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「Inkling」で会議のメモが取れるのかしら生徒会の会長が使ってみました!(1/3 ページ)

ワコムのInklingは、紙に書いたペンの軌跡を超音波と赤外線でキャッチしてデジタルデータに保存する。編集さんは「会議にも最適」というけど、本当にメモが取れるの?

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文具好きを刺激する最新筆箱、みたいな

ワコム「Inkling」

 PCに手描きで入力するとなれば、ペンタブレット、もしくは、タブレットを指先でなぞる、が主流だ。その中で地味に進歩しているものが、「手書き」と「デジタルデータ」を組み合わせた製品だ。ワコムが2011年8月に発表したInklingは、超音波と赤外線でA4サイズの範囲で動かしたペンの動きをキャッチしてデジタルデータとして保存し、保存した軌跡の位置情報をPCでチェックして利用できるというものだ。ワコムが考えるメインユーザーは「プロクリエーターのデザインスケッチ用」というが、紙に手書きした文字や絵をデジタルデータに保存して利用を目的とした入力機器として十分使えるはず。そこで、PCUSERとしては、もっと広いユーザーに向けて会議の記録やアイデアノートの手書きメモ用として使えるかを検証してみたい。

 ペンとしての使い勝手だけでなく、持ち運びも考慮した結果か、Inklingのデジタルペンとレシーバを格納するケースは「高級な文具」に通じるデザインで、パカッと開くギミックはいかにも“筆箱”だ。ケースの中には、デジタルペンとレシーバ、そして、替え芯が4本並ぶ。ビジネス用途狙いだと思うが、“文具好き魂”を刺激してくれる風格がある。ケースのサイズは、170(幅)×61(奥行き)×22(厚さ)ミリ、重量は179グラムと、やはり筆箱に近い。

ペンは一度押し込むと頭を出し、つまんで取り出せる(写真=左)。ケースを開けた状態。レシーバと替え芯の配置も文具好きを刺激する。左上のスペースにはUSBケーブルを格納できる(写真=右)

 デジタルペンは、直径15ミリで長さは芯込みで153ミリ、重量22グラムだ。ケースから取り外すと自動的に電源が入り、頂点部のLEDが点灯する。先端部が独特の形状をしており、ここから発信する超音波と赤外線をレシーバで受信することでペンの位置を特定する。そのため、ペン先を持つのはNGで、グリップのある部分でデジタルペンを持つことになる。

 デジタルペンの充電は、収納ケースにペンをセットし、レシーバをUSB接続すると自動的に充電が開始される。Inklingのペンは、Intuos4に付属するデジタルペンに近く、かつ、持ちやすい。

ペン先の形状が独特だ。超音波と赤外線で位置情報を得るため、スリットを設けている(写真=左)。使用可能になると頂点部のLEDが点灯する(写真=右)

Inklingに付属するデジタルペンをIntuos4のペンと比較してみた。グリップ感でいえば、両者に違いはない(写真=左)。実際の利用では、デジタルペンの先端部を持たないこと。ここで示した持ち位置が基本になる(写真=右)

 レシーバは、本体のサイズが70(幅)×30(奥行き)×16(厚さ)ミリ 重さが約39グラムとコンパクトで、操作ボタンは電源オンオフとレイヤー切り替えの2つだけだ。本体下部には用紙を固定するクリップがある。センサーは本体中央にあり、デジタルペンで入力された軌跡と筆圧を感知すると、レシーバ本体のLEDが点灯する。起動した直後はレシーバがペンを探している状態なので、20秒ほど間をおいてからLEDが点灯するかチェックしてみるといい。

 用紙をセットしたらレシーバの電源を入れるだけだ。少し待てば取り込み可能な状態になる。なお、入力時には、センサ周辺(レシーバの周辺ということになる)はペンを感知しないことに注意したい。取扱説明書におよその範囲が記されているが、“体で”覚えたほうがいい。ページの切り替えは、セットしてある用紙を外し、新しい紙をセットすると自動的に新規ページに切り替わる仕組みだ。ただ、今回の評価作業では、この操作でもページの切り替えに失敗していたので、ソフト側でレイヤー追加ボタンを新規ページ切り替えに変更できると助かるだろう。

レシーバのサイズは70(幅)×30(奥行き)×16(高さ)ミリでPCと接続するときも邪魔にならない

クリップも用意されている。紙を差し替えることで新規ページが作成されるが、評価用機材ではたまに認識ミスがあった(写真=左)。レシーバ周辺でレシーバに最も近いラインの内側エリアでは認識しない(写真=右)

 バッテリー駆動時間は4時間ほどで、測定のたびにバラツキがあった。充電時間はペンが2時間、レシーバが3時間くらいで満充電になるのを確認している。ただし、評価機材は製品版ではないので、現在出荷している量産版とは異なる可能性もある。

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