Windows 10のサポート終了まで2年 レノボ・ジャパンに聞く企業の「Windows 11」移行術(2/4 ページ)

» 2023年10月13日 10時00分 公開
[笠原一輝PR/ITmedia]
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そのまま「Windows 10」を使い続けるリスクは?

金野氏 Windows 11への移行の障壁を語る金野氏

 レノボ・ジャパンは、2022年11月に企業のIT管理者(情シス)を対象にWindows 11への移行に関する調査を行った。その調査によると、26%の企業がWindows 11への移行を完了し、41%の企業が移行に向けた検証を進めていると答えたという。つまり、移行に関する検討にも着手していない企業が33%も存在したのだ。

 調査は約1年弱前のものなので、現在は移行済み、あるいは検証中の企業は増えていると思われる。しかし、金野氏は「依然として(検討や移行に)未着手のお客さまは少なくない状況にある」と語る。

 では、そもそも検討にすら入れない原因は何なのか――それは「時間がない」からだ。

 昨今は空前の“人手不足”と言われている。企業のIT部門も例外ではなく、少人数(場合によっては1人)で多数の業務端末(PC)や情報システムの管理を行っているという例も珍しくはない。場合によっては“専属”の担当者を確保できず、別業務との兼務で対応しているというケースすらある。

 そのような状況では、OSのリプレースに割ける人員と時間を確保しづらいことも当然ではある。移行の必要性やタイムリミットを理解できていたとしても“動けない”のだ。

 金野氏は「そこ(人員や時間を取れないこと)をどのように乗り越えて、アップグレードを行うかが鍵」と語る。

11月の調査 レノボ・ジャパンが2022年11月に実施したWindows 11への移行に関する調査を行った結果。当時は約3分の1の企業が「移行に未着手」と回答していたが、金野氏によると、現時点でも未着手の企業は多いという

 とはいえ、既に述べた通り、2024年4月以降はWindows 10 ProをプリインストールするPCの入手が困難になり、2025年10月14日にはWindows 10自体のEoSを迎えてしまう。プリインストールPCについては、手元のストック(予備)PCを運用したり、提供終了前に生産された在庫品を探して買ったりといった対応も可能だが、それでも2年以内にはOSのサポートを受けられなくなってしまう

 Windows 10のEoSに“何も”備えないと、どのようなことが起こるのだろうか。金野氏は、大きく「端末」「OS」の2つの面で注意を促す。

端末:ハードウェアの故障に対するリスクが高まる

 PCに故障は付きものだ。それに備えて、貸し出し(あるいは交換)をするためのストックPCを用意している企業も多い。

 今後、Windows 10を搭載するPCの新品購入は困難になる。ゆえに古い端末をストックに回さざるを得ないケースが増えると思われるが、そうすると「(古い端末の)保証/保守期間が切れて、修理コストの上昇が想定される」(金野氏)。新品のPCを買った方が安上がりな可能性もあるが、その時にはWindows 10を搭載するPCは買えない――そんなシチュエーションも想像に難くない。

 PCが故障したり、保証/保守期間が切れてしまったり、ストックPCも尽きてしまった場合は、いやが応でもWindows 11への移行を考えなければならなくなる。

OS:セキュリティに関するリスクが高まる

 2025年10月14日のEoS以降は、「OSの更新プログラムが提供されなくなるので、セキュリティリスクが増大する」(金野氏)する。

 世の中には、バグ(不具合)のないソフトウェアは存在しない。ソフトウェアの規模が大きくなった現代ではなおさらである。

 ゆえに、現代のIT機器には絶え間ないプログラムの更新(アップデート)が欠かせない状況だ。もちろん、その更新にはセキュリティ面におけるぜい弱性を解消する「セキュリティ更新」も含まれる。

 EoSによってセキュリティ更新が行われなくなった場合、ぜい弱性を突く攻撃を考える「ブラックハッカー」が出てくることに疑いの余地はない。見つけたぜい弱性を使って「ランサムウェア」を送り込み、金銭的要求な要求をしてくる可能性もある。

 ランサムウェアについては「お金でどうにかできるならいい」という考え方もあるかもしれないが、ビジネスの継続に必要な情報が復旧できないという“最悪の事態”も考えられる。きちんと更新プログラムを適用して、セキュリティリスクの極小化に努める重要性は“自明の理”だ。

ランサムウェア OSのサポートが終了すると、それ以降のプログラム更新は原則として行われなくなる。とりわけ、セキュリティ更新がなくなることは、「ランサムウェア」を始めとする悪意のある攻撃へのリスクを高めてしまう

 Windows 10とWindows 11は、従来のOSバージョンアップと比べるとシステム的な差分は小さい。それでも「アプリケーションの動作確認を含めると、数カ月〜半年程度の時間がかかる場合もあるので、できるだけ早く検証に着手して、乗り換えを検討していくことが肝要」(金野氏)なのだ。

 企業ITにとって残されている時間は少ない――金野氏は「できるだけ早く(Windows 11の)検証を始めることが重要」と強調する。

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提供:レノボ・ジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年11月7日