「数字を追い過ぎた失敗」は繰り返さない ノジマ傘下のVAIO 糸岡社長が目指す「新しい理想工場」と再成長:IT産業のトレンドリーダーに聞く!(3/3 ページ)
ソニーから独立後、企業再生ファンド(JIP)の下で法人向けビジネスにかじを切り、10年がかりで地盤を築き上げた同社は今、新たな挑戦のフェーズを迎えている。2025年12月に代表取締役社長に就任した糸岡健氏に聞いた。
最大の失敗は「数字を追い過ぎたこと」 VAIOは絶対に無くさない
―― 糸岡社長のこれまでの経験は、VAIOの経営にどう生きますか。
糸岡 私はソニー時代に、VAIOの最初の立ち上げから関わっています。VAIOに対する「愛」は人一倍強いですし、多くの人にVAIOを愛してもらいたいと思っています。精神的な部分でのリーディングという点では、この経験値を生かせるはずです。
もう1つは、VAIOの事業に携わる中で、さまざまな業務を経験している点です。事業を開始するところから携わり、生産管理や経営管理を担当した後に、2000年から2004年までは、欧州でVAIOビジネスを一から立ち上げるために海外赴任しました。また、帰国後はサービスビジネスに関わり、2010年からは、安曇野に全ての機能を集結したのに合わせて、設計部門に異動し、プロダクトマネージャーとして新たな体制でのモノ作りにも携わりました。
VAIOでは一から立ち上げたり、新たなことに挑戦し、それを形にしたりということを何度も経験してきました。今、VAIOは、新たな形に生まれ変わろうとしているわけですから、その経験はVAIOの経営にも生きると考えています。
―― あえてお伺いしますが、ソニー時代の失敗は今のVAIOにどう生かされていますか。
糸岡 当時のVAIOはなぜ失敗したのか――最大の理由を挙げるとすれば、それは数字を追い過ぎたからです。当時は、グローバルでビジネスをしており、世界のプレーヤーたちと戦うために、数で対抗する必要がありました。
一時的にはうまくいきましたが、過度に数字を追い過ぎたことで、経営が立ち行かなくなってきた。そこにリーマンショックが重なったわけです。これも見方を変えれば、外的要因によって簡単に転んでしまう内部体質の弱さがあり、厳しい言い方をすれば数字を積み重ねていたものの、それは本当の実力値ではなかったといえます。
これは大きな教訓であり、二度と同じ間違いをしてはいけません。このとき、VAIOは無くなってしまう可能性があったわけです。社員が不幸になるだけでなく、VAIOファンであるお客さまにもご迷惑をおかけすることになる。VAIO側の都合で「もう事業をやめます」という事態になってしまったら、お客さまに対してあまりにも無責任です。そんなことはできません。
企業は社会に貢献し、人々を幸せへとつなげる役割を果たさなくてはならないと思っています。企業が数字を追求することに走ってしまったり、短期的な成長にこだわったりすると、こうした本質を忘れてしまうことになりがちです。その点は最も注意していきます。
VAIOのブランドは絶対に無くしませんし、将来は、お客さまが思っている以上の感動や驚きを提供し、「やっぱり、VAIOはいいよね」と言ってもらえるようにしていきます。
※近日公開予定の後編に続く。
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