いよいよ、2020年度から小学校の教育課程で必修化される「プログラミング教育」。保護者として、「一体何を準備すればいいのか分からない」という人も少なくないでしょう。悩んでいるなら、「自作PC」と「マインクラフト」を活用してみてはいかがでしょうか?
小学生の子供を持つ保護者たちが今、けっこう心配していること。
それは……。
「小学校プログラミング教育必修化って、な、何?」
ということ。2020年度(2020年4月)から、小学校の「学習指導要領」の改訂が全面実施され、小学校の教育課程でコンピュータなどを使ったプログラミング教育が必修化されるのだ。
文部科学省がいうところの、小学校におけるプログラミング教育の狙いは……。
- プログラミング的思考を育むこと
- プログラムの動きの良さ、社会が情報技術によって支えられていることに気付くこと
- コンピュータなどを活用してよりよい社会を築く態度を育むこと
(文部科学省「小学校プログラミング教育の手引き 第二版」より抜粋の上、筆者要約)
とのこと。
え、何? 心配なのはそこじゃないと。
「とにかく子供に何を用意して何をさせればいいのー!?」
というわけで、自分の子供が必修となったプログラミング教育で良い成績が出せるように(といっても、小学校で実施するのはプログラミング「実習」であって授業ではなく、プログラミングという教科もなく評定の対象とならないのでご安心を)、家庭でも「教材」としてPCを用意しなければならないのか、家庭学習で親は子供に何をしなければならないのか……といったことを心配している保護者が増えている。
このような事情から現在関心が高まっているが、実は以前からプログラミング教育を啓もうすべく活動を続けているさまざまな団体がある。サイバーエージェント関係企業のCA Tech Kidsもその1つだ。「Tech Kids School」や「Tech Kids CAMP」といったプログラミング教育事業を通し、小学生にプログラミング学習の機会を提供している。
そのCA Tech Kidsが主催する「大人気YouTuber『あしあと』さんと学ぼう!パソコン自作 & マイクラプログラミングワークショップ」が、9月22日に科学技術館(東京都千代田区)の「実験スタジアムL」で開催された。
このイベントでは、小学生とその保護者が一緒にPCを自作。組み上がったPCを使ってサンドボックスゲーム「Minecraft(マインクラフト)」のMOD(後述)を使ったプログラミングを学ぶ。
多くの子どもたちが慣れ親しんでいるMinecraftを通して、PCの自作やプログラミング的思考を実践的に楽しく学ぶことで、PCやプログラミングへの興味を高めることがゴールだ。親子で一緒に楽しむことで、家庭内稟議(りんぎ)が通りにくい“自作パパ”の意見が少しでも通りやすくなるという隠れたメリットも見逃せない。
イベントタイトルにもある「あしあと」は、複数のYouTuberで構成されるチームで、マインクラフト動画などで高い人気を誇る。今回のイベントにはチームに所属する「朱梨」さんと「豆腐」さんが参加して一緒にPCを自作している。
イベントの“主役”たる子どもたちは大きく3つに分かれていた。
1つは、始まる前からエンジョイ勢。イベント開始前に、協賛企業が開催していた「PC自作体験イベント」(後述)で、目を輝かせてPCの組み立てを楽しんでいた子どもたちだ。
次は、Minecraftは任せろ勢。イベント後半のMinecraftによるプログラミング体験では手慣れた操作でマウスとキーボードを操作していた。一方で、前半のPC自作体験イベントでは、多くがPCを初めて自作するようで、若干手こずる場面も見受けられたが、目の輝きは始まる前からエンジョイ勢と変わりなかった。
そして、イベント自体を楽しむ勢。ゲストのYouTuberたちと一緒にPCを組み立てたり、サインをもらったり、一緒に写真に写ったりと、イベントそのものを満喫していた(中には照れてしまって記念撮影から逃げる子どももいたが……)。
一方、保護者の皆さんの反応はどうだったのか。当日は母親の参加が比較的多く、普段は縁遠いYouTuber、PCの自作、Minecraftに戸惑う人も少なくなかったが、夢中になっている子どもにつられて笑顔になる姿が印象的だった。
Minecraftのプログラミングを巡り「親子げんか」直前の状態になった父子もいたが、子どもにうまくアドバイスを出す父親を見て母親が感心するといった場面も見られた。PCの自作からMinecraftのプログラミングまで、非常に盛りだくさんなイベントで、2時間30分という長丁場でも集中力を切らさずに最後まで子供たちが楽しんでいたのが印象的だった。
科学技術館内で行われたイベントのため、展示コーナーあるいは体験コーナーと勘違いしてフラッと入ってきた親子が、そのままPC自作体験コーナーに居着いたり、無事に動作したプログラムに対して飛び入りで拍手が出たりと、ほほ笑ましい場面が多々見られたのがイベントの楽しさを示していた。
PCの仕組みを知ると、プログラミングをより深く理解できる――そういう意味で、自作PCの組み立てとプログラミングを同時に学べるこのイベントは有意義だった。家庭でプログラミングを楽しむ際は、PCも自分で作ることを検討してみても良いだろう。
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アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2019年10月29日