今あえてNECが放つ硬派なマイクロタワー「VALUESTAR GタイプM」「タイプR Luiモデル」 (2/2 ページ)
NECはこの秋冬モデルでマイクロタワーPCを投入しているが、直販サイトのNEC Directに用意されたモデル「VALUESTAR GタイプM」および同マシンをベースに「PCオンデマンド機能(遠隔操作機能)」も付加した「タイプR Luiモデル」なら、さらに高性能かつ高機能なモデルを選択できる。さっそくその実力を見ていこう。
パフォーマンス、静音性、冷却性能の高いバランスが魅力
それではまず、本機のデスクトップPCとしてのパフォーマンスをチェックしていこう。今回評価に使ったのは、Core 2 Quad Q9400(2.66GHz)、2Gバイトメモリ、500GバイトHDDの構成だ。グラフィックスカードは標準装備のGeForce 8400 GSで、強力なほかのスペックに比べると唯一“軟弱”な点とも言えるが、マイクロタワーの筐体はメンテナンス性が高いので、さらなるパフォーマンスを求めるのであれば、好みのグラフィックスカードに差し替えてしまってもいいだろう。
Windows エクスペリエンス インデックスは、Windows Aeroのデスクトップパフォーマンスのサブスコアが3.5となっているものの、プロセッサ、メモリ、HDDの3項目は5.9の満点となった。当然ながらデスクトップ表示がもたつくようなことはいっさいなく、OSやアプリケーションの起動も含めて、非常にキビキビと動作してくれる。その体感速度を証明するかのように、PCMark05のPCMarksは6955と、7000に迫るスコアを叩き出した。
3Dグラフィックスに関しては、3DMark06は標準設定で1635と特筆すべきスコアではないが、FFベンチでは低解像度で8354、高解像度で5214を記録した。定番の3DオンラインゲームやRPGを楽しむ程度であれば必要十分な性能と言える。
性能と拡張性以外では、静音性と冷却性能にも着目したい。本機はCPUクーラーにクーラーマスター製のものを採用し、背面に9センチファンを装備している。ごく一般的な冷却システムと言えるが、実際に試用して気付くのは、負荷の高いベンチマーク実行時などでも動作音は非常に低いということだ。
だからといって、冷却性能に無理があるということでもないようだ。25度前後の室内において、アイドル時のCPUコアの温度は25度前後、マルチスレッドに対応したベンチマーク実行時のピークでも、最も高くて48度と冷却性能は十分に確保されている。GPU温度も最大で10度程度の上昇にとどまっており、HDDの温度もほんのり暖かい程度だ。発熱の小さな最新CPUやHDDを採用しているといった点もあるだろうが、ケース内のエアフローやファンの風量などがしっかりと計算されているのだと感じた。この安定性はメーカー製PCならではだろう。CPU高負荷時でも冷却ファンの音約30デシベル(メーカー公表値)のメリットは確かに実感できる。
一方、VALUESTAR G タイプR Luiモデル マイクロタワーを検討しているユーザーは、PCオンデマンド(リモートサーバ機能)として動作する際のパフォーマンスの変化が気になるかもしれない。しかしこの点についてはまったく心配する必要はない。「Lui」のリモートサーバ機能はほとんどがPCI拡張カードとして組み込まれている「PCリモーターサーバボード」で実現されており、PCとしてのパフォーマンスへの影響は皆無に近い。例えば動画再生時でも、本機を直接利用している場合と専用クライアントであるPCリモーターでリモート操作している場合でもCPU使用率にほとんど変化はないのだ。
高い基本性能と拡張性、そして先進の機能――“自作派”も納得のマイクロタワーPC
今回は、NECが久々に放つマイクロタワーPC「VALUESTAR GタイプM」「VALUESTAR G タイプR Luiモデル」の基本性能を見てきたが、ベンチマークテストの結果でも十分以上の実力を持つことが確認できた。将来的な拡張性までも考慮し、あえてマイクロタワー筐体を採用する大手メーカー製のPCは、今ではほとんど皆無に近く、信頼性の面からこの手のメーカー製PCを求めるユーザーに対しては、選択肢がなくなっていたのは事実だ。
さらにVALUESTAR G タイプMにPCオンデマンド機能を追加したVALUESTAR G タイプR Luiモデル マイクロタワーなら、高い性能と拡張性に加えて、自宅のクアッドコアマシンを遠隔操作したり、手元のデジカメのデータを転送したりと、新しい活用法を実現できる。これらの特徴は、今まで自作PC派だった層に対しても十分魅力的に映るはずだ。
次回はVALUESTAR GタイプR Luiモデルならではの付加価値「PCオンデマンド機能(=遠隔操作機能)」を中心に見ていこう。
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