096901個
- Core Ultra 5 245K:73.131543個
やはり、Core Ultra 200S Plusプロセッサのテスト結果はよい。
Core Ultra 200S Plusプロセッサは、Core Ultra 200Sプロセッサの“リフレッシュ”、つまりマイナーチェンジ版という位置付けだ。それでも、ここまでのCPUに関するテストを見れば分かる通り、思った以上にパフォーマンスは改善している。「アーキテクチャを変えずにできる改善の限界に挑戦した」というIntelの言葉は、ウソではない。
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