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DDR3への移行はいつ?──IDF 2007で読む「メモリ」「ワイヤレス」のトレンドIntel Developer Forum 2007(1/2 ページ)

大きなインパクトはないものの、細かいアップデート情報で今後のトレンドが把握できた今回のIDF。最後のリポートでは展示会場を中心に紹介したい。

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DDR2からDDR3へ、メモリ移行のタイミングを読む

 IDF 2007の展示会場で目立っていたものの1つに、次世代メモリが挙げられる。市場における主流は依然として「DDR2」だが、それでも、DDR3メモリは市場における流通量を増やしつつある。また、Intelの最新チップセット「Intel 3」シリーズが登場したことで、マザーボードベンダーからもDDR3対応製品が登場している。

 スペックだけでDDR3とDDR2を比べるならば、動作クロックは2倍に達し、動作電圧は1.8ボルトから1.5ボルトと低くなったDDR3だが、このようなメリットがある一方で、従来品に比べてコストが高く、チャネルあたりのDIMM搭載数の制限によってモジュール全体のメモリ容量を増やせないといった問題もあり、DDR2からDDR3への移行が簡単に進まないという事情がある。

 IDF 2007の展示会場でも、多くのメモリベンダーがDDR3のプロモーションに力を入れていた。しかし、製品と対応するチップセットがあるにもかかわらず、積極的に移行する理由が見つからないため、多くのユーザーがその導入に二の足を踏んでいる印象がある。デスクトップPCでは、搭載容量と速度面でDDR2と差が大きく開き始める2009年まで移行が進まないという意見も聞こえてくる。

 一方で、早く移行が進みそうなのがノートPCだ。展示会場ではDDR2-800とDDR3-800を組み込んだ2つのノートPCで同じワークロードを実行させ、DDR3ノートPCで消費電力が少ないことを示すデモが紹介されていた。展示パネルによれば、DDR3ノートPCは、TDPの比較でDDR2ノートPCより25%少なくなっているなど、ノートPCへの組み込みに関してアドバンテージを有しているといえる。ノートPCでは、2008年に登場する予定のMontevinaでDDR3がサポートされるようになるため、この時期から順次移行が進むものと見られている。特にノートPCでは消費電力に関してDDR3を導入するメリットが大きいため、デスクトップPCやサーバよりも、移行が早く進む可能性がある。

展示ホールのメモリブースには、「Walk of Fame」(“名誉の歩道”ハリウッドにある有名人の碑を集めた歩道)ならぬ「Wall of DIMMs」が設けられていた
ノートPCプラットフォームでDDR2とDDR3を比較。低消費電力のDDR3はノートPCでそのメリットが生きてくる

USB 3.0は5ピン追加で速度がアップ

 すでにリポートしたように、Intelなど数社が集まって「USB 3.0 Promoter Group」の設立を発表しており、USB 2.0の10倍という転送速度を実現するUSB 3.0規格の仕様策定が進められている。仕様の決定は2008年前半になるとみられ、銅線、そして光ファイバーといった2つの伝送媒体を想定した内容でFIXするとみられている。

 IDF 2007では、このUSB 3.0で採用されるコネクタを模したサンプルが展示されていた。USB 3.0のコネクタは形状こそUSB 2.0やUSB 1.1と同じで下位互換性があるものの、USB 3.0に対応した機器をつないだ状態では、USB 3.0で新たに追加される5つのピンを利用してより高速な通信が可能になる。この5つのピンはコネクタの最奥に配置され、非対応機器に接続しても影響しないようになっている。USB 3.0 Promoter Groupによれば、「ピンの新規追加による転送レートの向上と転送プロトコルの見直しで単位時間あたりの転送データ量を増やす」ことを目指しているそうだ。

 USB 3.0が登場した当初は、銅線を利用した製品のみが出荷されることになるが、最終的には、高速なデータ転送を可能にする光ファイバーを採用することが検討されている。光ファイバーの採用においては、伝送速度の向上以外に到達距離の延長などのメリットも期待されている。だが、「マウスの接続に光ファイバーを使う人間はいないだろう」というように、こうした光ファイバーを利用する機器は高速通信を必要とするごく限られたものになりそうだ。展示会場での説明によれば、「既存のUSB 2.0をリプレイスするものでもない」という意見も聞かれている。

USB 3.0対応コネクタのサンプル。端子の奥に5つの追加ピンが見える
新規に追加された5ピンは、受け側のコネクタを見ればすぐに判別できる

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