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インテルが“Coreマイクロアーキテクチャ”向けベンチマーク説明会を開催(2/2 ページ)

インテルは、都内において記者説明会を開催し、同社が7月にもOEMへの出荷を予定している次世代CPU“Conroe”(コンロー)をはじめとした“Coreマイクロアーキテクチャ”でのベンチマークプログラムの計測方法に関する説明会を開いた。

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インテルが提供するベンチマークの有効性には疑問の声も

 もっとも、前述のツールをインテルが配布することに意味があるのか、ということには疑問を感じなくはない。というのも、これらのツールを利用してインテルとAMD、それぞれのプラットフォームを比較することが公平な比較なのか、という問題だ。むろん、この問題は逆のパターンであるAMDが作ったベンチマークツールを使ってAMDとインテルの比較を行うときにも当てはまる。

 大前提としてあるのは、そのベンチマークが本当に公平かどうかを検査することは、利用者の側(つまりメディア側)が行うことはほぼ不可能であるという点だ。つまり、それはインテルが作ったものであろうが、AMDが作ったものであろうが、公平であるかどうかは、実際には作った人にしかわからない。

 だとすれば、作った人が信用できること、これがベンチマークが信用できるかどうかの大前提となる。このため、PC業界ではベンチマークは基本的にベンダから独立した第三者機関が作ることが古くから行われてきた。例えば、3DMarkシリーズで知られるFuturemarkは独立した企業だし、SYSmarkシリーズで知られるBAPCoは、インテルとAMDを含むPC業界各社の企業に構成されたコンソーシアムとなっている。そうしたことにより、ベンチマークが信頼できるかどうかは担保されているわけだ。

 だが、当事者が作ったものさしを利用して評価できるのかと言われれば、評価する側からすればできない相談だ。こういった問題を筆者が質問としてインテルにぶつけてみたところ、「確かに競合他社との比較に向いていないというのはその通りだ。ただ、マルチタスキング・シナリオ・ビルダーに関しては、アプリケーションの選択はテスターがするので、どちらに有利ということはないと思う。デジタルホーム能力評価ツールに関しては、新旧のインテルプラットフォームの比較などに利用してほしい」(ダンフォード氏)と述べるなど、インテルとしてもこれをAMDとの比較に利用してほしい訳ではないという意向は明確に示していた。

 とはいえ、インテルの新旧プラットフォームの比較にどれだけにニーズがあるのかと言われればやはり、インテルとAMDとの比較に比べると小さいとしか言いようがない。そうした意味では、BAPCoなり、Futuremarkなり、第三者によるツールの早期提供を望みたい。「インテルとしても働きかけていきたい」(ダンフォード氏)とのことなので、期待したいところだ。

今回のプレゼンテーションには、「Kentsfield」の開発コードネームでインテルが開発中のクアッドコアCPUが利用されていた
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