Windows 8を快適に使う“7つ道具”――エレコム「M-TC01DB」:ちょっと気になる入力デバイス(2/2 ページ)
ユーザーに身近なキーボードとマウスは、星の数ほど発売されている。その中から、気になる一品を360度チェックする本連載。今回はWindows 8のジェスチャー操作に対応したマウスを紹介する。
操作は快適、ただしズームの誤動作に注意
それでは、ジェスチャー操作の使い心地をチェックしよう。対応するジェスチャーはスクロール、ズームイン/アウト、戻る/進む、チャーム呼び出し、アプリ切り替え、スタート画面の表示、ウィンドウの最小化/表示の7種類だ。それぞれの機能に対応する操作は以下の通り。
M-TC01DBのジェスチャー機能一覧 | |
---|---|
ジェスチャー機能 | 指の操作 |
スクロール | 中央を上下にスワイプ |
ズームイン/アウト | 左側を上下にスワイプ |
戻る/進む | 右側を上下にスワイプ |
チャーム呼び出し | 右側から左側にスワイプ |
アプリ切り替え | 左側から右側にスワイプ |
スタート画面の表示 | 2本指で左右を下から上にスワイプ |
ウィンドウの最小化/表示 | 2本指で左右を上から下にスワイプ |
マウス表面には凹凸があるものの、指の滑りがよいため、スワイプは心地よく行える。ジェスチャー機能は、ひんぱんに利用する操作が多いし、チャームの呼び出しや、アプリの切り替えがワンアクションで行えるのもなかなか便利だ。右側から左側(または左から右)へと指を大きく動かすイメージがあるが、中央部分を通過すれば反応するので、指2本分くらいの距離で済む。
ただ、マウス左側にジェスチャー操作を割り当てたのはまずかったと思う。ドラッグ&ドロップの操作を行う際に、マウスの移動とともに右手人差し指が動き、ズームイン/アウトの誤動作が起こりやすい。さらに、マウスを左側に傾けながら動かすのが意外と難しく、ドラッグ&ドロップ操作自体がうまくいかないことも多かった。
ジェスチャー操作の割り当てを変更できない点も少し残念だ。専用ソフトで割り当てを変更したり、各操作の有効/無効を切り替える、といったことができれば、誤動作を減らしつつ、使い勝手も向上しただろう。
Windows 8専用の操作を快適に
本製品は、Windows 8に便利なコマンドを詰め込んだタッチ対応マウスという点で、マイクロソフトの「TOUCH MOUSE」と似た部分が多い。多彩なジェスチャー機能は、使いこなせれば作業効率が高まる半面、誤動作のリスクも高まるのには注意したい。
価格は8872円(税込み)と、同種のタッチセンサー搭載マウスであるTOUCH MOUSE(7980円)や、Magic Mouse(6800円)よりもさらに高価だが、Amazonなどのオンラインショップでの実売価格は5000円を下回る。もちろん、一般的なワイヤレスマウスと比較すれば価格は高いものの、Windows 8特有のジェスチャー操作を簡単に、かつ普段のマウス操作の延長で実現できるところは大きな強みだ。アプリの切り替えや、チャームの呼び出しといった操作は、このマウスの導入で楽になるのは間違いない。
タッチパネル内蔵ディスプレイでもない限り、既存のPCをWindows 8にアップグレードした人の多くは、マウス操作がまだまだ現役なはずだ。Windows 8の操作をスムーズに行いたいならば、M-TC01DBは真っ先にチェックすべき製品だろう。
PC USER編集部Sのインプレッション
Windows 8独特のジェスチャー操作をお手軽に追加OK、ここがいい。Windows 8を使い出すと意外と多用するチャームメニューも、タッチパネル操作と同じようにマウス上で指を左から右にシュパッとするだけで表示される。
上下スクロールもスリスリと音なく、さらにスパーンとはじくように高速スクロールできたりするのもすこぶる快適。これまでのPCをWindows 8にアップグレードしたけど、どうも操作に慣れないんだよね……という初心者層に導入を勧めたい。
PC USER編集部Gのインプレッション
Windows 8にアップグレードしたけど、タッチ対応液晶じゃないのであまり意味がない、というかむしろ使いづらくなったと感じてる人は注目したいマウス。特にチャームの呼び出しをさっと行えるのはとても便利だ。
ただ、ジェスチャー機能以外のマウスとしての操作は、底面のソールが左右クリックのボタンを兼ねている構造から、かなり違和感がある。特に右クリックを連打したいときは、手のひらをボディ上面から完全に浮かせて、本体をホールドする力(親指と薬指)を緩めるという工夫が必要だった。Windows 8向けマウスということで該当する人はあまりいないだろうが、FPSなどで要求されるような細かい操作をするには、かなりの慣れが必要だろう。
PC USER編集部Iのインプレッション
タッチ対応マウスでWindows 8の操作を快適にする、という本製品のコンセプトには非常に共感できる。マウスの進化の方向性としては正しいと感じた。
チャーム呼び出しとアプリ切り替えのジェスチャーは有用な一方で、ほかのジェスチャー機能の操作は少し違和感がある。本製品では、進む/戻る機能は指を縦にスワイプして操作するが、指を左右に動かす方が操作とコマンドのイメージが合致する。
機能が豊富なのはいいが、各機能をどのような操作で実現するか、という割り当ての部分が甘いように思う。ユーザーによるカスタマイズができないのならばなおさらだ。
関連記事
- 連載「ちょっと気になる入力デバイス」
- エレコム、ジェスチャー操作もできるWindows 8/RT対応のタッチセンサー搭載マウス
エレコムは、タッチセンサーを標準搭載したWindows 8/RT対応のワイヤレスマウス「M-TC01DB」シリーズを発表した。 - マイクロソフトが放つWindows 8世代のモバイルマウス――「Wedge Touch Mouse」
ユーザーに身近なキーボードとマウスは、星の数ほど発売されている。その中から、気になる一品を360度チェックする本連載。今回は今までになかった形状のBluetoothマウスを紹介する。 - 触っていて気持ちいい――触感と使いやすさを追求したタッチマウス「M600」
ユーザーに身近なキーボードとマウスは、星の数ほど発売されている。その中から、気になる一品を360度チェックする本連載。今回はタッチセンサーを搭載したロジクールのマウス「M600」だ。 - マウスをいつも、ポケットに入れて――ロジクール「Logicool Cube」
ユーザーに身近なキーボードとマウスは、星の数ほど発売されている。その中から、気になる一品を360度チェックする本連載。今回は……やだ、なにこれかわいい。
関連リンク
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.