Antec、電源ユニットの先進技術を日本でアピール:2008年は電源ユニットもがんばります
Antecは、4月18日に同社の電源ユニット製品を日本の関係者に紹介する説明会を行い、「PCケースだけじゃないAntec」をアピールした。
説明会では、最上位モデルが発表された「EarthWatts」シリーズや2008 International CESにあわせて発表した「The Signature」シリーズの特徴を取り上げながら、理想的な電源ユニットに求められる要素を紹介した。
「良い電源」に求められる条件として、Antecは以下の項目を掲げている。
- 十分な電力を供給すること
- 静音であること
- 高効率で省エネであること
- (供給)電圧が安定していること
- 相性問題がないこと
- (製品の)寿命が長いこと
- 業界をリードする電源技術の開発(を進めること)
「十分な電力を供給する」の条件では、環境温度にも言及し、正常動作の条件として一般的な民生用電源が摂氏25度であるのに対して、Antecでは摂氏40度から50度の範囲であっても、搭載している部品が安全基準温度を超えないことを求めている。
電源ユニットで静音を実現する工夫では、以下の条件が挙げられた
- 温度センサーによる自動制御
- 内部に大型のヒートシンクを搭載
- 高品質、高効率コンポーネントの採用
- 電源ユニットとそれを搭載するPCケースとの組み合わせにおいてエアフローを最適化する
The Signatureでは、ファンの回転制御にパルス振幅変調技術を採用している。そのため、最大回転数の10〜15%まで最低回転数を下げることができ(通常のファンでは最大回転数の40%までしか下げられないとAntecは説明している)、The Signatureは、最大で4000rpm、最小で400rpmという回転数を可能にしている。
また、安定した供給電圧を実現するために、5ボルト、12ボルト、3.3ボルトの出力制御を独立して行い、それぞれの電力供給系統の負荷変動がほかの電圧供給に影響しないようにするほか、5ボルトと3.3ボルトの変圧ために専用のVRMモジュールを搭載しているほか、2層基板構造を採用して、基板の実装密度を下げ、それによって電源ユニット内部のエアフローを向上させて動作時の温度を下げる工夫を施している。高熱負荷が内部のチップに負担をかけて故障させる要因となることが多いため、こういう工夫も製品寿命を延ばすことに貢献するわけだ。
今回、紹介されたThe Signatureは、2007年11月に試作機が世界で最初に日本で紹介され、先ほど述べたように2008年1月の2008 International CESで正式に発表されたが、出荷はまだ始まっていない。今回、来日したAntecのワールドワイドセールス・マーケティング担当副社長スコット・リチャーズ氏は、発売時期について「5月の頭を予定している」とまもなく出荷されることを明らかにした。
リチャーズ氏は「PCケースベンダーとして知られているAntecだが、2008年は電源ユニットの知名度も上げていく」と述べているように、これから、同社の電源ユニットプロモーションを日本で積極的に展開していく予定だ。その活動の1つとして、4月19日に、秋葉原にあるAntecショールームで、4月1日から行われていた春のキャンペーンのキャッシュバックが行われる。4月1日から4月19日までに購入したAntec製電源ユニットのレシートを持ってAntecショールームにいくと、製品よって2000〜4000円のキャッシュバックが受け取れるほか、くじ引きイベントでThe Signatureの引換券(3名)などの賞品が当たるチャンスもある。また、リチャーズ氏もショールームで「日本のエンドユーザーにAntecの電源ユニットをアピールする」予定だ。
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