コラム

大阪・関西万博の人気パビリオンが東京で進化! 漱石アンドロイドも登場する「いのちの未来+」体験レポート&石黒教授インタビュー9月25日まで開催中(2/4 ページ)

大阪・関西万博の人気パビリオン「いのちの未来」のバージョンアップ版が、東京都港区の「MoN Takanawa: The Museum of Narratives」で開催中だ。その見どころをチェックしつつ、その主導者である大阪大学の石黒浩教授にも話を聞いてみよう。

「いのちの未来+」の展示内容をチェック!

 冒頭で触れた通り、いのちの未来+は9月25日まで開催される。入場は30分単位の日時指定となっており、当日入場でもチケットを予約してから来場する必要がある。予約はMoN Takanawaの公式サイトの他、プレイガイド「Fever」でも受け付けている(※1)。

 チケット料金は一般の前売券が平日3500円/土日祝4000円、当日券が平日4000円/土日祝4500円となっている。中学生以下と25歳未満には割引料金が設定されており、中学生以下は前売/当日共に1500円、U25(25歳以下)は前売/当日共に2500円で入場可能だ。

(※1)当日予約の場合、英語音声の公演を見たい場合、あるいは「漱石アンドロイド2.0」との会話体験(詳細は後述)を希望する場合は、Feverでのみ受付

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 いのちの未来+の展示は、「ZONE 1」から「ZONE 3」までの大きく3区画に分かれている。せっかくなので、どのような展示があるのか、簡単に紹介していきたい。


いのちの未来+が行われるのは、MoN Takanawaの「Box1000」というイベントホールだ。その入口には、いのちの未来にも“出演”していたサルのアンドロイド「アイアイ」がいる。タイミングが良ければ、アイアイ同士の会話を見ることもできる
アイアイはこんな感じで会話をする

エントランスをくぐり、地下3階まで降りていく

ZONE1:“人の形”の変遷を展示

 ZONE1「いのちの歩み」では、縄文時代の土偶から仏像、文楽人形、そしてアンドロイドまで、日本において時代と共に変化してきたさまざまな“人の形”が並んでいる。

 日本で“人の形”に対する意識がどのように変わってきたのか、その変遷をたどることができる展示になっている。


ZONE 1では、縄文時代の土偶から仏像、文楽人形、そしてアンドロイドまで、日本において時代と共に変化してきたさまざまな“人の形”が展示されている

アンドロイドは、タイミングが良ければ動く。どう動くかは、行ってみてからのお楽しみだ

ZONE2:新シナリオが追加された「50年後の未来」

 ZONE 2「50年後の未来」は、今回のイベントのメインコンテンツとなる。

 このゾーンでは、50年後の2075年を舞台に孫娘と祖母をめぐるドラマが展開される。テーマは「いのちの選択」だ。人間が自らの意識をアンドロイドへと移し、“永遠のいのち”を得られるようになった。その時、自分ならどうするか――来場者に“決断”を迫るような構成となっている。

 大阪・関西万博のいのちの未来では、複数の部屋を順番に来場者が回っていく形で、孫娘と祖母の人生を追体験できるようになっていた。それに対して、MoN TakanawaのBox1000は基本的に観客席付きのシアター空間だ。

 なので筆者は「客席に座って、映像とアンドロイドによる演劇を見るようなスタイルになるのかな?」と思っていたのだが、実際はいのちの未来と同じようにヘッドフォンから流れるサウンドを聞きながら、いくつかの部屋を順番に歩いていくスタイルを取っている。こちらの方が、「2075年の世界」に没入しやすい。


ZONE 2の待ち合いスペースには、ストーリーの主軸となる孫娘と祖母の写真が飾られている

最初の部屋に移動する前に、レシーバーを首にかけ、ヘッドフォンを耳に装着する。ヘッドフォンからは、セリフなどのサウンドが聞こえてくる

 後でMoN Takanawaの内田氏に聞いてみたところ、Box1000の地下3階の客席は可動式で、今回は座席を全て収納した上で、いのちの未来と同様の「部屋を順番に歩いていくスタイル」を再現したという。

 もちろん、元のいのちの未来と比べると、いのちの未来+は展示面積全体は狭いと思われるが、いのちの未来のストーリーはほぼそのまま再現されていた(一部のアンドロイドは登場しなかったが)。その上で「祖母の選択をどう考えるか?」という、新たなシナリオが追加されている。

 新シナリオでは、新たに作られた4体のアンドロイドによる対話劇が展開され、来場者にも問いを投げかける。

 大阪・関西万博でいのちの未来に感動した人も、いのちの未来+では新たな体験を得られる。祖母の選択について、自分ならどう決断するかを考えてほしい。


ZONE 2の最初の部屋の中央には、「ヤマトロイド」というアンドロイドがいる。約60の稼働箇所があり、滑らかな動きで「人間とアンドロイドが共存する未来の姿」を体現している。このヤマトロイドと一緒に、孫娘の誕生から成長する様子を写真でたどっていくことになる

2つ目の部屋への誘導は「ペトラ」というアンドロイドが担う(©FUTURE OF LIFE)

ペトラに連れられてやってきた2つ目の部屋には、列車のボックス席がある。この席には子どものアンドロイドが座っていて、孫娘が向かいの座席にいるアンドロイドに気付いて祖母に伝えるという演出が入る。なお、写真の車窓は「未来の夢洲(大阪市此花区)」という設定だ

3つ目の部屋への誘導は「プニカ」というアンドロイドが担う

3つ目の部屋にはいくつかのセットが用意されていて、孫娘と祖母の様子が映し出される。右下は、オンラインで健康診断を受ける様子である

祖母は「アンドロイドに記憶を移す」か「そのまま人間として死を迎える」という選択肢のどちらを取るのかを迫られる。どのような選択を取ったかは、見てのお楽しみだ

最後は、4体のアンドロイドが祖母の“決断”について議論をする。背景には話していることの英訳が出るのだが、少しネタバレになるのでぼかしを入れている

4体のアンドロイドの横でピアノを弾くアンドロイド。実は50年後の未来の話を締めくくる上で、結構重要な役割を果たしている

ZONE 3:「1000年後のいのち」を考える

 最後のZONE 3「1000年後のいのち“まほろば”」では、舞台が「1000年後の未来」へと移る。

 この時代は、アンドロイドと生身の人間の境界がなくなり、人間は好きな身体を自由に選べるようになったという設定で、“進化した”人間の姿の1つとして、3体の「モモ」が登場する。

 モモはZONE 2に登場していたアンドロイドとは全く異なり、全身がシリコンスキンに覆われ、動きも滑らかだ。ある種の神々しさすら感じる。実際に見に行ったら、特に目の動きに注目してほしい。


ZONE 3への誘導は、この「パンジー」というアンドロイドが行う

1000年後の“進化した”人間の姿としての「モモ」たち。全身シリコンスキンで、目や腕などを滑らかに動かすことができる

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