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ハイエンドのくせに低価格なニクイやつ――「HP Photosmart 3210 All-in One」(1/2 ページ)

日本ヒューレット・パッカードの複合機「HP Photosmart 3210 All-in-One」は、多彩なラインアップの中でもハイエンドに属するモデルだ。フラッグシップの「HP Photosmart 3310 All-in-One」と同じエンジンを搭載しながら、同社の直販価格で2万3940円と抜群のコストパフォーマンスを誇る。高い性能を持ちながら、手ごろな価格を実現したその秘密と実力のほどに迫った。

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ハイエンド機と同じプリントエンジンで低価格化を実現

複合機のハイエンドモデル「HP Photosmart 3210 All-in-One」

 HP Photosmart 3210 All-in-One(以下、Photosmart 3210)の魅力を一言にまとめると、安価で低ランニングコストなのに高い基本スペック、優れた使い勝手となる。フラッグシップのHP Photosmart 3310 All-in-One(以下、Photosmart 3310)と同じプリントエンジンやスキャナエンジンを搭載しながらも、直販価格で2万3940円という買いやすい価格を実現している。Photosmart 3310からFAXや自動両面印刷、無線LAN機能を省き、液晶モニタを3.6インチから2.5インチに小さくすることで、基本性能はそのままで1万8900円もコストダウンを実現している。また、Photosmart 3210も100BASE-TX/10BASE-Tの有線LANは標準サポートなので、そのままでネットワークプリンタとしても利用できる。ネットワーク接続でも、プリンタ/スキャナ/メモリカードスロットのリード/ライトを一通り使えるため、非常に便利だ。

 自動両面印刷ユニットは純正オプション(直販価格4830円)で後からでも追加でき、本機を無線LANルータの隣に設置して有線LANで接続すれば、PCからワイヤレスでプリントが可能だ。さらに、Bluetooth 2.0+EDR対応のUSBモジュール「HP bt450Bluetooth ワイヤレスプリンタアダプタ」も別売(直販価格4830円)で用意されている。ラインアップ上はPhotosmart 3310の下位となるPhotosmart 3210だが、基本的な性能と機能からして、むしろ同列と見るほうが正しい。

液晶モニタのサイズは2.5インチだが視認性はよい。一方で操作体系は3310を受け継ぐ
背面左側に有線LAN(100BASE-TX/10BASE-T対応)とPC接続用のUSB 2.0ポートを備える
4800dpi対応のCCDを内蔵し、フィルムスキャンも行なえる。フィルムガイドは天面部に格納できる

インクの無駄を徹底的になくした最新エンジンを搭載

インクの流れをコントロールするポンプで、AAMの要となるパーツだ

 Photosmart 3210の技術的なポイントは、スケーラブル・プリンティング・テクノロジー(SPT)と呼ばれる最新プリントエンジンにある。簡単にいうと、ヘッドとインクタンク、インク供給路を独立させたシステムで、3900ものノズルの搭載によって印刷速度の飛躍的な高速化を実現している。

 新開発のアクティブ・エアー・マネジメント(AAM)という技術にも注目したい。AAMは、インクタンクとインク供給路のチューブ、ヘッドにたまった気泡を、自動的に除去するクリーニング機能だ。インクジェットプリンタにおいてインク経路に発生する気泡は避けられない現象で、インクの吐出不良となって画質の低下を招いたり、ヘッドの寿命を縮める要因となる。従来はインクの吐出で気泡を排出するクリーニングを行っていたが、これに使われたインクはすべて無駄になっていた。そこでAAMでは、気泡除去で吐出されたインクをリザーブタンクに再充填する仕組みを導入した。これにより再充填されたインクは印刷に利用されるため、インクを無駄なく最大限に活用できる。

 加えて、このリザーブタンクには、最低1ページ分以上のインクが常に蓄えられている。インクタンクが空になっても、確実に1ページ分は印刷を完了できるわけだ。よって、インクが切れて印刷が中断し、用紙やインクを無駄にすることがないのもポイントだろう。

 ほかにも、静電式のドロップ検出・ノズル代替システム(NEDD)が搭載された。ノズルの状態を監視し、不良ノズルがあれば正常なノズルで代替するため、印刷結果は影響を受けない。また、不良ノズルが多くなるとクリーニングが行なわれる。このように、インクの無駄を徹底して省くという基本思想のもとに開発された最新エンジンによって、ユーザーはさまざまなメリット(高速印刷、低ランニングコスト、吐出不良の回避など)を同時に受けられるようになったわけだ。

 なお、SPTやAAM、NEDDについてのより詳細な解説は、Photosmart 3310の徹底レビューをあわせて参照してほしい。

464(横幅)×395(奥行き)×220(高さ)ミリと比較的コンパクトなボディが目を引く。前面給紙・前面排紙システムを採用するため、背面がすっきりとしているのがライバル機には見られない大きな特徴だ。

HPならではの優れたペーパーハンドリング機構

 同社の伝統である前面の給排紙システムが使いやすいのはもちろんのこと、メイン給紙トレイの上段に設けられたフォト給紙トレイとの2系統給紙が秀逸だ。フォト給紙トレイの用紙サイズはハガキまで対応し、最大20枚のL判フォト用紙やハガキをセットしておける。メイン給紙トレイは用紙サイズが最大A4まで、容量は最大100枚までサポートし、トータルの給紙容量が大きいのも本機のアドバンテージの1つだ。

 2系統給紙の便利なところは、2種類の異なる用紙を同時にセットしておき、本体のボタンやPC側のプリンタドライバで利用するトレイを使い分けられることだ。オプションの自動両面印刷ユニットを増設すれば、ハガキの宛名面と文面を1回で印刷できるなど、より快適になるだろう。

 さらに、ユーザーによる印刷設定がほとんど不要なのは特筆ものだ。本体内蔵のメディアセンサーが用紙サイズと用紙種類を自動的に判別し、用紙種類(普通紙やフォト用紙など)に応じた最適な設定で印刷する。この機能は、とくにダイレクトプリントやコピー操作の手間を大幅に簡略化してくれる。ダイレクトプリントの場合は印刷したい画像を液晶モニタで指定し、コピーの場合は原稿をセットしたのち、給紙トレイを選んでスタートボタンを押すだけだ。もちろん、ダイレクトプリント時は本体の操作ボタン、PC印刷時はプリンタドライバで、用紙関連や印刷品質などを詳細に設定することもできる。

印刷のたびに背面へ給紙する必要がある他社製品に比べ、本機の前面給排紙システムは扱いやすい。上下2つの給紙トレイを備え、簡単に使い分けられる
別売の自動両面印刷ユニット(直販価格4830円)を追加すれば、フラッグシップ機のPhotosmart 3310と同等の自動両面印刷が可能になる。装着は簡単に行なえる
フォトシートによる手軽なフォトプリントは、複合機の元祖HPが初めて採用したものだ。内蔵センサーで用紙サイズを自動的に判別してくれるのも秀逸である


提供:日本ヒューレット・パッカード株式会社
制作:ITmedia +D 編集部/掲載内容有効期限:2006年7月25日

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