2560×1440ドットの27型タッチ対応PC――デル「XPS One 27」を試す:豪華すぎる仕様、でも意外と安い(3/3 ページ)
デルの「XPS One 27」は27型ワイドの大画面かつ2560×1440ドットという高解像度ディスプレイを備えた液晶一体型PCだ。タッチパネルを内蔵し、外部GPUも標準搭載。音質にも注力するなど、完成度が高い製品に仕上がっている。
16Gバイトメモリ、キャッシュ用SSD付きモデルも用意
XPSシリーズはデザイン性に加えて、高いパフォーマンスも重視する層に向けたブランドだ。本体スペックは、プレミアム、プラチナ、プラチナ大容量メモリと3種類のパッケージでそれぞれ異なるが、すべてのパッケージで第3世代Coreプロセッサ・ファミリーのクアッドコアCPUを採用している。
プレミアムパッケージはCore i5-3330S(2.7GHz/最大3.2GHz)を、プラチナ(プラチナ大容量メモリ含む)パッケージはCore i7-3770S(3.1GHz/最大3.9GHz)を搭載する。このほか、メモリやストレージの容量が異なる。
各モデルの直販価格(2013年2月12日現在)は、プレミアムパッケージが14万1979円から(税込み、送料込み、以下同)、プラチナパッケージが15万4980円から、プラチナ大容量メモリパッケージが16万4980円からとなる。BTOカスタマイズにも対応するが、基本的にはパッケージの構成でほぼ固定されており、カスタマイズのメニューはOSやオフィスソフトの有無、キャッシュ用SSDの有無、オプション(テレビチューナーなど)くらいだ。
よりパワフルなマシンがよければプラチナ大容量メモリパッケージを選ぶのもいいだろう。価格は2万円ほど高くなるものの、メモリは16Gバイトになり、ストレージが増量しキャッシュ用SSDも付加される。画面の大きさを生かして画像/動画編集をするといった用途であればこちらの構成が向くだろう。
「XPS One 27」各パッケージのスペック | |||
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パッケージ名 | プレミアム | プラチナ | プラチナ大容量メモリ |
CPU | Core i5-3330S(2.7GHz/最大3.2GHz) | Core i7-3770S(3.1GHz/最大3.9GHz) | |
メモリ | 6Gバイト(2Gバイト+4Gバイト) | 8Gバイト(4Gバイト×2) | 16Gバイト(8Gバイト×2) |
ストレージ | 1Tバイト(7200rpm) | 2Tバイト(7200rpm) | 2Tバイト+32GバイトSSD(7200rpm) |
価格 | 14万1979円 | 15万4980円 | 16万4980円 |
外部GPUでゲームもサクサク
評価機は「下位のプレミアムパッケージ」で、主なスペックはCPUがCore i5-3330S(2.7GHz/最大3.2GHz)、チップセットはIntel HM77 Express、メモリは6Gバイト(PC3-12800、2Gバイト+4Gバイト)、データストレージは1TバイトHDD(7200rpm)だ。評価機のHDDはシーゲイト「ST1000DM003」だった。
グラフィックス機能は、Core i5-3330Sに統合されたIntel HD Grapchics 4000と、NVIDIAのGeForce GT 640M(グラフィックスメモリ2Gバイト)のハイブリッド構成で、NVIDIAのOptimus Technologyにより、自動的に切り替わる。基本的には3Dゲームなど3D描画パフォーマンスが必要なアプリケーションはGeForce GT 640Mを使い、それ以外はIntel HD Graphics 4000が有効となる。この判断はNVIDIAのドライバが行うが、NVIDIAコントロールパネルからユーザーも指定できる。
ベンチマークテストは、総合ベンチマークテストのPCMark 7、3D系ベンチマークテストの3DMark06、3DMark Vantage、ストリートファイターIV ベンチマーク、モンスターハンターフロンティア ベンチマーク【絆】を行った(使用GPUは、すべて外付けグラフィックスのGeForce GT 640Mを指定)。参考として下位モデルとなるInspiron 2330と比較した。
Inspiron 2330の構成は、CPUがCore i5-3330S(2.7GHz/最大3.2GHz)、4Gバイトメモリ(4Gバイト×1)、1TバイトHDD(7200rpm)、フルHD対応23型ワイドディスプレイ、Intel HD Graphics 4000といった内容だ。
ベンチマークスコアは、PCMark 7はあまり差が出なかったものの、3D系ベンチマークテストでは大きな差が出た。特にストリートファイターIV ベンチマークでは、XPS One 27は高負荷時でも動作上問題ないスコア(60fps以上)だった。上位のモデルでは、CPUやメモリ、ストレージといった基本スペックが上がるため、さらにスコアは上がるはずだ。
あらゆる場面で高い性能を発揮するハイスペックPC
XPS One 27の直販価格は14万1979円からだ。やや高価に思えるかもしれないが、高級感のあるボディに“Ivy Bridge”世代のCore i5、27型の大画面に2560×1440ドットの高解像度、動画編集や3Dゲームにも耐えられる外部GPUを搭載することを考慮すれば納得できる。
また、HDMI入力を備えているので、ノートPCの外付けディスプレイとして使うのもいい。普段持ち歩いている(仕事用などの)ノートPCを本製品に接続し、作業効率が高い環境を瞬時に構築するといった使い方もアリだ。
大画面かつ高精細なディスプレイでWindows 8スタイルのUIを思い切り楽しむもよし、はたまたタッチを使わずに、ハイスペックな作業用PCにしてしまうのもいい。「高性能なPCでバリバリと作業したいけど、デュアルディスプレイを置けるほどのスペースはない」といったユーザーにXPS One 27はぴったりだ。スタンドの関節が1個になるがタッチパネルを搭載しないパッケージもある。
だが、Windows 8 UIを使った大画面でのタッチ操作は想像以上に快適だ。今後Windows 8向けのアプリが充実すれば、タッチ操作の活用シーンは広がるだろう。タッチパネル非搭載モデルとの価格差は8000円なので、タッチパネル搭載モデルの方をおすすめしたい。
XPS One 27はゲーム用の高機能な外部GPUを搭載しているわけではないので、負荷が高い3Dゲームのプレイは厳しいものの、普段使い、作業用、写真/動画編集用、サブディスプレイ……とさまざまな利用シーンで、ユーザーが満足できるパフォーマンスを発揮してくれるはずだ。
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