「Diamondcrysta WIDE RDT233WX-Z(BK)」は、動画コンテンツを滑らかに表示して、その映像世界を堪能したい動画愛好家向けの「マルチメディアアドバンス」モデル。120Hz駆動のIPS方式液晶パネルと倍速補間機能による「倍速クリアピクチャー」が目玉だ。
三菱電機はマルチメディア液晶ディスプレイの上位機種として「マルチメディアアドバンス」と呼ぶ2つの23型フルHDモデルを用意している。その1つ、「Diamondcrysta WIDE RDT233WX-Z(BK)」は、120Hz駆動のIPS方式液晶パネルと三菱独自の技術を組み合わせた倍速補間機能の「倍速クリアピクチャー」により、ぼやけ感を抑えた動画表示を実現しているのが最大の特徴だ。
IPS方式液晶パネル搭載機で倍速クリアピクチャーを備えた製品は、2010年11月に登場したハイエンドモデル「VISEO MDT231WG」に続いて2番目となる。MDT231WGはゲームに特化した動画ブレ抑制機能などを盛り込んでいるため、価格も上がってくるが、RDT233WX-Z(BK)はMDT231WGから倍速クリアピクチャーだけを切り出すことで、「お手ごろ価格で“IPS方式”+倍速補間」という新たな価値を提示してきた。
応答速度の数値は5ms(中間階調)とされており、「Diamondcrysta WIDE RDT233WX-S(BK)」「Diamondcrysta WIDE RDT233WX(BK)」「Diamondcrysta WIDE RDT233WX-3D(BK)」の3.8ms(中間階調)より遅いが、動画のコマ数を疑似的に倍増させる倍速補間のおかげで、動画再生時の滑らかさはRDT233WX-Z(BK)が勝る。一般に応答速度が速いほど動画ブレが少ないのは間違いないのだが、そもそも「応答速度」とは液晶デバイスの応答時間を計測したもので、0msであったとしても動画ブレによるぼやけ感は発生してしまう。
そのため、RDT233WX-Z(BK)では人の目が感じる動画のぼやけ感を定量的に示す指標としてVESAが策定した「MPRT」(Moving Picture Response Time:動画応答時間)の計測値も公表している点に注目したい。MPRTは動画性能を判断するのに有用な指標で、RDT233WX-Z(BK)は10msを実現している。ちなみに応答速度が速い従来のTNパネル搭載機でもMPRTは22ms程度にとどまるため、10msという数字がどれほどブレが少ないか分かるだろう(ちなみに、MDT231WGはMPRTが5.5msとさらに速い!)。
映像鑑賞については、「シネマモード」の存在も見逃せない。映画コンテンツは毎秒24フレームで撮影されたものが多いが、RDT233WX-Z(BK)は毎秒24フレーム(または、30フレーム)映像の各フレームを5回(30フレーム時は4回)繰り返し、毎秒120フレームで映画フィルムの動きを再現する「フィルム」設定を用意している。また、シネマモードを「なめらか」設定にすると、前後のフレームから予測した新しい4フレーム(30フレーム時は3フレーム)の映像を作り出して補間し、よりなめらかで自然な動きが得られる。
実は、この設定はゲームにも有用だ。例えば、プレイステーション 3(PS3)用のゲームは毎秒30フレームのタイトルが多いため、シネマモードを「なめらか」設定にすると、ゲームがよりスムーズな動きで遊べることも見逃せない(補間の処理時間があるので、フレーム単位のレスポンスを競うような激しいゲームには向かないが)。
つまり、再生する映像コンテンツに応じて、倍速補間やフィルム設定などを使い分けることで、より滑らかに見やすい映像処理をしたり、映像作家の意図を重視して忠実に再生したり、とさまざまな味わい方ができるのだ。これぞ、映像マニアのための高画質マルチメディア液晶ディスプレイといえる。
下位に位置するRDT233WX-S(BK)/RDT233WX(BK)に比べて、超解像技術を提供する「ギガクリア・エンジンII」が白飛びや黒つぶれを細かく調整する「エリアコントラスト」に対応し、高画質化ソフトの「ギガクリア・ウィンドウ」が標準添付されるといった細かい優位点もある。
さらに、デジタル入力どうしで親子画面表示が可能なPinP(ピクチャーインピクチャー)をはじめ、低解像度入力時の柔軟な画面サイズ変更、プレイステーション・ポータブル(PSP)の画面比率を崩さずに拡大表示できるAVアスペクト、480iや1080iのインターレース信号を高品位にプログレッシブ変換する3次元IP変換、倍速補間の設定も手元で行えるフルリモコンの付属など、「マルチメディアアドバンス」を標ぼうするにふさわしい付加価値を備えているのがうれしい。
RDT233WX-S(BK)/RDT233WX(BK)と同様、映像入力は2系統のHDMIをはじめ、D5、DVI-D、D-Subの計5系統と充実している。高輝度の白色LEDバックライトを内蔵する必要から、ボディはRDT233WX-S(BK)/RDT233WX(BK)が採用する最新の薄型デザインではないが、ブロックネックによる3段階の高さ調節機構や壁面ギリギリに設置できる壁寄せスタンドを用意しており、シンプルながら実用性の高いスタンドだ。
実売価格は5万4800円前後となっており、RDT233WX-S(BK)/RDT233WX(BK)より割高だが、その機能差を考慮すると、むしろ買い得感がある。しかも、同じ“IPS方式”+倍速クリアピクチャー搭載のMDT231WG(実売8万9800円前後)より、かなり求めやすい。120Hz駆動のIPS方式液晶パネルはコストがかさむが、早くもここまで価格が下がってきたことに驚きだ。液晶ディスプレイで動画を美しく鑑賞したいというユーザーにとって、絶対に外せない1台といえる。
「Diamondcrysta WIDE RDT233WX-Z(BK)」の主な仕様 | ||
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製品名 | Diamondcrysta WIDE | |
形名 | RDT233WX-Z(BK) | |
カテゴリー | マルチメディアアドバンス | |
液晶方式 | IPS 120Hz(ノングレア) | |
3D立体視 | − | |
倍速補間 | 倍速補間(倍速クリアピクチャー) | |
シネマモード | なめらか、フイルム、オフ | |
MP ENGINE | − | |
超解像技術(本体内蔵) | ギガクリア・エンジンII | |
超解像技術(対応ソフト) | ギガクリア・ウインドウ | |
応答速度(GTG) | 5ms | |
MPRT | 10ms | |
スルーモード | ○ | |
バックライト | 白色LED | |
輝度 | 350カンデラ/平方メートル | |
コントラスト比 | 5000:1 (CRO非動作時900:1) | |
表示色 | 約1677万色 (10ビットガンマ) | |
視野角 | 上下178度、左右178度 | |
PinP | デジタル/デジタル入力対応 | |
3次元IP変換 | ○ | |
DV MODE | 8モード(スキップ対応) | |
画面サイズ(スケーリング) | フル、アスペクト、2×ズーム、リアル | |
AVアスペクト(ポータブル) | ○ | |
オーバースキャン | 100%、98%、95%、93% | |
EASYCOLOR!3 | − | |
ECO Professional | ○ | |
映像入力 (HDMIは音声も入力) | ミニD-Sub、DVI-D(HDCP対応)、HDMI×2、D5 | |
音声入力 | RCA L/R、ステレオミニ | |
音声出力 | ヘッドフォン(ステレオミニ) | |
ステレオスピーカー | 3ワット+3ワット | |
ウーファー | − | |
DIATONEリニアフェイズ | ○ | |
リモコン | フルリモコン | |
チルト調整 | 上20度、下5度 | |
スイベル調整 | − | |
高さ調整 | 30ミリ×3段階(ブロックネック) | |
壁寄せスタンド | ○ | |
縦型表示 | − | |
デザイン | 本体厚68ミリ | |
本体サイズ (幅×奥行き×高さ) | 546×230×最大453ミリ | |
重量 | 約5.2キロ | |
消費電力 | 標準67ワット、スリープ/オフモード時1ワット以下 | |
実売価格 | 5万4800円前後 | |
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提供:三菱電機株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年7月19日