Let'snoteはユーザーの声で進化する:開発者もユーザーも欲張りだからこうなった(2/2 ページ)
パナソニックは、2月9日にLet'snoteユーザーを対象としたミーティングイベントを行った。午前の部では、PCライターの戸田覚氏とともにLet'snoteを「採点」した。
「開発者が欲張りなのがいい」
パナソニックの説明が終わったあと、ミーティングに参加したユーザーは、自己紹介を兼ねて、それぞれが「“相棒”としてみたLet'snoteの点数」を語った。“ユーザー代表の司会者”とした参加したPCライターの戸田覚氏は、「いまから20年以上前に、私がPCを使い始めた日本では、NECと富士通、IBM以ぐらいしか製品がなく、パナソニックが参入したときは、家電メーカーのPCが売れるのかと不安だった」という。しかし、それから現在までPCメーカーとして生き残っているのは、“使いやすく壊れない”という参入当初のポリシーを貫いているからと語る。スペックは同じで価格は高いのにユーザーが買う理由がここにあると戸田氏は主張する。
参加したユーザーがつける点数もおおむね80〜90点台と高い。支持する意見で多いのは「バッテリー駆動時間の長さ」だが、キーボードの感触や“体の幅にちょうど合うバランスのいい”コンパクトなサイズを挙げるユーザーや、HDDやメモリなどのメンテナンスがやりやすいことを挙げるベテランユーザーもいた。一方で、減点対象としては、ホビーユースで使う場合の機能の弱さやキーボードの弱さ、価格の高さを挙げるユーザーが多かった。
ユーザーも欲張りだから進化する
Let'snoteシリーズに対する要望では、「もっと安く」「キーボードが使いやすいAX2」といった価格や使い勝手に関する意見のほか、参加していた2名の女性ユーザーは、どちらも「もっとかわいく」「デザイン」と、見た目に対する要求を挙げていた。外観に対する意見では、“価格に見合った質感”を持つ塗装の質の向上を望む声もあった。
また、高齢者の親を持つユーザーからは、タッチパネルを液晶ディスプレイではなく外付けとして用意して欲しいという意見もあった。これは、自分の親に使わせたとき、液晶ディスプレイに表示したアイコンを直接タップすると、“見えなくなるから触れない”といわれたからだそうだ。
さらに、クラムシェルスタイルのLet'snoteシリーズでもタッチパネル搭載モデルを用意して欲しいという意見も多かった。これは、Windows 8における使い勝手以外にも、通勤でロングシートに座った場合、本体手前にあるホイールパッドを使うとひじが後ろに下がって体の脇に出てしまい隣の人にぶつかってしまうので、パネルを直接操作できるようにしたい、という、実際に使っているユーザーだから分かる意見もあった。
このようなユーザーの意見に対して、パナソニックは、自分たちでは気がつかないアイデアもあって、大いに参考になったと述べ、半年後に登場するLet'snoteでは、ここで得られた意見を反映した新モデルが登場する可能性もあると、このイベントの成果が形となる可能性を示した。このように、ユーザーの意見を重視するという不変の開発方針は、Let'snoteがこのさきも“日本のユーザー”本位の視点でが進化していくことをよく示しているといえるだろう。
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