Vista、というより、クアッドコア元年だった2007年:2007年アキバ総括 PCパーツ編(4/4 ページ)
Windows Vistaの発売で幕を開けた2007年。1年間のPCパーツ事情を、OS、CPU、チップセット、グラフィックスカードの順に振り返る。
「ゲームはNVIDIA、AV表示はAMD」――グラフィックスカードにすみ分けが生まれる?
グラフィックスカードは、2007年後半からにわかにシェア争いが白熱した。
NVIDIAが優位な情勢の中、AMDは新世代の「RADEON HD 2000」シリーズを発表。5月に最上位の「RADEON HD 2900 XT」搭載カードが登場した。ハイエンドクラスで大ブレイクとはいかなかったが、6月から7月にかけて出回り始めたミドルレンジ以下の「RADEON HD 2600/2400」シリーズが、PCでAVコンテンツを親しむ層に受けてロングヒットモデルに。
RADEON HD 2400/2600はGPUのみでHDコンテンツを処理できるUVD機能を搭載しており、「ゲームならNVIDIAがお勧めですが、AV用途に使うならRADEONですね」(クレバリー1号店)といった評価を定着させた。
その流れは、11月に投入されたPCI Express 2.0対応の「RADEON HD 3800」シリーズにも受け継がれている。一方で、ハイエンドクラスの不在を嘆く声も複数のショップで聞かれた。「RADEONユーザーは忍耐強いですから、いまでもハイエンドを待っている人がいると思います。GeForce 8800 GTXに対抗できるGPUが早く登場するといいんですが…」(某店員さん)という。
NVIDIAは、10月に発表したG92世代の新GPU「GeForce 8800 GT」が大ヒットを記録。1カ月以上も「仕入れれば、即売り切れるような状態」(高速電脳)が続いた。リファレンスデザインは1スロット占有の薄型クーラーを搭載しており、排熱に不安を覚えるユーザーが多かったが、11月には各メーカー独自の大型クーラーが搭載されるようになり、再び人気を集めた。
また、12月中旬にはG92世代の新しい「GeForce 8800 GTS」搭載カードが登場。PCI Express 2.0に対応したほか、製造プロセスも62ナノメートルに縮小されている。8800 GTの上位モデルにあたり、搭載カードの価格は5万円前後。「ハイエンドモデルとしては安いですが、GeForce 8800 GTXに匹敵する性能を持っています」(T-ZONE.PC DIY SHOP)とのことで、ゲーマーを中心にこちらもヒットを飛ばしている。
Core 2 QuadやGeForce 8800 GTS、RADEON HD 3870など、2007年は年末まで人気が継続する主要パーツが多かった。
あるショップは「年末は特価キャンペーンで盛り上がるのが恒例でしたが、今年はそんな必要もないほど魅力的なアイテムがそろっています。この流れが来年に続けば最高ですね」と語り、一年を締めくくった。
関連記事
- “鏡音さん”の入荷に複雑な表情を浮かべるショップ店員
「Phenom 9600 Black Edition」や「鏡音リン・レン」など、年内発売予定の有名どころがすべて登場しきった今週のアキバ。すでに年始に向けた準備も始まっている。 - 「みっくみく」にされた今年最後のインテル秋葉原イベント
クリスマス直前の3連休にインテルが「Intel in Akiba 2007 Winter 〜最新テクノロジーに触れるクリスマス!〜」を開催。初音ミクの声を担当する声優・藤田咲さんがゲストに招かれた。 - 「超オススメ」の3-way SLIは「50万円の予算があるならねー」
3-way SLI対応マザーが登場し、話題を集めている。一方、Phenomに早くも価格改定の動きがあり、アキバショップの店員さんは複雑な表情を浮かべていた。( - “中途半端な価格帯”でも「新しい88GTS」が売れる理由
新型コアを採用したNVIDIAの「GeForce 8800 GTS」搭載カードが各社から発売されている。売り切れ多発の好調な滑り出しだが、どんな人々が買っているのだろうか? - アキバに10万円超のパーツが続々、ボーナスの使い道は?
GeForce 8800 GTとRADEON HD 3780の人気が過熱する中、アキバのショップでは10万円を超えるパーツの入荷や再入荷も増えている。すでにボーナスシーズンに突入しているのだ。 - インテルとAMDが年末商戦に向けて布陣した11月
Phenomに代表されるAMDの次世代プラットフォーム「Spider」のラインアップが一気にそろい、インテルからは現行最速と評価も高い「Core 2 Extreme QX9650」が投入されるなど、11月は自作ユーザーを沸かせる材料が多かった。 - AMDからのクリスマスプレゼント──「Phenom 9600 Black Edition」で遊ぶ
恥ずかしながら、これが“初Phenom”なんですよ。え、あなたさんも、おたくさんも、そちらさんもですか。なーんだ、みんな、そうなんだー。 - 「AMDさん、勘弁して……」 Phenom 9600登場も買い控えムード!?
先週に引き続いてPhenomの上位モデルが登場。ただし手を出すユーザーは少ない様子だ。その理由をAMDの“売り方”にあると指摘するいくつかのショップから、大きなため息が漏れた。 - Phenom 9500がアキバに登場――「でも、CPUよりマザーが足りねぇぇ」
AMDの新CPU「Phenom」がついに登場。11月22日午前11時の発売解禁の瞬間には、プライベートで訪れた“兄貴”の姿もあった。 - “ネイティブ”は“ネイティブ?”に勝るか──Phenom出荷直前レビュー
19日に発表されたAMDのクアッドコアCPU「Phenom」がいよいよ出荷される。この記事を読んで、会社の昼休みにショップに駆けつけるかどうかは「自由だぁぁぁぁっ!」 - 3-way NVIDIA SLIを「nForce 780i SLI」と「nForce 680i SLI」で比べる
すでに、3-way NVIDIA SLIの性能データがいろいろと報道されているが、「3つのPCI Express x16」と「2つのPCI Express+PCI Express x4」の違いはどの程度なのか。「nForce 200」の影響とともに検証する。 - こいつは意外と使えるかも──実売2万円台半ばに落ち着いてきた「Radeon HD 3850」を試す
GeForce 8800 GTという“とんでもない”GPUのおかげで、なんとなく地味な印象のRadeon HD 3800シリーズ。だが、“ボリュームゾーン”の価格帯でRadeon HD 3850が「イケテル」らしい。 - 「トータルならAMD」――SpiderイベントでPhenomの最新ロードマップを公開
勤労感謝の日にAMDの最新プラットフォーム「Spider」を紹介するイベントがアキバで開催。「直線番長なら他社、トータルならAMD」と、競合“I社”に言及する場面も。 - これはバランスのいい“ハイエンド”GPU──「Radeon HD 3870」ゲームベンチレビュー
RV670と呼ばれてきたAMDの新世代GPUが登場した。先に登場したGeForce 8800 GTと同じく、絶対性能ではなく費用対効果でユーザーに訴求するモデルだが、その狙いはうまくいったのだろうか。 - 「Phenom」のロゴが光る「AMD 790FX」マザーが登場――CPUも11月中?
AM2+プラットフォームに対応するAMD 790FXを搭載したマザーが、アキバのショップに入荷。そのパッケージのロゴになっている「Phenom」も近日登場するという噂が広がっている。 - “ネイティブ?”と挑発するクアッドコア「Phenom」登場
AMDは「真のクアッドコア」CPUと、新世代チップセットの「AMD 7シリーズ」を発表。これらと先日登場した最新GPUで構成される新しいプラットフォーム「Spider」を立ち上げた。 - Phenom「もうすぐ」はじめます──秋葉原にPhenomポスターが出現
よく晴れた11月12日、次の日は米国時間の11月12日という、月曜日のお昼どきに秋葉原である異変が起きた。 - 「Phenomが年内に間に合わなかったら丸坊主に」兄貴が宣言
今週末、AMDがAthlon 64 X2 Black Editionの店頭イベントを決行。また、同じ時間にNVIDIAはSLIマシンを使ったゲーム大会を開催していた。 - AMD、「コアが3つ」のPhenomを追加
Phenomのラインアップはクアッドコアの「Phenom X4」とデュアルコアの「Phenom X2」が予定されていたが、そこに「奇数コア」モデルが急きょ加わった。 - Analyst DayでチェックするAMDの最新ロードマップ
7月27日、AMDはTechnology Analyst Dayを開催し、将来の製品計画の概要に関する情報を公開した。ここではその中から、今後登場する主要なプラットフォームの情報を紹介する。 - 「Phenom X4は年内に必ず出します」――静かに火花を散らすAMDとインテル
アキバでAMDとMSIがイベントを開催。MSIのゲストに呼ばれた“神様”がAMDの会場を視察し、にこやかに火花が散る場面も。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.