TBS-h574TXの背面には、HDMI出力ポートがある。これをTVやPC用ディスプレイとつなぐと、映像を直接出力できる。本製品のサイズは約215(幅)199(奥行き)×60(高さ)mmとコンパクトなので、会議室などスペースに制限がある部屋でも置き場所に困ることはない。
HDMI出力ポートからは、専用のメニュー「HD Station」が表示される。操作にはUSB接続のマウスやキーボードも使えるが、画面から離れて見ることをを前提としたUI(ユーザーインタフェース)なので、スマートフォン向けアプリ「Qremote」(Android版/iOS版)を使って操作した方が便利だ。
HD Stationからは、映像や画像、音声などを再生できる「HD Player」だけでなく、コンテンツの管理機能も備える「Video Station」「Music Station」や、「Google Chrome」「Firefox」といったWebブラウザなどにアクセスできる。
会議室などに設置しておけば、チームメンバーや取引先との打ち合わせなどにおける映像投影デバイスとしても活用可能だ。
TBS-h574TXには、CPUとしてIntel Core i5-1340PE(Pコア4基8スレッド+Eコア8基8スレッド)が搭載されている。Core i5-1340PEは、ノートPCで使われているCore i5-1340PのNAS/組み込み機器向けバージョンで、据え置きできるNASのCPUとしてはパワフルだ。また、本製品には12GBまたは16GBのメモリも搭載されている。
この性能を生かせる用途として、保存した動画ファイルのトランスコーディング(変換)が挙げられる。例えば「CAYIN MediaSign Player」を導入すれば、動画をその場でトランスコーディングできる。写真/動画管理ツールの「QuMagie」を使えば、大量の写真/動画のデータ管理も容易になる。
さらに、ファイル管理ツール「Qfiling」を活用すれば、保存した動画ファイルのトランスコーディングはもちろん、ウォーターマーク(透かし)の追加やファイル名変更、フォルダーの移動といった処理をバッチとして実行できる。負荷のかかる処理を夜間に自動実行しておくように設定しておけば、TBS-h574TXの持つリソースを有効活用可能だ。
組織でTBS-h574TXが活用されるようになると、どんどんファイルがたまってくる。すぐに目的のファイルが見つかるように、フォルダーの利用ルールを決めて運用していくことは当然だが、時としてファイルをどのフォルダーに置けばいいのか判断に迷うこともある。例えば「2024年の顧客Aに対する成果物」があったとして、それを「顧客A」フォルダーに入れればいいのか、それとも「2024年成果物」フォルダーに入れればいいのか、というようなものだ。「あとできちんと置き直そう」と思ったファイルを、一時置き場のフォルダーに置きっぱなしにしてしまい、それが常態化してしまうこともある。
これらの対策としてもっとも有効なのは、結局“検索”できるようにすることになるだろう。その点、TBS-h574TXに導入されている全文検索エンジン「Qsirch」を活用すれば、ファイル名や文書内の文字列、メタデータだけでなく、画像内の文字列まで検索対象とすることができる。例え無造作にファイルをため込んでいたとしても、非常に高速にファイルを見つけることができる。
また、Qsirchは管理画面だけでなく、WebブラウザーやWindowsの「エクスプローラー」、macOSの「Finder」と統合することも可能だ。Webやローカルファイルを検索するように、TBS-h574TX上のファイルを検索すればいいだけなので、ユーザーの学習コストも小さくできる。
ネットワークの高速化、ディスプレイの高精細化などに伴い、メディアコンテンツは高品質化、大容量化の一途をたどっている。クリエイティブ業務では、全ての工程において高速/大容量が求められているといっても過言ではない。数人〜十数人程度のSOHO/中小企業であっても、用途によってはエンタープライズクラスのサーバとストレージ(NAS)が求められる。
しかし、エンタープライズクラスのサーバとストレージは、場所を取る上に高価だったりする。そのため、クリエイティブをなりわいとするSOHO/中小企業では「オフィスの規模に見合わないサーバーとストレージを導入」か、「運用しづらいけれど、外付けストレージで我慢する」かという2択になりがちだった。
その“隙間”を埋めるNASが、TBS-h574TXだ。5ベイのオールSSD構成とすることで小さなオフィスでも導入しやすいコンパクトなボディーと、「大容量」と「高速性」の両立を実現した。さらに、さまざまな耐障害対策によって「止まらない/失われないストレージ」というエンタープライズクラスの信頼性を確保している。
QNAPがきめ細かいニーズに応えられる製品を開発できる原動力の1つとして、同社の全てNASが基本的に共通のOSで構成されているという点がある。個人/家庭用から大規模なデータセンター向けNASまで、スペックの違いこそあれど同様のアーキテクチャで展開しているからこそ、利用シーンや規模によって細かく多様なモデルを提供することができている。
共通のOSということで、家庭用でも企業用でも同じ管理画面を備えているのも強みだ。「情シス」などいない一般家庭で使うことを想定しているので、分かりやすいUIが実現されている。
製品に添付されている「QNAP簡単セットアップガイド」が、誰にでも分かりやすく書かれている点もポイントだ。Webサイトから自由に見られるので、ぜひチェックしてみてほしい。
大容量のメディアファイルの共有に困っているのなら、分かりやすくて使いやすいQNAPのNASの購入を検討してみるといいだろう。
SSDの容量単価も下がってきたとはいえ、それでもまだまだHDDのコストパフォーマンスは高い。また、ストレージ1台当たりの最大容量も大きく、数十TBの容量が必要な場合など、速度よりも容量を重視する場合にはHDDを搭載できるNASも有力な選択肢となる。
そこでお勧めしたいモデルが「TVS-h874T」だ。TVS-h874TはSerial ATA接続の2.5インチ/3.5インチストレージ(HDD/SSD)を搭載できるベイを8基備える他、SSD用のNVMe M.2スロットも2基用意している。大容量を扱うだけに、CPUはIntel Core i7プロセッサ(Pコア8基17スレッド+Eコア4基4スレッド)、メモリは32GBまたは64GBと強力なスペックだ。
TVS-h874TのNVMe M.2スロットは、2通りの使い方ができる。1つはHDDの高速なキャッシュとして使う方法で、NAS全体の容量増には寄与しないが、アクセス速度の向上を図れる。
もう1つは9/10番目のストレージとして、NASにおける高速ボリュームとして運用する方法だ。日常的な作業を行うファイルはSSDボリュームに置きつつ、容量が足りなくなってきた場合、あるいは完成した(作業が終わった)ファイルはHDDで構成したボリュームに移動する、といった運用ができる。「高速性」と「大容量」を両立できて便利だ。
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提供:QNAP株式会社
アイティメディア営業企画/制作:ITmedia PC USER 編集部/掲載内容有効期限:2024年3月12日