「NAS」は「Network-Attached Storage」の略で、ネットワーク経由で使用するストレージのことを指す。家庭内またはオフィス内に設置することが前提となるため、インターネットより高速なLAN(ローカルネットワーク)でアクセスできる。
外付けドライブと異なり持ち運ぶ必要がなく、ゆえに物理的な破損も少なく、紛失/盗難のリスクも低いので、より安全に使える。PCのOSが混在している環境でも使いやすく、WindowsやmacOSだけでなく、Linuxを使っている場合でもOS標準機能でアクセス可能なこともポイントの1つだ。
加えてユーザーの認証機能があり、そもそも未登録のユーザーはアクセスできない。また、登録ユーザーでもファイル/フォルダー単位で「閲覧のみ」「編集(上書き)可」といった、細かいアクセス制御を行える。
ただ、一言で「NAS」といっても、選択肢は幅広い。クリエイティブな共同作業をするためにNASを導入する場合は、とにかく高速性を優先することが望ましい。大容量のファイルを高速にアクセスすることが絶対条件になるからだ。
その一方で、オフィスの規模(端末の数)によっては、大型ボディーや超高性能CPUは必要とならないことも多い。1人1人のアクセス頻度や利用データ量は多くても、同時にアクセスする端末数は少ないからだ。
少し前置きが長くなったが、中小規模のクリエイターのコラボレーションにお勧めのNASがQNAPの「TBS-h574TX」だ。
TBS-h574TXは「NASbook」という愛称を持つコンパクトなNASキット(ストレージ別売のNAS)で、内部にSSD用ベイを5つ備えている。SSDはPCI Express 3.0接続(NVMe規格)のものに対応しており、安価で入手しやすい「M.2」インタフェースと、サーバ向けで信頼性の高い「E1.S」インタフェースの両方を利用可能だ。
HDD/SSD両対応のSSDの場合、インタフェースにSerial ATA(最大6Gbps)が採用されていることが多い。それに対して、TBS-h574TXはPCI Express 3.0 x2インタフェースを採用することで実効アクセス速度は16Gbps弱に達するため、SSDの高速性を十分に生かせる。
なお、SSDは発熱も大きい。パフォーマンスを維持する観点では、装着するSSDは「ヒートシンク付き」か、そうでなければヒートシンクを別途購入して一緒に取り付けることをお勧めする。
ネットワークインタフェースは、標準で10GbE(10GBASE-T)ポートと2.5GbE(2.5GBASE-T)ポートを1基ずつ備えている。小〜中型NASの場合、10GbE対応は別売の拡張ボードで行うことが多い中、標準装備しているモデルはそれほど多くない。オールSSD構成であることも含めて、TBS-h574TXの“速度”へのこだわりがよく分かる。
さらに、本体の正面と背面にはThunderbolt 4(USB4)ポートが1基ずつ搭載されている。Thunderbolt 3/4ポートを備えるWindows PCやMacと直結した場合、最大20Gbpsでのデータ転送が可能だ。これは一般的な内蔵SSDよりも高速で、SSDの性能をフルに生かせる速度だといえる。
Thunderbolt 4インタフェースを使うと、ネットワーク越しに接続するよりも高速にデータのやりとりができる。直結する必要があるため、Windows PCやMacを持ってTBS-h574TXの前まで来ないといけないものの、接続先はあくまでもNASなので、NASならではのデータの共有やアクセス権の制御は“有効”なので安心だ。
業務で使うNASには、保管するデータ(ファイル)に対する信頼性や安全性も求められる。その点、TBS-h574TXではしっかりと対策を行っている。
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提供:QNAP株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2024年3月12日