Windows 10のサポート終了まで2年 レノボ・ジャパンに聞く企業の「Windows 11」移行術(1/4 ページ)

Windows 10のサポート終了まで、あと2年ほどとなった。「まだ2年ある」と思う人もいるかもしれないが、2年というのはあっという間。特に、独自のアプリやシステムを使っている企業の場合、検証時間を含めると早期の対応が求められる。企業における「Windows 11への移行」に関するポイントを、レノボ・ジャパンの金野勉氏に聞く。

» 2023年10月13日 10時00分 公開
[笠原一輝PR/ITmedia]
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 Windowsの最新バージョン「Windows 11」が投入されてから約2年が経過した。企業にとっては、新しいOSに移行するタイミングは常に悩ましいが、現在も「Windows 10」を継続利用している企業にとって、「2024年3月」と「2025年10月」は重要なターニングポイントとして頭に入れておく必要がある。

 まず2024年3月は、Windows 11 Proのダウングレード権を行使したWindows 10 ProプリインストールPCの提供期限だ。翌4月以降は、Windows 10 ProがプリインストールされたPCの新規購入が難しくなる。

 そして2025年10月は、Windows 10のサポートの期限だ。「EoS(End of Support)」とも呼ばれるサポートの終了は、事実上OSとしての“寿命”を迎えることを意味する。

 Windows 10のプリインストールPCの提供終了やサポート期限を前に、企業の経営者やIT管理者(情シス)はどのようなことを検討し、どのような対処をしていくべきなのだろうか。レノボ・ジャパンの金野勉氏(サービスセールス&マーケティング本部 サービス営業本部 ソリューションアーキテクトマネージャー)から気を付けるべきポイントを伺った。

金野勉氏 お話を伺った、レノボ・ジャパンの金野勉氏

「プリインPCの提供終了」や「EoS」は何を意味する?

 OSのバージョンが上がるタイミング、あるいはOSがEoSを迎える前に新バージョンに移行を検討する――多くの企業において、それが過去における「Windows PCのデバイス管理」だった。

 しかし、その考え方は、2015年にリリースされた「Windows 10」から変わった。OSにもいわゆる「アジャイル開発」が取り入れられ、半年に一度(2022年以降は1年に一度)の間隔で「機能更新(Feature Update)」と呼ばれる大型アップデートを配信するようになったのだ。

 この機能アップデートは、リリース(予定)時期の西暦下二桁と、半期を示す「H1」「H2」の表記でバージョン管理されていた。Windows 10とWindows 11は共に「バージョン22H2」が最新バージョンとなる(2023年9月現在)。

 このアップデート方針の変更によって、企業の情シスは「OS自体のEoS」だけでなく「機能アップデートのリリースタイミングとEoS」も意識した管理を求められるようになった。

Windows 10のサポート Windows 10で現在サポート対象となるのは最新の「バージョン22H2」のみとなる。ただし、一部の特殊エディション(Enterpriseなど)に限って、1つ前の「バージョン21H2」も2024年6月11日(米国太平洋時間、以下同)までサポートを受けられる(出典:Microsoft

 2021年10月にリリースされたWindows 11も、基本的なライフサイクルに関する考え方はWindows 10と変わらない。ただし、UI(ユーザーインタフェース)が刷新され、Windows 10にはない新機能も備わっている

 Windows 11の初期バージョンは「21H2」で、最新バージョンは「22H2」だ。Windows 10でも「22H2」の機能更新はあったものの、Windows 10の機能更新は22H2をもって終了となり、2025年10月のEOSまで品質更新プログラムの提供が行われる。

Windows 11のサポート 最新のWindows 11でも、ProとHomeの初期バージョン(21H2)は2023年10月10日をもってサポートが終了する(出典:Microsoft

 現在もWindows 10で稼働するPCを使っている企業は、そのEoSはもちろんだが、プリインストールPCの提供期限も意識する必要がある。

 Windows 10のライセンス提供は、一部の特殊エディションを除いて既に終了している。そのため、PCへのプリインストールも含めて、現在PCメーカーから発行される(購入できる)Windowsのライセンスは、原則として「Windows 11」のものとなる。

 ただし例外として、Windows 11 ProがプリインストールされたPCを購入したユーザーにはOSの「ダウングレード権」が付与されている。このダウングレード権を行使すると、サポートが終了していないProエディションのWindows(≒Windows 10 Pro)をインストール可能だ。多くのPCメーカーは、このダウングレード権を活用して、Windows 10 ProをプリインストールしたPCの販売を続けている。

 しかし、ダウングレード権を使ったWindows 10 Proのプリインストールは、OS移行期の特例措置という扱いで、先述の通り2024年3月をもって提供を終了できなくなる。それ以降は「在庫限り」での販売となる。

ダウングレード レノボ・ジャパンを含め、多くのメーカーではWindows 11 Proのダウングレード権を行使してWindows 10 ProをプリインストールするPCを販売している。しかし、2024年3月以降はそれができなくなる

 従って、Windows 10 PCを使っている企業は、Windows 11への移行検討が待ったなしという状況にある。「EoSまであと2年ある」と思っているかもしれないが、2年は“あっという間”に過ぎてしまう。今のうちから、行動を始めるべきなのだ。

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提供:レノボ・ジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年11月7日