レビュー

鉄道運転シミュレーターが楽しくなる! 「ズイキマスコンPRO」(クラファン版)を買って使ってみた(1/2 ページ)

瑞起がクラウドファンディング形式で販売した「ZUIKI MasConPRO(ズイキマスコンPRO)」。少し遅れたが2026年3月にファーストロットが手元に届き始めた。実は筆者も買っていたので、その所感をまとめてみたい。

 瑞起(ずいき)が2025年4月、鉄道運転シミュレーター用の新型コントローラー「ZUIKI MasConPRO(ズイキマスコンPRO)」をクラウドファンディング形式で販売した。同社によると、支援総額(販売金額)は「Kibidango」と「GREEN FUNDING」の合計で9600万円を突破したという。時期は未定だが、一般販売も予定されている。

 当初、ファーストロット(初期出荷)は2025年12月の出荷を予定していたが、品質改善などの都合が重なり2026年3月まで出荷が遅れてしまった。実は筆者、GREEN FUNDINGでズイキマスコンPROのファーストロットを“支援”をしており、届いてから2カ月少々たっている。

 少し遅くなってしまったが、ズイキマスコンPROの所感をお伝えしたい。

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本来は2025年12月に届くはずだった「ズイキマスコンPRO」だが、品質向上対応も相まってファーストロットは2026年3月の出荷となった。クラウドファンディング版は、製品版とは異なり本体色がグレーとなる

ファーストロットでは、オプション品の「警笛ペダル」(8800円)の他、クラウドファンディング限定の「金のスペアキー」(単品価格3300円)が無料で付属する。これらは本体とは別の段ボールに入れられて届いた

「ズイキマスコンPRO」とは?

 ズイキマスコンPROは、瑞起がNintendo Switch向け周辺機器として発売した「ZUIKI MasCon for Nintendo Switch(ズイキマスコン)」の上位バージョンとして開発された。ズイキマスコンがSwitch用鉄道運転シミュレーター向けのコントローラーなのに対して、ズイキマスコンPROはWindows上で稼働する鉄道運転シミュレーターを想定したコントローラーとなる。

 そもそも論として、「マスコン」(マスターコントローラー/主幹制御器)とは鉄道車両の力行(加速)を制御する機械のことを指す。自動車やバイクでいうところの「アクセル」に相当する。最近は、これに制動(ブレーキ)の強弱を制御する「ブレーキ設定器」(ブレーキ弁)を一体化した「ワンハンドルマスコン」を採用する鉄道会社が増加傾向にある。

 ズイキマスコンは、一部を除くJRグループで主流となっている左手操作のワンハンドルマスコンを参考に作られており、JR東日本(東日本旅客鉄道)の首都圏近郊の通勤電車と同じく「力行5段階/制動常用8段階+非常ブレーキ」という構成となっている。


鉄道博物館(さいたま市大宮区)にある「E233系シミュレーター」には、JR東日本のE233系電車と“ほぼ同一構造”の左手操作ワンハンドルマスコンが付いている(実際のものとは異なり、スイッチに相当する「マスコンキー」が省略されている)

ズイキマスコンはE233系電車のマスコンを参考に作っており、力行5段階制動8段階+非常ブレーキという構成となっている(出典:瑞起

 鉄道車両用のマスコンは、思いの外“高価”だ。JR東日本が販売している「JR東日本トレインシミュレータ公式マスコンユニット」(司機工製)は、同社のE233系電車で採用しているマスコンユニットと“ほぼ同一構造”だが、ユニット単体で250万円と非常に高価だ。ゲーム機用としては非常に値が張る。

 一方のズイキマスコンは、直販価格で1万4850円とかなり手頃……なのだが、子どもが使うことを想定して若干小ぶりなのと、価格の都合で搭載できなかった機能も複数ある。

 そこでズイキマスコンPROでは、オリジナル比でグリップのサイズを少し大型化することで大人でも操作をしやすくした他、以下の要素が追加されている。

  • マスコンキー:マスコン(主幹制御器)のスイッチとなる鍵
  • レバーサーハンドル(逆転器):列車の進行方向を決めるハンドル(スイッチ)
    • マスコンキーとレバーサーハンドルは、マスコンハンドルと連動する
  • 勾配起動スイッチ:勾配のある場所でブレーキを保持したまま起動(加速)したい場合に押す
  • 戸閉ランプ:車両のドアが閉まったことを知らせるランプ
  • ATS確認ボタン:保安装置「ATS-S形」の動作を確認した際に押す
  • EBリセットボタン:「EB(緊急列車停車)装置」をリセットする際に押す
  • 警笛ボタン:警笛を鳴らす場合に押す
  • パンタグラフ降下ボタン:電車のパンタグラフを下げるためのボタン

 鉄道車両の運転で使う「手元スイッチ」の類がおおむねそろったことで、鉄道運転シミュレーターをよりリアルに楽しめるようになった

 とりわけプレイ感に大きな影響を与えるのがマスコンキーとレバーサーハンドルの追加だ。これにより、本物のワンハンドルマスコンと同じように、以下のプロセスを経ないとマスコンハンドルを動かせなくなった。

  1. マスコンキーを挿入して「入(オン)」の位置に入れる
  2. レバーサーハンドルを「前(前進)」か「後(後退)」の位置に入れる

 また、ゲームにもよるが、戸閉ランプとEBリセットボタンには動作すると光るLEDライトが仕込まれている。マスコンキーとレバーサーハンドルの追加と相まって、“ホンモノ”感をより強くするうれしい要素だ。


ズイキマスコンPROの全景。オリジナルのズイキマスコンと比べるとグリップが少し大きくなった他、いろいろとボタン類が追加されている

プレイ感に一番大きな影響を与えると思われるポイントであるマスコンキーとレバーサーハンドル

右手のグリップには勾配起動ボタン(緑色のボタン)が追加されている。戸閉ランプとEBリセットボタンは動作すると光る。余談だが、ZUIKI(瑞起)ロゴはPCに接続すると光る

対応ゲームタイトルだと、車両のドアが閉まると戸閉ランプがしっかりと光る。いわゆる「電球色」で、きちんと雰囲気を再現できている

ATS確認ボタンとパンタグラフ降下ボタンが追加されたのもポイントだ。前者は「運転中のATS確認操作」が盛り込まれたゲームタイトルも複数あるので役立つ一方で、後者については今のところ「パンタグラフを下げる」という操作を盛り込んだゲームタイトルが実質皆無なので「今後に期待」というところである

 本体の背面には、オプションの警笛ペダルを接続するための端子がある。USB Standard-Aと同じ形状で、本コントローラーと“連動”させる場合は、この端子を介してペダルをつなぐようにしたい。


背面には警笛ペダルの接続端子を備えている
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