“Photoshop Magic”はモバイルにも、タブレットにも(2/2 ページ)
「Photoshop」は2010年、20歳になった。そして2011年、デジタルイメージングの領域はスマートフォンやタブレットの進化で新たな展開を迎えつつある。アドビのロードマップ策定担当者は何を思うか。
――アドビ製品=プロ向けツールというイメージはかなり強いものですが、「Photoshop Elements 9」などElementsシリーズからはそれほど強いニュアンスを感じません。どのような差別化を図っているのですか。
ニールセン氏: Photoshopを例にすれば、Photoshop CS5はプロ向けにデザインを構築する際の自由を与えるパワフルな機能を搭載しているのですが、Photoshop Elementsは利用者をヘルプする、手助けするという意図で作られています。
多くの人がPhotoshop Elementsで初めてPhotoshopに触れるのですが、ユーザー自身が成長し、自分の意図をより詳細に反映させたいと考えたとき、Photoshop CS5に移行してもらえるとうれしいです。
ちなみにLightroomはプロのデジタルフォトグラファー向けに開発したソフトなので、写真の処理に関しては非常にパワフルです。画像加工を得意とするPhotoshopと写真処理を得意とするLightroomを併用している人も多いと聞きます。
――「Lightroom Elements」のようなソフトがリリースされる可能性は。
ニールセン氏: 確かに、そこは今のところ欠けている製品領域です。先ほどLightroomはプロ向けツールだと説明しましたし、その姿勢は変わりません。ですが、現在ではプロではない多くの人もデジタル一眼を手にし、そのデジタル画像を活用したいと望んでいます。そうした人にはLightroomを勧めたいと思います。
「欠けている」と申し上げましたが、欠けているのは製品ではなく、みなさんへの「認知」ではないかと思っています。今後、Lightroomについては「デジタル一眼をもっている“みなさん”に適したツールです」と強調していきたいです。まずは体験版をダウンロードして試用してもらいたいですし、使って頂ければきっとその魅力に気が付いてくれるものと信じています。
Lightroomは「RAW現像ソフト」ではなく、「デジタル写真のツールボックス」というとらえ方が正確でしょう。カメラを買った、レンズを買った、という感じでLightroomを買った――という感じになって欲しいのです。
――「Creative Suite 5」には従来バージョンに比べて250以上もの新機能が追加されました。これ以上の機能追加や強化は行われるのでしょうか。
ニールセン氏: わたしたちは、最高のイノベーション、最高のクリエイティビティを発揮するために必要な、最高のツールを提供していくことを胸に仕事に取り組んでいます。そして、自分たちのためではなく、使う人のために開発していることも同時に胸に刻んでいます。
デジタルイメージングのツールとして、これからもパワフルかつ表現力豊かなツールを出していきます。Creative Suite 4を発表した際「これ以上の進化はあるのか?」と問われましたが、Creative Suite 5では250以上もの新機能を搭載できました。私たちのラボには、今後の20年でも尽きないトピックが用意されているのです。
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