米軍調達基準を満たすタフな14型Ultrabook――「HP EliteBook Folio 9470m」に迫る:薄いだけじゃ満足できぬ(1/3 ページ)
薄くて頑丈で信頼できるノートPCが欲しい。それなら、個人でもビジネス向けモデルをチェックしてみては? この「HP EliteBook Folio 9470m」は実用重視の14型Ultrabookだ。
高機能なビジネスPCにUltrabookのメリットを付加
“Ultrabook化”の波がビジネス向けPCにも押し寄せている。2011年秋以降、個人向けUltrabookのラインアップは増え続けているが、持ち運びやすい薄型軽量ボディ、高速起動といったUltrabookの恩恵を受けるのは個人向け用途だけではない。快適に作業を行うためのビジネスPCにも欲しい機能だ。
個人向けのUltrabookを法人向けにアレンジするのではなく、処理能力の高さ、堅牢性、セキュリティなどのビジネス向け仕様を満たしつつ、Ultrabookの特徴を取り入れる――日本ヒューレット・パッカード(以下、日本HP)のビジネス向けUltrabook「HP EliteBook Folio 9470m」はそんなコンセプトを持ったマシンと言える。
14型Ultrabookで厚さ18.95ミリ、重さ約1.63キロという数値は、突出した薄型軽量ボディとはいえないが、米軍調達基準(MIL-STD-810Gテスト)をクリアする堅牢性も兼ね備えて、この薄さと軽さという点に注目したい。同社直販サイト「HP Directplus」における分類は法人向けモデルだが、個人でも購入できる。
HP EliteBook Folio 9470mは、CPUやストレージが異なる3つのモデルがある。今回はその中でもCore i3-3217U(1.8GHz)を搭載する低価格モデル「3217U/320F」の使い勝手や性能をチェックしていこう。
シンプルなデザインに、傷がつきにくい特殊加工を施した天板を装備
ボディの素材はアルミニウムを採用する。天板は「ビードブラスト」という特殊加工により傷がつきにくく、しっとりとした手触りとなっている。キーボードベゼルとパームレストはヘアライン加工が施されているが、天板とともに光沢を抑えており、落ち着いた印象を受ける。
本体サイズは338(幅)×231(奥行き)×18.95(厚さ)ミリで、重量は約1.63キロだ。実測値は1671グラムで、公称値よりもわずかに重かった。76センチの高さから26回落下させる衝撃や1600キロメートルの車両輸送による振動(米軍調達基準)にも耐える優れた堅牢性を確保しつつ、ビジネス向け14型ノートPCとしては、比較的薄く軽いボディに仕上がっている。フラットな形状のおかげでバッグやデスクへの収納も楽に行える。
ビジネス向けの製品らしく、インタフェースが充実しているのも大きな特徴だ。USB 3.0が3基にギガビットLAN、SDメモリーカードスロット、ヘッドフォン/マイク共用出力のほか、ディスプレイ出力はアナログRGBとDisplayPort(1.1a)の2種類を装備した。無線通信はIEEE802.11a/b/g/n対応の無線LANとBluetooth 4.0が利用できる。
また、TPM 1.2のセキュリティチップやセキュリティスロット、スマートカードリーダー、指紋センサーも搭載しており、盗難/データ流出防止への配慮もみられる。これらの機能は「HP ProtectTools Security Manager」で一括管理が行え、データの暗号化やデバイス(ドライブ)へのアクセス制限、パスワード管理機能を利用できるほか、データ消去ツール「File Sanitizer」も付属する。
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