“トップ”の名にふさわしい限定モデル──AUDIOTRAK「DR.DAC2 DX TE(トップエディション)」:野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review(2/2 ページ)
音楽は“いい音”で聞きたい──。それならば、自作に続くオトナのPC遊び「PCオーディオ」に挑戦してはいかがだろう。今回はUSB DAC機能付きヘッドフォンアンプの限定モデル「DR.DAC2 DX TE」を視聴する。
サウンド入出力インタフェースはかなり多彩
また、アナログとデジタル入力を持つことから、高品位な録音デバイスとしても活用できる。音楽再生だけでなく、サウンドミキシングやデスクトップオーディオ用のプリアンプとしても使える多機能さが重宝する。
ヘッドフォン出力は、バランス接続(左右で別のヘッドフォン出力を利用する方法)も考慮たためか、計2系統を用意する。インピーダンスは600オームまで対応するので、能率の低いヨーロッパメーカー製高級ヘッドフォンなども対応可能だ。
操作性もかなり良好だ。電源から、入力切り替え、ボリュームまですべてフロントパネルに集中しており、迷わず分かりやすい配置となっている。入力切り替えのトグルスイッチなどは少々クラシックな印象を受けるが、これはDR.DAC2シリーズがもともとパーソナル向けスタジオ機器(今風にいえばDAW・Digital Audio Workstation:PCを中心にしたオーディオ制作環境)用途を意識した製品だからだ。金属製のボディを含め、質感(=個人的な所有満足度)はかなり高いと思える。
サウンドの特徴:低音の解像度感が格段に高い、ダイナミックでスピーディなサウンド
分解能が高く、ていねいで密度感の高いサウンドだったDR.DAC2レギュラーモデルに対し、DR.DAC2 DX TEは解像度感をそのままにキャラクターが一変し、ダイナミックでスピーディなサウンドへと生まれ変わっていた。
特に低音の解像度感が格段に高まっており、芯がとても強い。ドラムのスネア、バスドラともにキレがよく、リズミカルで、グルーブ感の高い演奏を堪能できた。一方で音のクリアさやダイレクト感もかなり向上しており、くぐもった感じがない、ベールを数枚剥いだかのような清々しいサウンドを聞かせてくれる。おかげで、いつもより歌声が、演奏が、数段印象的に感じられる。これはいい。
DR.DAC2 DX TEは、まさに“トップエディション”の名にふさわしいDR.DAC2シリーズ最高峰のモデルだ。この先も、これを超える別バージョンはそうそう作り上げられるものではないと思う。500台の限定モデルのため、気になる人は早めに購入検討することを勧めたい。
関連キーワード
ヘッドフォンアンプ | DAC(D/A Converter) | DAW(Digital Audio Workstation) | PCオーディオ | プリメインアンプ | サラウンド
関連記事
- 「秋のヘッドフォン祭り」で見つけた注目の新製品を一気聴き!
今年の「秋のヘッドフォン祭り」は、その充実ぶりに驚かされた。各社とも、初披露の新製品や発売予定の製品を列べ、その大半が実際に試聴できた。数多ある新製品のなかから、実際に試聴できた注目製品のファーストインプレッションをお届けしよう。 - WiseTech、iPhone/iPod向けのオーディオ出力ケーブルなど3種を発売
WiseTechが、オーディオ出力とUSB充電や同期が同時にできるiPhone/iPodケーブルなどを発売。ドックコネクターにiPhone/iPod以外のプレーヤーを接続するケーブルも。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.