「AMD 790GX」でAMDプラットフォームの頂上を目指す:イマドキのイタモノ(2/2 ページ)
現在、Phenomの最上位モデルは先日発表されたPhenom X4 9950 Black Editionだ。この最速PhenomとAMDの最新鋭チップセットを組み合わせた「最高のAMD」を体感する。
AMD 790FXとPhenom 9900に負けない実力を発揮
Phenom X4 9950 Black Editonは、2.6GHzという現時点におけるPhenomシリーズの中で最高の動作クロックを実現しており、ほぼすべての結果でほかのAMD製CPUが出した結果を超えている。なお、今回は掲載していないが、以前レビューしたAMD 790FX+Phenom 9900 ES(2.6GHz)と比較しても、Phenom X4 9950 Black EditonとAMD 790GXの組み合わせはほとんど同じ結果を出している。そうした意味では、4つのPCI Express x16スロットを必要としないユーザーは、AMD 790GXを選択すれば十分といえるだろう。
初期投資を抑えて将来への夢を残したい
このように、AMD 790GXは、AMD 780Gに統合されたグラフィックスコアの性能を向上させ、さらにAMD 790FXに匹敵する性能を可能にしたことが、ベンチマークテストの結果からも示された。まずは内蔵グラフィックスコアを利用し、将来はRadeon HD 4800シリーズによるCorssFire構成にステップアップしたいというユーザーの要求に十分応えるものとなっている。
そして、AMDのクアッドコアであるPhenom X4シリーズは、ハイエンドのPhenom X4 9950 Black Editionでさえ3万円弱と低価格で実売されている(モデルによっては2万円を切るものもある)。エンコードや動画の再生など、マルチスレッドに対応したアプリケーションを利用する機会が多いユーザーであれば、コストメリットは非常に大きいと言えるのではないだろうか。
AMD 790GXとPhenom X4の組み合わせは、統合されたグラフィックスコアとクアッドコアであるPhenom X4で低価格、かつ、ハイパフォーマンスのHDコンテンツプレーヤーPCを作りたいユーザーや、将来的にCrossFireの構築を可能にするアップグレードパスを確保しておきたいが、とりあえずは安価にマシンを作りたいユーザーにとって、有力な検討候補とするだけの価値を持っているといえるだろう。
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