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「ALIENWARE Alpha」実力診断――デルの“家庭用ゲーム機”はアリなのか?リビングに侵略したAlien(3/4 ページ)

デルの「ALIENWARE Alpha」は、Windows PCをベースとしながら、Steamに最適化した独自UIを備えた“家庭用ゲーム機”感覚のマシンだ。ゲーム以外の用途もパワフルにこなせるコンパクトPCだったりもする。

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ゲームコントローラーでの操作が前提となる「Alpha UI」

 さて製品の外箱を開封すると、付属のXbox 360ワイヤレスコントローラーだけで操作可能な意味合いの紙が目に飛び込んでくる。セッティングをして電源を入れると、Windows 8.1の画面ではなく、独自のAlpha UIが立ち上がるので、Steam IDでのログインを終えると準備完了だ。このAlpha UIはWindows上で動作するアプリケーションの1つとなっており、Windows側から見るとユーザープロファイルの1つになっている。

 ただし、Alpha UI使用時にWindowsのショートカットキーを押してもカット&ペーストなどは行えるが、Alt+Tabの同時押しからWindowsへと戻ることはできない、そもそもエクスプローラが起動していないなど、ゲーム機らしい使い勝手が徹底されている。

 パッケージの環境、つまりコントローラーを接続した状態だけだと、Windowsを起動する方法がないというのも、ある意味で漢(おとこ)らしい。ここで気になるのは起動時間で、30秒ほど待たされる。スリープを解除した場合は5秒ほどだが、致し方ないところだろうか。

キーボードがない状態でSteamアカウントにログインするにはどうするのだろうと思ったら、コントローラーのスティックだけで文字入力が可能だった。写真のように意外とアリなフリックっぽい入力仕様だ
ログインすると、後はSteamの「Big Picture」モードの操作画面になる。日々、Steamを愛用し、ゲイブにピザ代を貢いでいるのであれば、Steam専用機としての魅力を理解できるハズだ(※編集部注:ゲイブとは、Steamを展開するValveのゲイブ・ニューウェルCEOのこと。ゲーマーの間では、Steamの売上はゲイブ氏のピザ代になるという定番のジョークがある)
ゲームの入手もコントローラーで選んでいくだけと簡単
ゲームのインストール時には、バックグラウンドで走っているWindowsのウィンドウが表示されることもある。そう言えば、Windows PCだった
Alpha UI自体にスクリーンショット機能は用意されていないが、プレイ中のゲームのスクリーンショットには対応している

 Alpha UIには設定メニューが用意されている。簡素なものだが、重要なのはホットキーの項目だ。たまにAlpha UIが固まることもあったため、LT+LB+RT+RB+ガイドボタンでシステムメニューを呼び出せることだけは最初に覚えておきたい。

 また設定画面では、Alpha UIからWindowsに切り替えることもできる。Alpha UIからWindowsへの切り替えは、マウスを接続している場合のみOKだ。ただし、Alpha UI上からWindowsを起動すること(ログオフして、通常のアカウントにログオンの流れ)が必要になり、起動直後からWindowsを選ぶことはできないようだ。逆にWindowsからAlpha UIの起動はデスクトップ上にあるAlpha UIを起動するだけでよかったりする。

Alpha UIの設定画面。ゲーム機的なUIなのでメニュー構造の把握は楽だ
ビデオの設定メニュー。Windowsのディスプレイ設定メニューを介さずに、ここから解像度とリフレッシュレートを決められる
ビデオの設定メニューでは、画面の拡大/縮小もできる
カスタマイズでは本体にあるLEDの色や輝度を変更できる。有線LANポートの通信LEDも何気に白色なのだが、この部分は変更不可だった
HDMI入力のオン/オフもある
ホットキーの画面。とりあえず、このシステムメニューの呼び出しだけは覚えておこう
電源関連のメニュー。1番下の「デスクトップにアクセス(Windowsのデスクトップ画面を起動)」は、マウスを接続していない場合、グレーアウトで選択不可だ
こちらはマウスを接続した状態。「デスクトップにアクセス」が選択可能になっている。これを選ぶと、Windows 8.1を利用できる仕様だ

 Alpha UIとSteamの組み合わせにより、ゲームをプレイするぶんには、PCとしてのスペックを意識することなく、いつものようにピザ代を貢ぐ感じで遊べてしまい、ゲーム機的な使い勝手だが、ブラウザ機能も用意されている。

 このブラウザを使えば、コントローラー操作で意外と楽にWebブラウズできてしまうのだが、そうなると気になるのは最近旺盛なブラウザゲームへの対応だ。

 HTML5ベースのものは普通に動作していたが、Flashベースのものは、Flashをインストールすることができず、プレイすることができなかった。この辺りに対応してくれると、よりゲーミングPC化すると思うのだが……あ、でもマルチタスク的な動きはできない仕様だからログインは面倒か……(もちろん、Windowsのデスクトップを起動してWebブラウザからFlashゲームを楽しむことは可能)。

SteamのWebブラウザで「艦隊これくしょん -艦これ-」も楽しめるのではないかと思ったが、Flashのインストールが実行できず断念
Webサイトを見るぶんには問題はない

 なお、ALIENWARE Alphaが搭載するAlpha UIは、Windows上で動作する独自のUIだが、これとは別にValveはLinuxベースのSteam専用OSである「SteamOS」の開発を進めており、2015年11月にこれを搭載した「Stram Machine」がパートナー各社から発売される予定だ。米Dellも今回取り上げたALIENWARE AlphaをベースとしたStram Machineを投入するとアナウンスしており、Steamへのさらなる最適化が進むだろう。


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