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“Windowsの恩恵”を受ける超小型マシン――工人舎「PM」シリーズに迫る345グラムで7時間駆動(1/3 ページ)

工人舎から登場した超小型Windowsマシン「PM1WX16SA」を試した。長文入力は? ニコ動再生は?

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Windows XPを採用した超小型マシン

工人舎「PM1WX16SA」

 工人舎の超小型マシン「PM1WX16SA」(以下、PM)は、ワイシャツのポケットに入るサイズながらもWindows XP Home Edition(SP3)を搭載したMIDだ。ベースとなっているのは韓国のUMID製「mbook M1」。詳細についてはこちらの連載記事(300グラム台でWindowsが動く「mbook M1」がやってきた)に詳しいが、PMは新たに金型を起こしヒンジ部分の強度改善、日本語キーボードの採用やWindows XP日本語版のプリインストールといったローカライズを行っている。CPUにはIntel Atom Z510(1.10GHz)を搭載、チップセットには動画再生支援機能を持つGMA500を内蔵したUS15Wを携えている。

 Atom Z510は省電力機能としてEIST(Enhanced Intel SpeedStep)をサポートしている。スペック上のクロック周波数は1.10GHzだが、通常は600MHz程度で推移していることが多い。動画の再生時など高負荷時にはスペック通り1.10GHzまで上昇する。バッテリー駆動時間はメーカー公称7時間となっている。

 メモリは512メガバイトで固定、内蔵ストレージは16ギガバイトSSDと、Netbookとしても非力な部類だ。XPの環境としては実用になるぎりぎりのラインで、SSDであるにも関わらず、初期状態ではページングファイルが設定されていた。SSDはオンボードで、増設や交換はできないが、前面にmicroSDHCスロットが用意されている。現在、microSDHCカードは16Gバイトでも実売6500円程度と非常に安価になっており、増設内蔵ストレージとして使用するのも有効な使い方だろう。

※記事初出時、microSDHCに関する記述に「32Gバイト」とありましたが、正しくは16Gバイトです。おわびして訂正いたします。

Z510は動作クロック1.10GHzだが、通常は600MHzで動作。ハイパースレッディング、EM64Tには非対応(画面=左)。ACアダプタも日本向けにローカライズされ、小型のものになった(写真=右)

 ネットワーク機能は内蔵モジュールにより802.11b/gに対応するほか、Bluetooh 2.0+EDRを搭載。Bluetoothネットワークとして利用するほか、Bluetooth対応マウスなどをワイヤレスでスマートに利用することが可能だ。また、画面右側にビデオ通話などに活用できる130万画素Webカメラを内蔵している。拡張用インタフェースとしては本体右側のUSB 2.0miniポートのみで有線LANや外部ディスプレイ端子はない。同梱の変換ケーブルを用いて通常のUSB 2.0インタフェースを持った周辺機器を利用できる。

USB変換ケーブルやイヤフォンを付属する

 このほか、ゼロスピンドルであることに加えて、ファンレス構造となっており、駆動部分のない静音設計、耐衝撃設計もポイントだ。ただし、排熱は庭面からの自然放熱のみで、温度計で測定したところ、テーブルに置いた状態でしばらく負荷をかけると底面部分で60度程度まで上昇した。触れなくはないものの、長時間持つには辛い温度だろう。ただし、筺体を持ちあげると放熱がより効果的に行われるため、すぐに45度程度まで下降した。モバイル環境で多いと思われる両手持ちスタイルでは大きな問題とはならないはずだ。

本体前面/背面。右側にmicroSDHCスロット、マイク端子を備える。デザイン上のアクセントとなっているシルバー部分は金属製ではなく塗装でやや安っぽい。背面側はバッテリーだ

本体左側面/右側面。右側にはACアダプタコネクタ、イヤフォン端子、USB 2.0miniコネクタが並ぶ

 ディスプレイは1024×600ドット表示対応の4.8型ワイド液晶を搭載。擬似的に1024×768ドットで表示を行うこともできるが、細かい文字などはぼやけてやや見づらく、アスペクト比も横長になる。あまり常用するモードではないが、XGA以上を前提としたWebサイトやアプリケーションを使う際には有効だろう。また、ヒンジの最大開放角があまり大きくなく、膝の上で操作するときには姿勢によっては見えづらいかもしれない。

1024×600ドット表示に対応したタッチパネル液晶を採用。正面右上に130万画素Webカメラを搭載する。擬似的に1024×768のXGAに切り替えることもできる。画像はPMの画面をキャプチャして1024×600に加工したイメージだ。ややにじみが生じるものの、縦方向のみの縮小のため、意外に読みやすい

ヒンジはディスプレイ部からなめらかに一体化しているように見える。この曲線がレトロモダンな感じも(写真=左)。mbook M1の天板は上部に「mbook」のロゴだったが、対してPMでは中央に「KOJINSHA」のロゴがつく(写真=右)

本体サイズは約158(幅)×94.2(奥行き)×13.5〜22(高さ)ミリとポケットに入る大きさだ。iPhoneと比較してみた(写真=左)。底面が塞がった状態では高負荷時の底面温度は60度近くまで上昇する。ただし、両手持ちスタイルでは放熱が効果的に行われるため45度程度になる(写真=右)

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