「1.19キロ」「12.8ミリ」のウスカルボディでアップした「YOGA 3 Pro」の実力を検証する:Core M“上位モデル”の性能は? (4/4 ページ)
4つのスタイルを使い分けるYOGAシリーズの最新モデルが新しいボディで登場した。「Core M」の性能とともに大きく向上した使い勝手をチェックする。
YOGA 3 Proの処理能力と表面温度をチェックする
YOGA 3 Proの処理能力を検証すべく、今回実施したベンチマークテストは、PCMark 7、CINEBENCH R15、および、R11.5、ドラゴンクエストX ベンチマークソフト、ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編、CrystalDiskMark 3.0.3bだ。
PCMark 7では、Creative Scoreが3000ポイントに迫るスコアを見せている。Creativeスコアはグラフィックス性能の影響が強いが、Broadwell-Y世代で大幅に強化したことがスコアでも実証している印象だ。ドラゴンクエストX ベンチマークソフト、およびファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア ベンチマーク キャラクター編では、標準品質、1280×720ドット程度であればどちらも「普通」という評価だった。これを高画質に設定したり、あるいは解像度を上げてしまったりすると、「重い」「設定変更を推奨」となる。
一方で、CINEBENCH R15はCore i5-4200U搭載のノートPCを下回る。動作クロック相当の結果といえるだろうか。Core M-5Y70も最大で2.6GHzまで上がるが、2コア/4スレッドを使い切るCINEBENCH R15では、比較的低いクロックで処理されていると考えられる。
CrystalDiskMark 3.0.3では、シーケンシャルリードが521.5Mバイト/秒と高速な一方、シーケンシャルライトは250.4Mバイト/秒にとどまっている。いわゆるメインストリーム〜コストパフォーマンス向けSSDに相当するスコアだ。デバイスマネージャーで確認したところ評価した機材にはサムスン電子の「MZNTE512HMJH」を搭載していた。これは、M.2 SSDだが接続インタフェースはSerial ATA 6Gbpsを採用している。3200×1440ピクセル対応パネルの採用や、特殊なヒンジなど、YOGA 3 Proはコストの高い部材を取り入れているが、これに高性能なSSDを組み合わせれば、価格がかなり跳ね上がってしまうだろう。エントリークラスのSSDを採用したことで、製品価格を抑制したと思われる。
バッテリー駆動時間の計測には、海人氏作のbbench 1.01を利用した。電源オプションを「バランス」に、ディスプレイ輝度を約40%、無線LAN(IEEE802.11ac)で常時接続し、60秒に1回Webページ(10種類)を巡回し、10秒おきにテキスト入力を行う条件で計測したが、満充電の状態から残り5%で休止状態に入るまでに4時間46分となった。
また、PCMark 8を40分連続して実行したのちに、キーボード面を縦横3分割する線の交点となる9カ所と、底面を縦横3分割する線の交点となる9カ所のそれぞれで表面温度を放射式温度計で測定したところ、キーボード面液晶ディスプレイ側の中央が36度、その左右が30度前後、2列目は25度前後、3列目はそれ以下の温度になった。36度でもやや温かいかなという程度であり、ひざ上に置いても熱い印象はない。また、タイピングをする範囲のほとんどが30度未満に収まっているため、手に汗をかくこともなかった。
なにかと「独特」なYOGAワールド。目立つPCであることは間違いない
YOGA 3 Proは、比較的安価なイメージのあるIdea Padブランドのなかでは高級なモデルだ。実売価格は税別で21万500円前後で、ThinkPad X1 Carbonと比べても高めの設定だ。ただし、スタイルや高級感ある外観、そして、薄く軽いといった特徴は、現在のPCの中でも個性が強く、最新のCore Mの採用などを総合すれば、納得できる価格といえるだろう。
そして、“YOGA”シリーズノートで共通する4つのスタイルを使い分けできるギミックは、YOGA 3 Proでも評価したいポイントだ。YOGA 3 Proが、薄く軽くなったことで、タブレットスタイルがより実用的になったことも大きな進歩だ。ACアダプタも小さく軽量になったことで、可搬性もさらに高まった。PCをどこでもアクティブに活用したいユーザーには有力な購入候補となるだろう。
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