WiMAXを内蔵した「VAIO type P」、速度と使い勝手は3G内蔵モデルとどう違う?:つながれば「極楽」(2/3 ページ)
VAIO type Pに待望のWiMAX内蔵モデルが登場した。「真のモバイルブロードバンド」なる機能を内蔵したtype Pは、どこまで快適にモバイル通信を利用できるだろうか。
外付け型WiMAX端末との違いは?
では、オプション差額と同じく1万円ほどから購入できる、外付けUSB型端末と比べるとどうだろう。今回は手持ちの「UD01SS」を用いて比較した。
今回試したエリアにおいては、ユーティリティソフトの電波強度表示は異なっていたものの、WiMAXモデルは下り6.30Mbps/上り2.98Mbps、UD01SS(+3Gモデル)は下り6.21Mbps/上り3.01Mbpsとなり、どちらも計測速度に大きな差はなかった。
ただし、使い勝手は別だ。外付け端末は、使用前に「本体に取り付けて、ユーティリティソフトを起動して“接続”作業を行う」、使用後に「切断して、端末を取り外す」という儀式が必要だが、WiMAXモデルは、PCを起動(ないし、復帰)すると自動的に接続してくれる。何も意識せず接続されているので、例えると、家庭で使う無線LAN接続と同じような感覚だ。屋内でも屋外でも意識せず──この自由さがモバイルWiMAXの将来性を示しているといえる。
自動切り替えは可能か、“インスタントモード”で使えるか
WiMAXモデルに内蔵するIntel WiMAX/WiFi Link 5150は、無線LAN機能とWiMAX機能を同時に有効にできない。機能の切り替えはプリインストールソフトの「VAIO Smart Network」か、インテル純正の「Intel PROSet/Wireless WiMAX接続ユーティリティ」で行う仕組みだ。実利用において、これらを同時に使用することはないと思うが、公衆無線LANエリアでは無線LAN、同エリア外ではモバイルWiMAXといったように、そのときに利用できる最も高速な通信にシームレスに切り替えながら使いたいニーズもあるだろう。
現時点でのVAIO type PのWiMAXモデルは、このような自動切り替えはプリインストールするどちらのユーティリティソフトにおいてもサポートしておらず、残念ながら手動で切り替えることになる。こちらは今後の進化に期待したい。
ちなみに、3GモデルはワイヤレスWANと無線LANを同時に利用できる。VAIO type Pの場合は無線LANで位置情報を取得する「PlaceEngine」、あるいは「x-Radar」を用い、3G通信を行いながら周辺エリアの関連情報を探すといった利用シーンもある。WiMAXモデルでも同様のことができればいいのにと思う人も存在しそうだ。
VAIO type Pは、電源オフの状態からWindowsより高速に起動でき、ブラウザや画像表示、動画や音楽再生などの一部機能を利用できるLinuxベースのOS「インスタントモード」を備える。
インスタントモードでは、無線LANや有線LANに加え、XPモデルではワイヤレスWAN(3G通信)も利用できるのだが、2009年8月時点のWiMAXモデルは、残念ながらインスタントモードに設定項目が表示されず、WiMAX通信は行えなかった。
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