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スマホやPCにいる“推し”を手元に――ソニーのコンパクトな空間再現ディスプレイ「ELF-MN1」は今までと何が違う? 実機を体験して分かったこと(2/2 ページ)

ソニーが空間再現ディスプレイ(SRD)の最新モデルとして「ELF-MN1」を12月11日に発売する。従来製品と比べると大幅に手頃な価格を実現した本製品を、先行体験してきた。

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接続は「USB Type-Cケーブル」1本でOK

 コンパクトになったこともあり、ELF-MN1の接続方法もシンプルになっている。備える外部ポートはUSB Type-C端子×2のみで、片方が電源入力を、もう片方がデバイスとの接続(映像入力/視線認識センサーの認識結果の伝送)と電源供給を担う。

 映像入力はDisplayPort Alternate Modeに準拠しており、同規格の映像出力に対応するWindows PCやAndroidスマートフォン、iPhoneと接続可能だ(PCの場合は3840×2160ピクセル/60fps推奨)。スマホとの接続は、ELF-MN1の「机の上で使う」というコンセプトを具現化するために譲れない部分だったと思われる。体験会で行われたデモンストレーションも、多くはスマホとつないだ本製品を使っていた。

 なお、DisplayPort Alternate Modeに対応しないWindows PCでも、DisplayPort信号とUSB信号を束ねられる変換ケーブルを別途用意すればELF-MN1を利用できる。

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 電源供給という観点では、本製品はUSB PD(Power Delivery)のパススルー給電にも対応している。デバイス側への最大出力は45W(15V/3Aまたは20V/2.25A)だ。ただし、本製品には電源アダプターと電源用ケーブルが付属しない(※1)。本製品の消費電力は最大14Wなので、パススルー給電で別デバイスへの給電を行う場合は、デバイスが要求する電力量に15Wを加えた出力に対応するUSB PD電源を用意しよう。

(※1)デバイスとの接続に利用するUSB Type-Cケーブル(映像伝送対応)は付属する

 Mac(macOS)への対応については、PCを使ったXRコンテンツの開発や利用においてWindowsのシェアが高いことなどを踏まえて、今回は見送られている。ただし、今後要望が多ければ検討するとのことだ。


本製品のポート類は電源供給用とデバイス接続用のUSB Type-C端子のみとなる

体験会のデモンストレーションは、スマートフォンを使ったものが多かった。ソニーの製品だからか、同社のXperiaが多かった気もするが、ソニーではサムスン電子のGalaxy Sシリーズ(Galaxy S23シリーズ以降)、GoogleのPixelシリーズ(Pixel 10世代以降)やAppleのiPhone(iPhone 15シリーズ以降)でも動作を確認している(XperiaはXperia 1 V以降で利用可)。ただし、本文にもある通り映像出力対応が必須なのは注意したい

アプリ(コンテンツ)の対応も推進

 3Dグラフィックスが裸眼で立体的に見られて、5万4000円前後の価格――従来のSRDと比べると破格ともいえるELF-MN1だが、そのコンセプトを具現化できるアプリ(コンテンツ)を充実させて、エンドユーザーに楽しんでもらうことが課題となる。

 その点において、ソニーはクリエイターのサポートと、パートナーとの協業によるアプリの充実に注力するという。

 まずクリエイターへのサポートという点では、3Dアバターアプリの制作でもよく使われるゲームエンジン「Unity」向けのプラグインや、Khronos Groupが主導するXRに関するオープン規格「OpenXR」のAPIに対応することで開発のハードルを低くする取り組みをしている。

 「ELF-MN1(を含むソニーのSRD)に特化したアプリ」とする必要もなく、既存のアバターアプリや3Dコンテンツをそのまま生かせるのもメリットといえる。


ELF-MN1を生かせるコンテンツを作りやすくするために、Unity用のプラグインを用意したり、OpenXRのAPIを利用できるようにしたりしている

XYNのエコシステムという観点では、「XYN Spatial Scan Navi」を使って撮影した空間コンテンツを「XYN Spatial Scan」で3D CGとして生成し、Unityでモデルとして配置するという使い方を提案していた

今回の体験会では、先述した坪倉さんの他にも3組のクリエイターがELF-MN1を生かしたコンテンツを展示していた。また、ソニー社内で開発された3Dコンテンツも複数披露されていた

 コンテンツの充実という観点では、3Dキャラクター/アバターやチャットサービスで定評のある4社と協業し、ELF-MN1を活用できる環境を構築するという。ソニーとしては、協業をオープンな姿勢で進めていきたいとのことで、今後も対応コンテンツは充実していきそうだ。


パートナーとの協業により、ELF-MN1の発売時点から利用できるアプリやコンテンツも用意する

Gugenkaのデジタルフィギュアサービス「ホロモデル」では、Android/iOSアプリでELF-MN1に対応する。体験会では初音ミク(左)、「Re:ゼロから始める異世界生活」のエミリア(中央)、「氷の世界のイグルー」のPINGU(右)のデジタルフィギュアを展示していたが、フィギュア自体は特別な対応をしていないそうだ(なお、PINGUのフィギュアはPINGUの展示会の特典として配布された非売品で、一般販売は未定となっている)

 従来、ソニーのSRDは実売価格が50万円弱と非常に高価だったところ、ELF-MN1は想定価格を5万4000円前後に抑えることで、個人でも「何とか買えるかもしれない」という価格感になった。

 「推し活」が流行する昨今、「推しを常に見つめていたい」的なニーズは確実にあると思われる。このELF-MN1は「机に推しを立体表示する」という観点で、ある意味でうってつけの商品ともいえる。刺さる人には、間違いなく刺さる。

 冒頭でも触れた通り、本製品は11月20日から東京・銀座と名古屋のソニーストアで実機の先行展示が始まる。気になる人は、ぜひ見に行ってみてほしい。


PINGUがね、目の前を動き回っているの!!
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