“本家”もHD再生に対応――挑戦者「Movie Tank III」を試す:メディアプレイヤーキット検証 その3(2/3 ページ)
挑戦者ブランドからHD再生に対応したメディアプレイヤーキットが登場した。先に取り上げた「MOVIE COWBOY」に先行を許したかたちだが、“後出し”だけに完成度は高い。
改善の進んだ操作性とフル日本語表記のリモコン
基本的な操作性は旧モデルとほぼ共通だ。トップメニューから、再生するメディアタイプ/ドライブ(複数ドライブが存在する場合)/フォルダと階層をたどっていき、ファイル一覧から再生したいファイル選択すればよい。リモコン操作であれば選択中のフォルダを変更せずにメディアタイプを変更できるので、音楽再生するつもりで操作をしていたのに、メディアタイプが「Video」だった、といった場合でもフォルダの選択操作をやり直さずにすむ。ファイル一覧上でのフォーカスの移動などは“俊敏”というレベルではないものの、「前へ」「次へ」ボタンで手早くページスクロールができ、「最初へ」「最後へ」ボタンでフォルダ内の先頭、末尾に移動できるなど、操作していてストレスを感じることは少ない。
旧モデルでは便利なようで不便に感じられた、「再生」ボタンを押すとフォルダ内先頭ファイルからの連続再生、という動作はなくなり、「決定」「再生」ともに選択中ファイルからの連続再生と、操作は分かりやすくなった。ただし静止画再生だけは「再生」ボタンを押した場合のみ自動連続再生(スライドショー)となり、「決定」ボタンを押した場合には前後のファイルへの移動は「前へ」「次へ」ボタンで操作することになる(もっとも、どちらの場合でも選択中のファイルから再生されることに違いはない)。静止画再生に限ればこの使い分けは有効と思われるので、旧モデルの便利な部分だけをしっかりと残した印象だ。
一方、新機能としてブックマークと自動レジューム機能が追加された。ブックマークは、再生中にリモコンの「ブックマーク」を押すことで映像/音声の再生位置をそれぞれ最大5カ所登録できる。自動レジューム機能は、電源オン時に最後に再生したファイルから自動再生が行なうというものだ(有効/無効の設定が可能)。試用機ではなぜか動画ファイルでしか有効でなかったのが気になるが、もしこれが正式な仕様だとするならばぜひ音楽ファイルでも機能するように改善を望みたい。音楽再生利用でこそ意味の大きな機能ではないだろうか。
液晶ディスプレイを利用しての本体操作は、旧モデルのインタフェースをほぼ継承している。すべて操作が可能なわけではないが、任意のファイルを選択して再生、という基本操作は、TVに出力せずとも不便なく行なえる。一方、リモコンは形状やボタン数こそ変更はないが、表記のほとんどが日本語に変わり、従来モデルのものよりも分かりやすくなった。ワンプッシュでフォルダ内でのランダム/リピート再生の切り替えが可能な点も音楽再生を頻繁に利用するユーザーには便利だ。
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