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AIインフラの主役は今もHDD WDがCOMPUTEXで語った「超高密度JBOD」とストレージ価格の行方COMPUTEX TAIPEI 2026(2/2 ページ)

AIの発展に伴い、WDはデータセンターにおけるHDDの優位性を強調している。SSDとの価格差が22倍に広がる中、独自の冷却/防振技術や、2029年の100TB実現、4倍高速化へ向けた最新ロードマップを解説する。

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100TB時代へ トークで明かされた「HDD進化」の裏付け

 セッションの中でステファン氏は、ウォームデータからコールドデータへの階層化対応を見据え、今後のHDDは「パフォーマンス」と「省電力」の2つの軸で進化していくと言及した。この発言を裏付けるように、同社が2026年2月に開催した「Innovation Day 2026」の技術資料をひもとくと、それを実現する具体的な物理ギミックの詳細が浮かび上がってくる。


Innovation Day 2026時点のロードマップ

 容量の進化(HAMR技術):WDは現在、40TBのePMR(エネルギーアシスト垂直磁気記録)HDDの顧客評価を進めている。さらに次世代のHAMR(熱アシスト磁気記録)技術では「1プラッタあたり4TB」の記録密度を達成し、ドライブ1台で44TBを実現。2029年までに100TBの大容量へと到達するロードマップを描いている。


HAMR技術について

 4倍のパフォーマンスの正体:ステファン氏が言及した「4倍の性能」は、複数のトラックへ同時にアクセスする「高帯域幅ドライブ技術(HBDT)」と、独立した2基目のアクチュエータを組み込む「デュアルピボット技術(DPT)」の融合によってもたらされる。これにより、HDDのスループットを従来の300MB/sから1.2GB/sへと引き上げる計画だ。

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現在のHDDは、最大22個のヘッドがあっても、常にどれか1つのヘッドでしか読み書きしていなかった。ヘッドの動きを効率化する高帯域幅ドライブ技術(HBDT)により、複数のヘッドで同時に読み書きできるようになるという。

アクチュエータを2本にすることで最大2倍のシーケンシャルアクセスが期待できる

 ウォームとコールドの隙間を狙う「電力最適化HDD」:パフォーマンスを5~10%抑える代わりに、消費電力を最大20%削減し、かつ容量を10%拡張する専用ドライブの開発が進行中である。数時間単位ではなく「数秒でのアクセス」が求められる、コールドとウォームの中間層のデータを橋渡しする設計となっており、2027年からの顧客評価開始を予定している。


消費電力を最大20%削減し、かつ容量を10%拡張する専用ドライブの開発が進んでいるという

まとめ:気になる「ストレージ価格」の行方とHDDの未来

 質疑応答では、「直近でコンシューマー向けドライブの価格が高騰しているが、この傾向は続くのか」という、一般のPCユーザーにとっても切実な質問が投げかけられた。これに対しステファン氏は、部材(コンポーネント)価格の上昇などを理由に挙げ、「今後も価格上昇のトレンドが続く可能性がある」との見解を示した。

 だからこそWDは、AIデータセンターにおいてフラッシュストレージに対し、TCO(総所有コスト)に優れるHDDの価値が今後さらに高まっていくと確信している。

 全てのデータが高価なフラッシュストレージに保存されるわけではない。データを長期間にわたり、確実かつ高いコスト効率で保持するためのインフラとして、物理駆動の限界に挑み続ける大容量HDDとそれを支えるプラットフォームの進化は、このAI時代にこそ真の重要性を増している。

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