2画面液晶+3波デジタル+水冷システム搭載のフラッグシップモデル「FMV-BIBLO NW/C90N」の魅力に迫る(第1回)富士通初の水冷PC徹底解剖

富士通のPC春モデルで登場したフラッグシップノートPC「FMV-BIBLO NW/C90N」は、最新世代のプラットフォームと地デジ機能に水冷ユニットを内蔵した意欲的な1台だ。

» 2009年01月30日 10時00分 公開
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満を持して登場したFMV-BIBLOシリーズのフラッグシップモデル

富士通の最上位AVノートPC「FMV-BIBLO NW/C90N」

 2009年に入り、各社のPC春モデルが出そろった。その中で最も目を引くのは、富士通の個人向けノートPC「FMV-BIBLO」シリーズの最上位モデルとして登場した「FMV-BIBLO NW/C90N」だ。これまで、FMV-BIBLOシリーズのフラッグシップモデルは「FMV-BIBLO NX」シリーズが担っていたが、2008年秋冬モデルでは主力ノートPCの「FMV-BIBLO NF」シリーズにその座を譲り、性能や機能面で頂点を極めるモデルが不在となっていた。

 そのような中で、同社が満を持して投入した新シリーズが、ここで取り上げる「FMV-BIBLO NW/C90N」だ。内部スペックを一新して性能を大幅に向上しただけでなく、ノートPCでは極めて珍しいデュアルディスプレイを標準で装備し、HDMI端子やBlu-ray Discドライブを内蔵する。さらに、ノートPCでは国内初となる地上デジタル放送をはじめとしたデジタル3波対応のテレビチューナーや、静音性に優れた水冷ユニットを搭載するなど、文字通り最上位にふさわしい1台に仕上がっている。

新世代のチップセットとCPU、DDR3メモリを採用

モバイル インテル® 4シリーズ Expressチップセットのダイアグラム(Mobile Intel® 4 Series Express Chipset Familiy Datasheetより抜粋)

 非常に見どころが多いモデルだが、まずはPCを使う上で基本となる内部スペックをチェックしていこう。従来の旗艦モデルだったFMV-BIBLO NX/A90Nは、CPUがTDP(熱設計電力)35ワットのインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー T8100(2.1GHz/FSB 800MHz)、チップセットがインテル® PM965 Express、そしてメモリは2Gバイト(PC2-5300対応)と旧世代のモバイルプラットフォームを採用していた。それに対し、新モデルではインテルの最新プラットフォームに一新され、性能の底上げを実現した。

 具体的には、45ナノメートルのHigh-kプロセスを採用したCPUがインテル® Core™ 2 Duo プロセッサー P8600(2.4GHz)となり、3Mバイトの2次キャッシュはそのままにFSBを1066MHzに引き上げながら、TDPは25ワットと低消費電力になった。あわせてメモリもPC2-5300対応のDDR2(1.8ボルト)からPC3-8500対応のDDR3(1.5ボルト)になり、高速化(データ転送速度が約1.5倍)と低消費電力を両立している。

 もちろん、チップセットも旧世代のインテル® PM965 Expressから、Blu-ray Discの再生支援機能を搭載したインテル® GM45 Expressチップセット(開発コード名:Cantiga)になり、FSB 1066MHzのサポートやインテル® グラフィックス・メディア・アクセラレーター 4500MHD(GMA4500MHD)と呼ばれる第5世代のグラフィックスコアを内蔵した。計10個の実行ユニットを持ち、コアクロックが533MHzにアップすることで、3Dグラフィックスの性能が大幅に進歩したのもポイントだ。ハードウェアによるVC-1とAVCの動画再生アクセラレーション機能が追加され、外付けのグラフィックスチップを用いることなく、内蔵グラフィックスのみでBlu-ray Discの再生が可能になった。本機にはBD-Rメディアに4倍速、BD-R DL/BD-RE/BD-RE DLに2倍速で書き込めるBlu-ray Discドライブを標準で搭載しており、高画質なBlu-rayの映画タイトルだけでなく、手持ちのハイビジョン対応のビデオカメラの映像を劣化させることなく保存できる。HDD容量も320Gバイトと大容量だ。

CPU-Z 1.49の画面。45ナノメートルの製造プロセス、1066MHzのFSB、3Mバイトの2次キャッシュなどが確認できる
新型インテル® Core™ 2 Duo プロセッサーの概要
モバイル インテル® 4シリーズ Expressチップセットの主な機能

インテル® グラフィックス・メディア・アクセラレーター 4500シリーズのアーキテクチャ
容量320GバイトのSerial ATA HDDを内蔵している。12.5ミリ厚までのドライブを内蔵可能だ
WinDVD for FUJITSUでBlu-ray Discの映画タイトルを再生したところ、CPU使用率は30%以下で済んだ

標準でデュアルディスプレイを内蔵したモンスターPC

画面上半分が1366×768ドット表示のプライマリディスプレイで、下半分がタッチスクエアと呼ばれるサブディスプレイ

 そのほかのスペックも最上位モデルらしく、液晶ディスプレイはアスペクト比16:9(1366×768ドット)の16型ワイドで、高色純度・高輝度・低反射・広視野角をうたう「スーパーファインDXII液晶」を採用する。キーボードの上部には4型ワイド(480×272ドット)の「タッチスクエア」と名付けられたタッチパネル式のサブディスプレイを搭載し、テレビやDVD-Video、写真データのビュワー機能をはじめ、ランチャー機能、テレビ(ライブ視聴のみ)やDVD-Video再生時(Blu-ray Discは不可)のリモコン機能として利用が可能だ。メインディスプレイで作業しながら、タッチスクエアでテレビ放送やフォトビューワを楽しめるなど、ほかのノートPCでは類を見ない、ユニークかつ実用的なアプローチといえるだろう。

 AV機能も充実しており、地上/BS/110度CSデジタル放送対応のテレビ機能や、地デジ視聴・録画ソフトウェアに「DigitalTVbox」を採用し、ダビング10に対応。HDDに録画したデジタル放送をBlu-ray Discに書き出すことも可能だ。デジタル放送を保存したBD-RE/BD-RE DLのオンディスク編集に対応したオーサリングソフト「DVD MovieWriter」もプリインストールされている。

 ネットワーク機能はIEEE802.11b/g/nの無線LAN(11nはドラフト2.0)と1000BASE-T対応の有線LANを内蔵する。インタフェース類も充実しており、USB 2.0×4、eSATA、4ピンのIEEE1394、アナログRGB出力、HDMI出力、SDメモリーカード(SDHC)/メモリースティックPRO対応のメモリカードスロット、ExpressCard/54スロット、指紋センサーを装備している。

テレビ視聴時は、タッチスクエアにリモコン操作パネルが表示され、直感的に操作が可能だ
テンキーを標準で備えたキーボードは、不規則な配列もなく入力しやすい
赤外線リモコンとレーザーマウスが付属する

前面にはSDHC対応のSDメモリーカード/メモリースティックPRO対応スロットと無線LANの電源スイッチが並ぶ(写真=左)。背面は排気口、ギガビット対応の有線LAN、アナログRGB出力、HDMI出力、テレビアンテナ入力端子が用意される(写真=右)

左側面はB-CASカードスロットとBlu-ray Discドライブが(写真=左)、右側面にはExpressCard(/54および/34対応)スロット、4基のUSB 2.0やeSATA、4ピンのIEEE1394、サウンド、DC入力端子がある(写真=右)

CPUやノースブリッジを冷却する水冷ユニット。奥に見える黒い部分がポンプだ

 これだけの性能と高機能を誇る本機だが、地上デジタル放送やBlu-ray Discの鑑賞時に、冷却ファンの耳障りな風切り音がすると興ざめだ。その点、FMV-BIBLO NWにはノートPC初の水冷システムを内蔵し、テレビ番組の視聴時でも、ささやき声より低い約25dBの静音性を達成している。これまで、水冷システムの採用はデスクトップPCの特権であったが、いち早くノートPCで導入することで優れた性能と静音性を両立しているのは特筆できる。

 さらに同社直販の「WEB MART」ならば、CPUをより高速なインテル® Core™ 2 Duo P9500(2.53GHz/2次キャッシュ6Mバイト)に、メモリ容量を最大の4Gバイト(2Gバイト×2)にカスタマイズすることも可能だ。細かいところでは、無線LANでIEEE802.11a/b/g/n(nはドラフト2.0準拠)を選べば、「インテル® Centrino® 2 プロセッサー・テクノロジー」に対応する。


 以上、今回は圧倒的な存在感を放つFMV-BIBLO NW/C90Nの概要について見てきたが、次回以降ではタッチスクエアや充実のAV機能、水冷システムの詳細などについてチェックしていこう。

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提供:富士通株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年3月31日