ビデオキャプチャカードもHDの時代へ――カノープス「HDRECS」の実力は?:HDMIからフルHD録画が可能(3/3 ページ)
カノープスの「HDRECS」はHDMIを搭載したHDビデオキャプチャカード。1920×1080ドット/60iでの録画に対応したマニア待望の一品を早速チェックした。
PCやゲームの画面を高解像度で記録するのに便利
HDRECSの用途を改めて考えてみると、まず思いつくのは、PCソフトウェアのチュートリアルビデオや、HD出力に対応したゲームのプレイデモなどを作成する場合だ。とくに前者は、ソフトウェアだけでキャプチャを行なう製品も以前から存在するが、それらに比べて、PCの性能や負荷の状態にあまり依存せず、安定してキャプチャできるのが魅力となる。実際、今回試用したPCでパフォーマンスに不満を感じることはなかった。オーバーレイ出力の画面を高解像度で手軽に取り込めるというだけでも便利に感じるユーザーは少なくないはずだ。
HDMI経由でPCとHDビデオカメラを直結する使い方では、とくにAVCHD形式の場合、ビデオカメラで撮影したメディアをPCにセットした方がすばやくデータを取り込めるため、撮影後のキャプチャに使うのはあまり意味がない。それよりも、ビデオカメラを撮影モードに切り替えて、HDRECS経由でPCに録画すれば、ビデオカメラでテープやメディアに記録する場合よりも高画質な映像が得られるというメリットがある。屋内での行事などをHD画質で記録しておくのに役立つだろう。とくに、編集時に合成などの微細な加工を予定している場合は、少しでも圧縮ノイズの少ない映像が望ましい。
そのほか、スケジュール録画機能を活用し、長期かつ高画質でのインターバル撮影が可能な機材として、定点観測などに使うのもおもしろい。同社の業務用ビデオ編集カード「VELXUS」シリーズではキャプチャすることができないHDコンポーネントビデオの映像を入力可能な点で、HDRECSに魅力を感じる業務用途のユーザーもいると思われる。
HDRECSは、10万円近い価格設定に多くのユーザーが二の足を踏むかもしれないが、HDキャプチャに対応した待望の製品であることは確かだ。HDRECSのみの独自コーデックではなく、Canopus HQ Codecで録画するため、とくにEDIUSのユーザーにとっては録画後、すぐに編集できることが強力な訴求ポイントになる。工夫次第でさまざまなソースを入力できる可能性があるHDRECSだが、著作権を侵害することのないように配慮したうえで、HDでのキャプチャを存分に楽しんでほしい。
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