これからのNASは拡張性で選ぶ! 少ない投資で長く使えるQNAP NASのススメ(2/4 ページ)

» 2022年11月02日 10時00分 公開
[PR/ITmedia]
PR

今どきのNASに求められる「スケーラビリティ」

 クラウドサーバはスケーラビリティの面で有利という話をしてきたが、可用性を考えるとオンプレミスのサーバやNASにも一定のスケーラビリティが求められる

 NASが必ず備えるべきスケーラビリティは、ずばり「ストレージ容量」と「パフォーマンス」の2点だ。

ストレージ容量

 QNAPのNASは、厳密にいうと「NASキット」というジャンルに属しており、HDDやSSDといったストレージが付属しない。別途ストレージを調達しなければならない点はデメリットだが、見方を変えるとこのことは必要な容量やスペックを備えるストレージを選択できるというメリットにもなる。

 例えば「従業員は少ないけれど、大きな容量のデータをたくさん扱う」というなら、容量の大きなHDDを使ってNASを構築できるし、「従業員が多くて、データの読み書きも頻繁」というのであればSSDを使ってNASを構築すればいい。

 QNAPでは、NASにおけるHDD/SSDの動作検証を積極的に行っている。互換性リストを確認すれば、動作保証のあるHDD/SSDを調べられるので便利だ。

互換性一覧 QNAP製のNASで動作が確認されたHDD/SSDは「互換性一覧」に掲載されている。検証対象となるメーカーやモデルは、思った以上に多い

 加えて、NASキットであるためNAS本体とストレージの製品保証が“分離”されることもメリットだ。

 ストレージも付属するNASの場合、ストレージも一体となった製品保証となっていることが多い。細かい保証内容はメーカーによって異なるが、故障したストレージを1台だけ交換したいという場合でもメーカーを通して交換(あるいは修理)の依頼を行わないと保証対象外となってしまうことは珍しくない。

 その点、QNAPのNASではストレージの故障はストレージに対する保証で対応できる。代替ストレージを自分で調達(購入)して交換することも可能だ。容量が足りなくなった場合も、ストレージを買い換えることで対応できる。

パフォーマンス

 NASの運用においてボトルネックになりうる要素は複数ある。中でも大きなボトルネックになりやすい要素が「ネットワークポート」だ。アクセスが集中した場合、複数のネットワークポートを備えているとスループット(実効通信速度)を向上しやすい。

 その点、QNAPのNASはネットワークポート(カード)の増設に対応するモデルも多い。CPUやメモリ容量にある程度の余裕があって、かつネットワークポートを増設できるモデルを購入すると将来性の面で有利だ。

 必要なスペックは業務内容や従業員数(クライアントの台数)によって変わるが、SOHO(個人事業主/小規模オフィス)や中小企業での利用であれば、多くのケースで今回紹介するTS-464がピッタリだろう。

スロット QNAPのNASは、ネットワークポートの増設に対応するモデルが多い。今回紹介するTS-464も、ネットワークポートの増設が可能だ

TS-464の主なスペックを紹介

 今回の主役であるTS-464は、QNAPのSOHO/中小企業向けNASとしてはミドルハイレンジモデルに位置付けられる。税込みの実売価格は8万円程度だ。

QNAP TS-464 TS-464は黒を基調に、シャンパンゴールドのアクセントを入れたスタイリッシュなボディーが特徴だ

 CPUはIntelの「Celeron N5105」または「Celeron N5095」(共に2GHz〜2.9GHz/4コア4スレッド)を搭載し、メインメモリは4GB(DDR4規格)を備える。Serial ATA 3.0(6Gbps)規格の2.5/3.5インチストレージを搭載できるフロントベイを4基備える他、PCI Express 3.0規格のM.2スロット2基備えている。

 ストレージベイとM.2スロットをフル活用すれば、最大で6台のストレージを搭載可能だ。

ストレージベイ(再掲) 2.5/3.5インチストレージベイは4基備える。ストレージトレイは扱いやすく、ストレージの装着/交換も簡単に行える
SSDスロット 本体内部には2基のM.2スロットが用意されている。ここには、PCI Express 3.0接続(NVMe規格)のM.2 SSDを装着可能で、ストレージまたはキャッシュとして利用できる

 ファイルサーバでは「可用性」と「耐障害性」も重要である。TS-464では以下のRAID構成に対応しており、冗長性やパフォーマンスを向上できる。

  • RAID 0(ストライピング:2台以上のストレージが必要)
  • RAID 1(ミラーリング:2台/4台/6台/8台のストレージが必要)
  • RAID 5(分散書き込み:4台/6台/8台のストレージが必要)
  • RAID 6(RAID 5の耐障害性を高めたもの:4台/6台/8台のストレージが必要)
  • RAID 10(RAID 0とRAID 1の組み合わせ:4台/6台/8台のストレージが必要)
  • RAID 50(RAID 0とRAID 5の組み合わせ:6台/8台のストレージが必要)
  • RAID 60(RAID 0とRAID 6の組み合わせ:6台/8台のストレージが必要)

 RAIDを構成すると、NAS全体の保存容量の向上も簡単になる。まず、運用中のストレージを1台抜いてより大容量のストレージに交換する。すると自動的にRAIDのリビルドが始まり、新しいストレージにデータがコピーされる。

 リビルドが完了したら次のストレージをより大容量のもの交換し……と繰り返して全てのストレージの交換を完了した後、容量の拡張を行えば「大容量化したNAS」のできあがり、という寸法である(※1)。データ量が多くなっても、NASごと買い換えることなく、より大容量のストレージを購入すれば拡張できるのは楽でよい。

 ストレージの容量単価は年々下降する傾向にある。一方で企業におけるストレージの利用量は通常は単調増加(少しずつ右肩上がりしていく)傾向にある。これらを勘案し、ストレージの耐用年数(書き込み容量)をにらみつつ、数年ごとにストレージを交換する算段(予算組みや資材の確保)をしておくと良いだろう。

(※1)本体内部のM.2スロットに装着したSSDの増設/換装は電源を切って行う必要があります(ストレージベイに装着するHDD/SSDはホットスワップ可能です)

背面 背面には2.5GBASE-Tポート×2を備える他、USB 3.2 Gen 2 Type-A端子、USB 2.0 Type-A端子×2、HDMI出力端子を備えている。USB 3.2 Gen 2 Type-A端子は本体正面にもある
本体小面 本体正面にはインジケーターLEDも備える
RAID ストレージベイのみを使ってRAIDを構成した場合、電源を切ることなく全てのストレージを交換し、より大容量なものにすることも可能だ

 「実際、素の状態でどのくらいパフォーマンスが出るの?」と気になる人もいると思うので、以下の構成でデータの読み書き速度をチェックしてみよう。

  • NAS:TS-464
  • ストレージ:Seagate IronWolf 4TB×4(RAID 5構成)
  • クライアント機:Windows 10 Pro(Core i7-7700/16GBメモリ/10GBASE-Tカード搭載)
  • ネットワーク(スイッチ):1000GBASE-T(Gigabit Ethernet)対応

 速度の計測に使ったのは、ストレージのスピードテストでは定番の「CrystalDiskMark 8.0.4」で、アプリの設定はデフォルトのままである。シーケンシャル(SEQ1M Q8T1)の読み書き速度は以下の通りだ。

  • 読み出し:毎秒116.57MB
  • 書き込み:毎秒112.65MB

 この速度は、1000BASE-Tの理論上の最高速度(毎秒125MB)に近い。1000BASE-Tでネットワークを構成している場合は、素の状態のままでもパフォーマンスを発揮できそうだ。

計測結果 素の状態での計測結果。1000BASE-Tでネットワークを構築している場合は、ネットワークの理論値に近い性能を発揮できそうである

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.


提供:QNAP株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2022年11月8日