オーディオPCの“スゴイ世界”を体感できる、音楽再生徹底特化PC──em「acroama」:野村ケンジのぶらんにゅ〜PCオーディオ Review(2/2 ページ)
音楽は“いい音”で聞きたい──。それならば、自作に続くオトナのPC遊び「PCオーディオ」に挑戦してはいかがだろう。今回は、内部の使用パーツも同社がオーディオ再生用に厳選したというエミライのオーディオ特化PC「acroama」を視聴する。
ざわつき感がまったくなく、ダイレクト感もレベル違いに高い
では肝心のサウンドを聞いてみよう。
一聴して驚くのは、そのSN感の高さだ。仕事用に使用する普段のWindowsノートPCでの再生と比べると、ノイズレベルが桁違いに良好だ。ざわつき感がまったくなく、実にクリアなサウンドで聞かせてくれる。ダイレクト感もレベル違いに高く、同じ曲なのに、まるでヴォーカルが2、3歩前に出てきて歌っているかのようである。このため、声のニュアンスがよりよく分かるし、アーティストの張り上げた声がいつもより数段印象的に、魅力的に聞こえる。
試しにノートPCにORB製高級USB DAC「JADE-2」を接続し、そちらのアナログ出力と比較してみた。ダイナミック感はほぼ同じとなったが、SN感についてはまだacroamaにアドバンテージが感じられる。それだけ再生側の基本レベルが違うのだ。
続いて、カスタマイズやチューニングによる音質向上のほどを確認すべく、特別に借りたacroama基本モデルとまったく同じ構成・パーツを使用した素組み状態で比較した。素組みモデルも、確かにツルシの一般的なPCより良好なサウンドクオリティを持つものの、こちらはあくまでも“音のいいPC”といった感じ。聞き比べるとレベルの差がおもしろいようによく分かるほどだ。チューニングを施した製品版のacroama(しかも、事前にユーザーの要望を聞き、最適な設定にした上で納品してくれるという)は、まったく別のクオリティレベルである。
このようにacroamaは、比較的入手しやすい価格帯の基本モデルであっても、高級オーディオPCと呼ぶにふさわしい、非常に高いレベルのサウンドクオリティを持っているのを確認できた。それでいて、使い勝手の面では普通のPCと変わることがないというところがまたいい。音と使い勝手の両立という、本格オーディオPCに対するこの新しいスタンスを大いに歓迎したい。
音質評価 | |
---|---|
解像度感 | (粗い−−−−○きめ細かい) |
空間表現 | (ナロー−−−−○ワイド) |
帯域バランス | (低域強調−−−−○フラット) |
音色傾向 | (迫力重視−−−−○質感重視) |
試聴曲
- Marcus Miller「Jean Pierre/FREE」
- 小曽根真「ドゥムカ(あるべきもなく)/Road to Chopin」
- 上原ひろみ「voice/voice」
- Raul Midon「Moment To Moment/SYNTHESIS」
- santana「Whole Lotta Love/Guitar Heaven: The Greatest Guitar Classics of All Time」
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