両面ADFとWi-Fiでモバイルスキャナがもっと自由に!――「imageFORMULA DR-P208」&「WU10」徹底攻略タブレットやスマホから、いつでもどこでも無線スキャンが可能(4/4 ページ)

» 2012年12月05日 13時00分 公開
[ITmedia]
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スキャン速度と画質、ファイルサイズをチェック

 DR-P208の公称スキャン速度(A4縦・片面・200dpi設定時)は、USB接続時がカラー/グレーとも8枚/分、WU10を利用した「アクセスポイントモード」(A4縦・片面・150dpi設定時)での無線LAN接続時がカラー/グレーとも7枚/分とされている。スティック型ボディながら、1枚ずつの手差し給紙ではなく、最大10枚給紙できる1パス両面対応のADFを備えているため、これだけのパフォーマンスを確保している点に注目だ。

 さて実際のスキャン速度や画質、ファイルサイズについても一通りチェックしておこう。テスト環境は下表にまとめた。

スキャンテストの環境
スキャン原稿 カラー原稿10枚(表裏で20ページ/独自データ)
用紙サイズの設定 自動検知(「画像の傾きを自動で補正する」「文字の向きに合わせて画像を回転する」はいずれも適用)
ファイル保存形式の設定 PDF
ファイル保存場所の設定 ローカルのストレージ内(PCではHDD、iPadではSSD)
USB接続でテストしたPC Core i7-620LM(2.0GHz)、6Gバイトメモリ、5400rpm HDD、32ビット版Windows 7 Professional(SP1)
無線接続でテストしたタブレット iPad(第3世代)

 PCにDR-P208をUSBで接続し、A4両面カラーの原稿10枚(表裏で20ページ)をスキャンしたときの所要時間は以下の通りだ。ここでの所要時間とは、スキャンボタンを押してから、すべての原稿がスキャンされ、あらかじめ指定しておいた場所にPDFファイルで保存が完了するまでの総読み取り時間を指す。

 つまり、スキャン後にファイルがストレージに保存され、実際に利用可能になるまでの所要時間なので、接続するPCやスマートデバイスによって転送時間が変わり、メーカーの公称値よりも時間が長くなっている。テスト結果の考察では、1枚あたりのスキャン速度についても触れているので、表とともに確認していただきたい。

10枚両面スキャン速度の比較(PCとUSB接続した場合)
設定 150dpi 300dpi 備考
カラー 1分18秒 1分59秒 左記は「読み取り速度」+「ファイル転送速度」の合計時間
グレー 1分14秒 1分16秒
白黒 1分08秒 1分11秒

 結果を見る限り、150dpiではカラー/グレー/白黒にそれほど大きな差はなく、300dpiではやや差が目立つ。とはいえ、300dpiでも10枚20面のスキャンを完了するまでの最長所要時間は1分59秒と、2分を切る短時間で済んだ。

 細かくチェックすると、150dpiのカラー/グレー/白黒設定、300dpiのグレー/白黒設定の所要時間は1分08秒〜1分18秒だった。スキャン後のファイル転送に15秒前後かかるので、それを差し引けば1枚あたりの所要時間は5秒台前半〜6秒台前半と速い。これは8枚/分という200dpi設定の公称値を上回り、満足できるスピードだ。

 カラースキャン300dpi設定での所要時間は1分59秒だった。読み取り後の転送に20秒ほどかかるので、それを差し引けば1枚あたりの所要時間は約10秒となり、公称値の6枚/分(カラー300dpi設定時)とほぼ同じ良好な結果だ。

 競合となる他社のスティック型スキャナは、1枚ごとに原稿を取り替えなくてはいけないうえ、裏表の両面同時スキャンに対応しない場合も多いので、トータルの手間を考慮すると、DR-P208は圧倒的に優位ということになる。

 では、スマートデバイスからのスキャン時はどうだろうか。今回はiPadの第3世代モデルを使用してテストを行った。第3世代iPadとWU10を無線で接続し、PCを介さずに、A4両面カラーの原稿10枚(表裏で20ページ)をスキャン、ファイル保存までの所要時間を計測した。テスト結果は以下の通りだ。

10枚両面スキャン速度の比較(第3世代iPadとWU10で無線接続した場合)
設定 150dpi 300dpi 備考
カラー 2分46秒 7分18秒 左記は「読み取り速度」+「ファイル転送速度」の合計時間
グレー 1分09秒 2分56秒

 カラー原稿10枚(20面)を一気にスキャンしたため、データ量の多いカラー300dpiではそこそこの時間がかかるものの、グレー150dpiではむしろPC直結時よりも速く読み取れるなど、無線転送であることを感じさせないスピードが出た。

 グレー150dpi設定での所要時間は1分09秒と高速だ。読み取り後の転送に15秒前後かかるので、それを差し引けば1枚あたりの所要時間は約5秒台前半となる。グレー150dpi設定での公称値7枚/分を上回る好結果が得られた。モバイルスキャナでは十分に合格点を付けられるスピードだろう。

 そもそも大量の原稿を連続して高解像度で読み取るといった使い方がメインならば、DR-C125など据え置き機を選ぶべきだ。

 画質とファイルサイズについては、PC直結、WU10経由などスキャンの方法は違えど、同じ設定値で読み取っている限りでは、極端な差は見られない。解像度が高くなればファイルサイズは増えて画質がよくなり、また白黒になるとファイルサイズが小さくなるという、ごく一般的な傾向だ。

 なお、カラーとグレーとではファイルサイズはほとんど変わらないので、ファイルサイズを落とすためにカラー原稿を無理にグレーでスキャンする必要はなさそうだ。原稿がモノクロで、カラーではなくグレーにしておいたほうが見た目がすっきりする、という場合に限定して、グレーモードを使うのがよい。

 解像度の設定は、スキャンしたデータを表示するデバイスや用途によって変更すべきだが、スマートデバイスに増えつつある高画素密度ディスプレイでの表示や、一般的な文書の電子化で再編集や印刷まで考慮しても、300dpiの設定で満足できるだろう。

スキャンしたファイルサイズの比較
設定 150dpi 300dpi 600dpi
カラー 9,120Kバイト 35,671Kバイト 136,671Kバイト
グレー 8,558Kバイト 35,984Kバイト 128,481Kバイト
白黒 2,116Kバイト 8,491Kバイト 26,052Kバイト

カラースキャンのサンプル1(図版とテキスト)。左から150dpi、300dpi、600dpiの設定

グレースキャンのサンプル1(図版とテキスト)。左から150dpi、300dpi、600dpiの設定

白黒スキャンのサンプル1(図版とテキスト)。左から150dpi、300dpi、600dpiの設定

カラースキャンのサンプル2(表組み)。左から150dpi、300dpi、600dpiの設定

グレースキャンのサンプル2(表組み)。左から150dpi、300dpi、600dpiの設定

白黒スキャンのサンプル2(表組み)。左から150dpi、300dpi、600dpiの設定

可搬性と実用性を両立したドキュメントスキャナ

 ここまで見てきたように、DR-P208はコンパクト型ドキュメントスキャナとは思えないほどの機能の充実ぶりに加えて、スマートデバイスからの直接読み取り、さらにWi-Fiユニットと組み合わせての無線読み取りと、据え置き設置型のドキュメントスキャナにもできない多彩な機能を兼ね備えている。

 モバイルスキャナに求められる「可搬性の高さ」と「スペック面での妥協の少なさ」、いずれも十分に合格点に達しており、これまでの「小型軽量だが性能が物足りない」といったスティック型スキャナの弱点を克服していることが大きなアドバンテージとなる。

 さまざまな環境に適応できることで、あらゆる状況でシームレスに使えるDR-P208は、ビジネスマンの働き方の変化を全方位的にサポートし、さらにはプライベートな利用までもカバーできる心強い味方だ。普段使っているドキュメントスキャナに加えてサブのスキャナとしての導入はもちろん、初めての手軽に使えるドキュメントスキャナとしても、魅力的な1台としておすすめしたい。

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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2012年12月25日