これで“買わない理由”がなくなった――最新「MacBook」徹底レビュー:Windowsユーザー必見(4/4 ページ)
MacBook '06年秋モデルのメッセージは単純明快だ。「最高のバリューと可能性を提供するマシン」は、Macユーザーだけでなく、多くのWindowsユーザーをも魅了するだろう。
見えない細部にまでこだわるプロダクトデザイン
MacBookの究極にシンプルなデザインは、見た目をはるかにしのぐデザイン的工夫によって実現している。例えばMacBookは、初代iBook同様のラッチレス構造を採用している。どこを探しても開閉ボタンやレバーの類いがないのだ。
本体の手前にあるくぼみに親指を入れ、液晶部を押し上げると本体が開く。作業が終わって液晶部分を閉じるとき、あるところまでくると、あとは自動的にピタっと閉じてくれる。この魔法のように便利な機構は、磁石という素材をうまく活用することで実現している。MacBookの液晶の上側左右にマグネットが埋め込まれ、閉じた状態のときはこのマグネットの吸引力で固定されているのだ。このため、誤って液晶パネルがパカパカ開いてしまうようなこともない。
磁石といえばもう1つ、本体左側面に用意されたACアダプタ用のコネクタMagSafeも磁石を使用している。
頻繁に持ち歩くノートPCでは、据え置き型と比べて、電源ケーブルを雑にはわせたまま使うことも多い。そんな形で作業をしていると、近くを通りかかった人がケーブルに足をひっかけてしまうことがある。そうすると最悪の場合、本体を机から下に落としてしまうことにもなりかねないが、MagSafeならこうした時に、コネクタを損傷することなく本体からはずれて事故を未然防いでくれる。
MacBookやMacBook Proには、こうしたなんでもないようなところまで細かな工夫が行き届いているのだ。また、事故対策といえば、HDDにも緊急モーションセンサーがついている。万が一、本体を落下させてしまうようなことがあっても、そうした急な動きを察知して、HDDのヘッドを退避させてくれるため、ディスクを傷つけてしまう可能性が低い。
最近ではこのモーションセンサーをハックしたおもしろいプログラムもいくつか登場している。例えばSeisMacはMacを地震計に変えるソフトだ。MacSaborは、MacBook本体をライトセーバーに変えるソフトで、MacBookを振り回すと、それにあわせて映画スターウォーズのライトセーバーの音がする。
購入をためらう理由はないはず
MacBook(そしてMac)が持つ本当の良さは、スペックシートからは分からないことが多い。一見何でもなさそうなシンプルを極めた本体のいたるところに最善を尽くした痕跡がある。そして使い込むうちに、そうした作りのすごさやありがたみが伝わってくる。これこそがアップル製品の特徴だ。これに加え、iTunes、iPhoto、iMovie HD、GarageBand、iDVD、iWebといったアップル自慢のデジタルライフソフト「iLife '06」もはじめから満喫できる。
MacBookシリーズは、この良さを13万9800円から体感できるマシンだ。これまで購入をためらう理由となっていたやや古いCPU(Core Duo)も、今回のアップデートでCore 2 Duoにアップグレードされたし、HDDもApple Storeで買えば200Gバイトのものを選ぶことができる(保証外になるが、MacBookはディスクの取り外し、付け替えも簡単だ)。メモリは標準で1Gバイトになり、Parallelsを使ってWindowsを動かすのにも十分な容量となった。
最新MacBookは、MacBookがいいマシンだと認めつつも、なんとか購入を制止させていた最後の理由を取っ払ってしまった、極めて強い魅力を持つマシンだといえそうだ。
関連記事
- MacBookはCore 2 Duo搭載の最強バリューノートか
新しいMacBookで最も驚かされたのはその価格。Core 2 Duoをはじめとする大幅なスペックアップを果たしながら、前モデルとほぼ同じ価格帯なのだ。プロダクトマーケティングディレクターの服部 浩氏に話を聞いた。 - アップルストア銀座で2代目「MacBook」が出荷開始
Core 2 Duo搭載MacBookの発表から一夜明けた11月9日、アップルストア銀座店ではすでに同製品の販売が開始されている。 - MacBookもCore 2 Duoへ――最大25%高速化
アップルがMacBookの新モデルを発表した。全モデルにCore 2 Duoを搭載し、処理性能を最大25%高速化する一方で、価格は13万9800円〜に抑えられている。 - 最新「MacBook Pro」の本当の意味
アップルが満を持して発表した新「MacBook Pro」。性能が少し上がっただけ? 外観は同じ? そうではない。むしろこのマシンは同社のマイルストーンとも言うべき存在になるだろう。 - 「日本人にこそ分かってほしい」 新MacBook Proの魅力
新型「MacBook Pro」について服部 浩氏に話を聞いた。スペック面の変更が強調されがちだが、実はデザインもこっそりと……。 - MacBook Proが待望のCore 2 Duoに
アップルコンピュータがMacBook Proの新ラインアップを発表した。CPUがCore 2 Duoに刷新され、処理性能が最大で39%高速化している。 - Core 2 Duo搭載でiMacが1.5倍高速化――24インチモデルも
アップルコンピュータがCore 2 Duoを搭載した新iMacのラインアップを発表、即日出荷を開始した。全4モデルに拡充され、24インチモデルも登場している。 - MacBook“KURO”でWindows Vista β2を走らせた
Windows Vista Ultimateのβ2プログラムの一般公開が始まった。物は試しということで、まずはMacBookにインストールした。 - MacBookと暮らした1週間――白黒MacBook徹底レビュー
MacBookと暮らす間に、気付き、考え、感じたことをリポートする。 - 「黒いのは高いだって? それはスペシャルだからさ」――MacBookインタビュー
本日より販売が開始されている「MacBook」について、来日したApple Computerの幹部David Moody(デビッド・ムーディ)氏に話を聞いた。 - アップル、“新MacBook Pro”対応のBootCamp 1.1.2βをリリース
アップルは、「Boot Camp」の最新β版となる「BootCamp 1.1.2β」を公開した。最新モデルのMacBook Proに対応したほか、インタフェース回りを改善した。 - Boot Camp 1.1βはどこまで鍛えられたのか
8月に公開されたBoot Campの新βだが、実際にはどこが変わり、どのMacユーザーに朗報をもたらしたのか、具体的に見ていこう。( - Mac OS Xで作業しながらGyaOを見る、は本当か?――「Parallels Workstation」を検証する
Mac OS XとWindows XPの同時利用を“実用的な”速度で実現できるのであれば、デュアルブートになる「Boot Camp」より使い勝手はいいはず。さっそくこれを試してみた。 - ショック……Boot Campで分かった「Windows XP vs Mac OS X」対決の衝撃的な結末とは?
Apple純正の「Boot Camp」でWindows XPが走るようになったIntel Mac。前回使った1.83GHz Intel Core Duo搭載の17インチiMac(MA199J/A)で、さらにいくつか実験をしてみた。 - もうみんなMacを買えばいいと思う――Apple純正「Boot Camp」をさっそく試した
Apple ComputerからIntel MacでWindows XPの起動を可能にする「Boot Camp」のβ版が突如として発表された。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.