常に先進的な高画質化技術を投入し続け、液晶ディスプレイの進化をリードしてきた三菱電機が、約1年ぶりにマルチメディアブランド「VISEO」の新機種「MDT231WG」を投入した。120Hz駆動のIPS方式液晶パネル、LEDバックライト制御、倍速補間技術を組み合わせた新しい動画ブレ抑制技術を筆頭に、さまざまなジャンルのゲームに適した設定・画質で楽しめるよう細部までこだわり抜いている。今回はその“ゲーム対応力”がどれほどのものなのか、老舗ゲームメーカーのエレクトロニック・アーツに実機を持ち込み、厳しい目を持つスタッフの方々にじっくり見てもらった。 ※2010年12月9日掲載
ゲーム用ディスプレイに最高品質を求める多くのユーザーにとって、三菱電機「VISEO(ヴィセオ)」はあこがれのブランドの1つだろう。VISEOは同社のマルチメディアワイド液晶ディスプレイブランドだが、2007年に投入した24.1型WUXGAモデル「VISEO MDT241WG」以降、とりわけゲームを快適にプレイするための機能強化に注力しており、高画質・高機能なコアゲーマー向けディスプレイとしてヒットを飛ばしている。
そんなVISEOの最新モデルとして、2010年11月30日に満を持して発売されたのが23型フルHDモデル「VISEO MDT231WG」だ。2009年に登場した24.1型WUXGAモデル「VISEO MDT243WGII」から約1年ぶりの新機種投入とあって、液晶パネル、画像処理エンジン、機能、操作性、ボディデザインとすべてを改め、同社が培ってきた技術やノウハウを惜しみなく投じたフラッグシップモデルに仕上げている。
MDT231WGの核であり、競合機種に対する最大のアドバンテージが独自の動画ブレ抑制技術「MP ENGINEIII(Motion Picture ENGINE III)」だ。MDT243WGやMDT243WGIIで好評を博した「MP ENGINEII」をさらに進化させ、PC向けディスプレイでは業界初※となる「LEDバックライト制御」「“IPS方式”の120Hz駆動液晶パネル」「倍速補間技術」を組み合わせて最適化した3つの表示モードによって、動きの激しいゲームや高速なレスポンスを求められるゲームが、より快適にプレイできるようチューンアップしている。
※国内販売のスタンドアロン型PC用液晶ディスプレイで業界初。2010年11月現在、三菱電機調べ
また、三菱ディスプレイのお家芸といえる「超解像技術」を提供する「ギガクリア・エンジン」も「ギガクリア・エンジン II」にバージョンアップ。ちらつきが発生しやすい部分を自動検知して超解像処理を制御したり、入力した映像の解像度に合わせて調整範囲を自動設定する新機能を盛り込むことで、従来より自然に解像感を高めた高精細映像が堪能できる。
さらに、ボディデザインの一新に伴い、出力3ワット+3ワットのステレオスピーカーに加えて出力5ワットのサブウーファーも内蔵し、迫力ある低音を鳴らせるようになった。スピーカーの位置を固定したまま、画面部のみを縦型表示に変更できる「リフティングターン」機構の搭載により、弾幕シューティングなどの縦型ゲームでも画面を広く使えて、サウンドも妥協しないで済むのがポイントだ。
そのほかにも語り尽くせないほど膨大な機能を満載しているが、何はともあれ、気になるのはこうした数々の技術・機能が実際のゲーム体験にどのような影響を与えるかだろう。今回はワールドワイドで多数のプラットフォームにさまざまなゲームタイトルを提供しているエレクトロニック・アーツの日本法人(以下、EA)にMDT231WGの実機を持ち込み、EAの最新ゲームタイトル5本をMDT231WGに映し出してプレイしつつ、プロの厳しい目でその画質や機能をチェックしてもらった。
液晶ディスプレイにとって、苦手なゲームジャンルの1つがレースゲームだ。背景が前方から後方へ高速に流れていくうえ、ドライバーの操作によって映像は目まぐるしく切り替わる。応答速度がそこそこ速い液晶ディスプレイであっても、よく見ると、背景がぼんやりしていたり、カクカクと不自然な描画になってしまうことも少なくない。動画ブレの具合が判別しやすいゲームジャンルといえる。
そんなわけで、まずはEAの最新レースゲームタイトル「ニード・フォー・スピード ホット・パースート」をプレイしてもらった。MDT231WGの高画質化技術が分かりやすいように、MDT231WGの隣には画面サイズが同じ従来機種の「Diamondcrysta WIDE RDT231WM」を並べて、2台の表示を見比べられるようセッティングしている。
EAからは6人のスタッフに集まってもらい、画面を囲むようにして表示を見比べてもらったところ、女性陣を含む数人から「画面の見やすさ、色の鮮やかさが全然違う」と驚きの声が上がった。それもそのはず、MDT231WGは広視野角を誇るIPS方式液晶パネル、RDT231WMは標準的なTNパネルを採用しているため、視野角が狭いRDT231WMでは斜めから画面を見ると、コントラストと色が変化してしまうのだ。1人で画面に正対しているぶんには気にならないが、このように画面を囲んで皆でゲームを楽しむ場合は、画面を斜めから見てもコントラストや色度の変化が小さいMDT231WGが圧倒的に有利となる。
とはいえ、それは一般的な“IPS方式”とTN方式の違いに過ぎない。やはり注目はMDT231WGならではの動画ブレ抑制技術であるMP ENGINEIIIの効果だろう。MP ENGINEIIIの設定は「MP MODE」としてメニュー内に用意されており、1〜3のレベルが選択できる。レースゲームに向いているのは、残像感を極限まで低減する設定の「MP MODE レベル3」だ。
この設定では、60fps映像の1フレーム目を単純に2度書きする120Hz駆動を行いつつ、LEDバックライトは液晶の応答が完了した瞬間だけ点灯する「LEDバックライトブリンキング」動作となる。液晶の応答過程が目に入らないため、残像感が大幅に減るのが特徴だ。これにより、次の画像が表示されるまで光り続けるホールド型表示の液晶ディスプレイでありながら、表示された画像が一瞬で明滅して切り替わるインパルス型表示のCRTディスプレイにかなり近い感覚でプレイできる。
参考までに、残像感の指標となる動画応答時間(MPRT:Moving Picture Response Time)の比較で見ると、一般的なTNパネルが20〜24ms程度であるのに対し、MP ENGINEIIを搭載した前モデルのMDT243WGII(動画ブレが少ないと評判が高かった)が10ms、そしてMDT231WGではさらにその半分の5.5msを達成している。MPRTの値はプラズマディスプレイ(PDP)で6〜8ms程度、CRTでは2〜4ms程度といわれているため、MDT231WGはすでにPDPを超えており、CRTにごく近いレベルに達していることが分かるだろう。
さて、このMP MODE レベル3を試してもらうと、「確かにブラウン管(CRT)に近い表示で、ブレが抑えられてますね」と北村英明氏(アジア ローカライズ ローカライズ プロデューサー)がコメント。北村氏は動画表示性能の高さを重視し、今でもCRTディスプレイを使い続けているそうなので、その言葉には重みがある。
また、二宮文月氏(アジア ローカライズ ローカライズ ディレクター)は「比較用ディスプレイでは背景がザワザワして落ち着かないのが、MDT231WGでは滑らかではっきりした。サブウーファーでエンジン音の低域に迫力が出てきて、臨場感がほかと大きく違うところが気に入った」、古澤陽一郎氏(マーケティングコミュニケーションズ シニア マネージャー)は「動きがある中で、背景の緑や岩肌、車体の質感もしっかり出ていて、黒の表現もいい」との感想で、総じて高評価が得られた。
市販車ベースの四輪ドライビングゲーム「ニード・フォー・スピード」シリーズの最新作。前作がサーキットを舞台にしたレーシングドライビングを楽しむタイトルだったのに対し、今作は公道を爆走してのカーチェイスバトルが楽しめる。
逃げる側と追う側の2つの視点でプレイでき、それぞれ急加速できるニトロや相手を止める強力なウェポンを駆使して戦う。キャリアモードでは、バトルに勝利してランクを上げ最高ランクを目指し、「Autolog」機能により他プレイヤーのタイムレコードやランクなどを参考に、対戦モードでオンライン上の相手と戦うことができる。
なお、日本語版には海外版の「Limited Edition」に収録された、各国から選ばれたマシン6車種のアンロックコードが付属している。
製品情報 | |
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対応機種 | プレイステーション 3/Xbox 360/Wii/PC |
ジャンル | レーシング |
発売日 | 2010年12月9日 |
価格(税込) | プレイステーション 3/Xbox版:7665円、Wii版:6090円、PC版:オープン |
CERO | B(12歳以上対象) |
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2011年7月19日