ナナオが2009年7月1日に発売する「FORIS FX2431TV」は、個人ユースでの決定版ともいえるフルHD液晶テレビ&AV入力対応液晶ディスプレイだ。液晶テレビの「FORIS」ブランドに、AV入力対応のワイド液晶ディスプレイ「FlexScan HD」シリーズがハイレベルに統合されたことで、パーソナルな空間の映像ライフスタイルをより豊かにしてくれる。
ナナオといえば、高品位な液晶ディスプレイを最初にイメージするかもしれないが、独自のコンセプトを貫いた液晶テレビも見どころが多い。ナナオがじっくりと育ててきた液晶テレビのブランド「FORIS」(フォリス)は、ラテン語で「扉」を意味しており、“次世代映像の扉を開く”という決意が込められている。
FORISブランドの製品はヨーロピアンテイストのデザインが目を引くが、画質とサウンドに詰め込まれたナナオならではの作り込みが大きなポイントとなる。特に画質は、主な家電メーカーの液晶テレビとは一味違った仕上がりだ。高輝度・高コントラスト・高彩度の液晶テレビが目立つ昨今、映像本来の色調や滑らかさを忠実に、そして自然に表現することを第一に考えた画質コンセプト「ナチュラルコンフォート」は、画質やスタイルに一家言あるユーザーから高い評価を得ている。
そのFORISの名前を冠した新モデルの「FORIS FX2431TV」は、ひとくちにいうならば豊富なPC入力とビデオ入力、さらにテレビ機能まで網羅したパーソナルユースの24.1型ワイド液晶ディスプレイだ。これまでPCのみならず、AV機器やゲーム機との高い接続性と画質から人気を博していた、AV入力対応のワイド液晶ディスプレイ「FlexScan HD」シリーズの後継機に相当する。つまりはFORISブランドにFlexScan HDを統合したというわけだ。
FORIS FX2431TVは見方を変えると、従来のFlexScan HDシリーズをベースに、FORIS品質のテレビ機能(地上・BS・110度CSデジタル放送対応テレビチューナー)を搭載したモデルといえる。高品質・高機能でならしたFlexScan HDシリーズとFORIS.TV/FORIS.HDシリーズが融合したとなれば、そのクオリティの高さは推して知るべしだ。単に機能と性能を高めるだけでなく、使い勝手にも細かい配慮が行き届いている。そこで、FORIS FX2431TVによって、どのように映像ライフスタイルが変わるのか、今回は3つの視点から迫ってみたい。
<1>部屋の風景が変わる:プライベート空間がより広く、スマートに
<2>テレビとPCの使い勝手が変わる:2台を1台にまとめて、より快適に
<3>テレビとPCの映像体験が変わる:コンテンツに応じて最適な画と音を提供
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FORIS FX2431TVの最も分かりやすいメリットは、フルHD対応の液晶テレビと、PC/ビデオ入力対応のマルチメディアワイド液晶ディスプレイが1台にまとまっていることだ。テレビとディスプレイの設置スペースが1台ぶんで済むため、プライベートな空間をより広く使える。
24.1型ワイド液晶パネルの画面解像度はWUXGA(1920×1200ドット)なので、PC接続時のデスクトップ画面の広さも申し分ない。内蔵のデジタルテレビチューナーが3波(地上・BS・110度CS)対応なのもうれしいところだ。テレビの視聴時は、WUXGAにフルスクリーン拡大表示するか、フルHD解像度(1920×1080ドット)でドットバイドット表示するかが選べる。後者の場合、画面の上下に少し黒帯が生じる仕組みだ。
入力インタフェースも盛りだくさんだ。PC入力はHDCP対応DVI-DとD-Subがそれぞれ1つずつ、AV入力はHDMIが2つ、コンポーネントビデオ、S-Video、コンポジットビデオが1つずつ用意されている(S-Videoとコンポジットは共用)。
FlexScan HDシリーズはD端子入力を備えていたが、FORIS FX2431TVではワールドワイドでの仕様共通化に配慮し、3ピンのコンポーネントビデオ入力に変更された(D端子は日本でしか普及していない)。一般にコンポーネントビデオはD端子より画質面で有利とされており、変換アダプタ/ケーブルを使えばD端子との接続にも対応できる。
すべての入力系統に音声入力も用意され(HDMI端子は映像/音声入力に対応するが、HDMI入力時にHDMI以外から音声入力するためのステレオミニ端子も1つ装備)、FORIS FX2431TV本体は出力2ワット+2ワットのステレオスピーカーも内蔵している。
注目したいのは、FlexScan HDシリーズでは非対応だったHDMI端子のPC接続とHDMI CEC(Consumer Electronics Control)機能を正式にサポートしたことだ。最近はHDMI出力を搭載したPCが増えているので、液晶ディスプレイ側のHDMIがPC接続に正式対応したのはありがたい。HDMI CEC対応の外部機器をHDMIに接続すれば、電源のオン/オフ連動やFORIS FX2431TVのリモコンを使ったレコーダーの「再生、停止、早送り、早戻し」操作が可能になり、AV機器接続時の利便性がさらに向上する。
今回FORIS FX2431TVを試用するに当たって、自室のテレビとディスプレイをFORIS FX2431TVの1台だけにしてみた。今までは約6畳の部屋に、25型のブラウン管(!)テレビ、19型のこれまたCRT(!)ディスプレイ、そして17型のSXGA液晶ディスプレイを置いていた。そのほかの机やイス、テーブル、ベッドなどの家具が約6畳の部屋で所狭しとせめぎ合い、足の踏み場に困っていたのはいうまでもない。3台のディスプレイ機器をすべて撤去してFORIS FX2431TVだけにしたら、見違えるように広々とし、想像以上に驚いた。調子に乗って部屋の掃除と軽い模様替えまでやってしまい、疲れはしたが大満足だ。
ディスプレイとテレビが1台にまとまれば、そのぶん電気代の節約にもなる。FORIS FX2431TVの最大消費電力は130ワット、省電力モード時は1ワット以下(設定により異なる)、主電源を切れば待機電力は0ワットだ。筆者の古い環境(ブラウン管×2、液晶×1)は少々特殊だが、古い環境と比較して、通常時の消費電力は半分以下になった。
また、周囲の明るさや映像シーンに合わせて画面輝度を自動で最適化してくれる「Auto EcoView」機能も搭載されており、こちらの節電効果も高い。普段はAuto EcoViewを有効で使って省エネ運用し、映像編集など色再現性が求められるシーンでは無効化、あるいは輝度を手動調整すればいいというわけだ。
FORIS FX2431TVに接続したのは、DVI-D端子にメイン環境の自作ミドルタワーPC、D-Sub端子にXbox 360、HDMI(1)端子にプレイステーション 3、S-Videoに古いビデオレコーダーだ。あとは、HDMI(2)端子にBlu-ray Discレコーダー、コンポーネントビデオ端子にWiiを接続できれば、自分の中では理想の環境に近くなる。これだけの機器を入力切り替え器などを使わずに一度に接続しておけるのだから、実に頼もしい存在だ。
さて、部屋が広くなったと喜んでいたところで、改めてFORIS FX2431TVを眺めると、デザインがとても洗練されていることに改めて感心した。直線的なボディと曲線的なスタンドを組み合わせた外観はカッチリと作り込まれており、部屋の中で主張し過ぎず、かといって埋没もせず、絶妙な存在感だ。ボディのカラーはブラックとシルバーの2種類があり、どちらの色でもAV機器やゲーム機、PCとマッチする。
細かい点だと、本体に向かって右側面にB-CASカードスロットがあるのだが、側面全体を覆うカバーが付属するのも粋な計らいだ。B-CASカードを挿入してカバーを取り付ければ、B-CASカードスロットが隠れてデザインの統一感が出る。また、シンプルなデザインの中で円柱形状のスピーカー部がアクセントになっているのもいい。素直に「カッコイイ」と思えるデザインで、そのたたずまいにも心が満たされた。
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提供:株式会社ナナオ
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2009年9月30日