東芝と富士通は2月17日、東芝が富士通のHDD事業を取得することで基本合意したと発表した。今年4〜6月までに譲渡を完了する見込み。東芝は富士通のエンタープライズ向け技術などを活用し、2015年にHDD市場シェア20%以上の獲得を目指す。
東芝が取得するのは、HDDヘッドとHDDメディア事業を除く富士通のHDD事業。富士通のHDD事業の開発・製造・販売部門と、フィリピンとタイのHDD製造拠点、富士通研究所のHDD技術開発部門などが含まれる。
譲渡対象の事業を今後設立する新会社に移管した上で、東芝が新会社株式の約80%を取得して傘下に置く。富士通は20%未満の株式を保有するが、一定期間後に東芝が完全子会社化する計画だ。
東芝は強みを持つ小型HDDに加え、富士通のサーバ・ストレージ向け製品を統合することでシェア拡大を目指す。特に東芝のNANDフラッシュメモリと富士通のエンタープライズ向け技術を組み合わせ、サーバ向け高性能SSDの開発を進める。
富士通はHDDメディア事業を昭和電工に譲渡することでも合意した。既にHDDヘッド事業の終了を発表しており、富士通はHDD関連事業から完全撤退する。
富士通は2009年3月期にHDD事業譲渡に伴う特別損失を計上する見通し。同期の業績予想を修正し、最終損益は前回予想から300億円悪化して500億円の赤字になる見込み。
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