レノボ・ジャパンとレノボ・エンタープライズ・ソリューションズが12月5日、リアルイベント「Lenovo Tech World Japan '23」を開催した。「AI for all」をテーマに行われた本イベントに込めた思いを、レノボ・ジャパンの檜山太郎社長に聞いた。
レノボ・ジャパン合同会社とレノボ・エンタープライズ・ソリューションズ合同会社は12月5日、「AI for all」をメインテーマに掲げたリアルイベント「Lenovo Tech World Japan '23」を都内で開催した。
2022年11月に「ChatGPT」が一般公開されて以来、AI(人工知能)に関するニュースが連日世間をにぎわせている。プライベートかビジネスかを問わず、昨今はさまざまな場面で「AI」と向き合う機会が増え、より身近なものとなりつつあると感じる。これからの時代を生きる私たちは、その変化の波に翻弄(ほんろう)されることなく、きちんと恩恵を享受して“自ら”の力にすることが求められる。
AIによって、PCを含めたICT(情報通信技術)が激動している昨今、両社はなぜ“リアルな”イベントを開催したのだろうか。レノボ・ジャパンの代表取締役社長の檜山太郎氏に狙いを聞いた。
Lenovo Tech World Japan '23の冒頭で行われた基調講演において、檜山社長は今回のイベントのテーマを「AI for all(AIを全てに)」をとした理由を以下のように語った。
まず「AI for all」というのが基調講演のテーマなのですが、その狙いは皆さまにAIの技術の恩恵をしっかりお届けするところにあります。けれども、これはこれまでの世界みたいに「統一された機器」のようなものではなくて、ここにいらっしゃる「皆さま1人1人の方々が考える『AIの活用方法』あるいは『AIを使うことで実現できる目標』」によって変わってきます。
ですので、(これからの時代は)皆さま1人1人にとっての「AI」とはどのようなものなのか、というのが重要になります。我々はそれ(ユーザーの考えるAI像)を目指しつつ、それを知り、そしてそれに対して伴走して、そこに行くお手伝いをできればと考えています。
日本ではChatGPTの話題が先行したせいか、「AIの現場活用」というフレーズが出たとき、どうしても「対話型のクラウドに問い合わせるツール」のようなものを想像してしまいがちだ。ただ、レノボがコーポレートミッションとして掲げている「Smarter technology for all」という言葉からも分かるように、最新のテクノロジーは、使う人や場面に応じてさまざまな形態のものが存在し、時や場所に応じて使い分けもできる。
同社では「AIを体の一部のように、ポケットからクラウドまで、お客さまのビジネスに合ったAIソリューションをビジネスパートナーとともに提供します」と説明しているが、AIをソリューションとして提供する上で必要な場所に必要なコンピューティングパワーを届けられるポートフォリオの厚さが同社の強みといえる。
また、AIの活用の側面で、檜山社長が近年のトレンドで重要なポイントとして挙げているのが「人がシステムに合わせるのではなく、AIが能動的に人に寄り添う」という部分だ。
過去を振り替えれば、現在人々が当たり前のように使っている携帯電話の技術は、50年前までは存在しなかった。PCのようなスマートデバイスを外に持ち出して活用できるようになったのも、「ThinkPad」がデビューした30年ほど前からの話だ。そうした技術の進化によって、いままでできなかったことが可能になり、人々の活動場面も広がっていった。
これはAIも同様で、コンピュータを活用した人工知能という概念が一般化したのは「チューリング・テスト(Turing test)」が提唱された1950年にまでさかのぼる。しかし、今日私たちが「AI」と呼んでいるようなレベルのものが登場したのは、「ディープラーニング(Deep Learning:深層学習)」の研究が本格化したここ10〜15年程度のことに過ぎない。
当時のAIは、まだ「道具の一部として活用する」というもので、活用に当たっては使う側からのアプローチが必要だった。それに対して、ChatGPTをはじめとする昨今のAIは、過去の歴史からみて初めて「向こう側(AI側)から寄り添って、その活用方法を示してくれる」ものとなっており、より多くの人がその恩恵を受けられるようになっている。
重要なのは、それを活用することで、自分たちの時間をよりクリエイティブで新しいチャレンジに振り分けることにある。
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提供:レノボ・ジャパン合同会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2023年12月26日